シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!

世田谷学園中学校

2014年04月掲載

世田谷学園中学校【理科】

2014年 世田谷学園中学校入試問題より

だ液のはたらきを調べるために、次のA~Hの8本の試験管を用意しました。
しばらく置いてから、A、C、E、F、G、Hにはヨウ素液を加え、B、Dにはベネジクト液を加えて加熱し、それぞれの反応を見ました。
右の表は、あるグループが教科書で調べた反応の予想と実験で得られた結果を記入したものです。
だ液のはたらきについて、あとの問いに答えなさい。ただし、A~Dの予想らんは、空らんにしてあります。

  A B C D
  でんぷんよう液を入れ、だ液を加えて、40℃の湯につける。 でんぷんよう液を入れ、だ液を加えて、40℃の湯につける。 でんぷんよう液を入れ、水を加えて、40℃の湯につける。 でんぷんよう液を入れ、水を加えて、40℃の湯につける。
予想        
結果 うすい青紫色 赤かっ色 青紫色 変化なし
  E F G H
  でんぷんよう液を入れ、だ液を加えて、0℃の氷水につける。 でんぷんよう液を入れ、水を加えて、0℃の氷水につける。 でんぷんよう液を入れ、だ液を加えて、80℃の湯につける。 でんぷんよう液を入れ、水を加えて、80℃の湯につける。
予想 青紫色 青紫色 青紫色 青紫色
結果 うすい青紫色 青紫色 青紫色 青紫色

(問)試験管A~Dの中で1つだけ教科書で調べた予想と異なる結果になったものがあります。

➀それはどれですか。A~Dの記号で答えなさい。
➁また、そこの予想には何と書いてあったと思いますか。下のア~エから選び、記号で答えなさい。
➂予想と異なる結果になった理由はいろいろ考えられますが、下のオ~クの中で理由として考えられないものを1つ選び、記号で答えなさい。

  • 青紫色
  • うすい青紫色
  • 赤かっ色
  • 変化なし
  • だ液が多かった
  • だ液が少なかった
  • でんぷんが多かった
  • 湯が冷めていた

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この世田谷学園中学校の理科の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、日能研がこの問題を選んだ理由を見てみましょう。(出題意図とインタビューの公開日については更新情報をご確認ください。)

解答と解説

日能研による解答と解説

解答
  • ➀A
  • ➁エ
  • ➂オ
解説

A~Dの試験管で実験を行ったときの条件とその結果をまとめると、次の表のようになります。

試験管 試験管に入れたもの 温度 加えた指示薬 結果
A でんぷんよう液 だ液 40℃ ヨウ素液 うすい青紫色
B でんぷんよう液 だ液 40℃ ベネジクト液 赤かっ色
C でんぷんよう液 40℃ ヨウ素液 青紫色
D でんぷんよう液 40℃ ベネジクト液 変化なし

だ液は体温付近(40℃)で働き、でんぷんを分解して糖に変える働きがあります。そのため、通常、でんぷんよう液にだ液を入れたA、Bでは、だ液が働いて、でんぷんが糖に分解され、でんぷんよう液に水を入れただけのC、Dでは、でんぷんが分解されずに残っていると予想されます。

これらのことから、Aでは、でんぷんが分解されてなくなり、糖だけがあるので、そこに、でんぷんがあることを確かめるヨウ素液を加えると、ヨウ素液の色は変化しないことが予想されます。
Bでは、でんぷんが分解されてなくなり、糖だけがあるので、そこに、糖があることを確かめるベネジクト液を加えると、ベネジクト液の色は赤かっ色になることが予想されます。
Cでは、でんぷんだけが分解されずに残っているので、そこに、でんぷんがあることを確かめるヨウ素液を加えると、ヨウ素液の色は青紫色に変化することが予想されます。
Dでは、でんぷんだけが分解されずに残っているので、そこに、糖があることを確かめるベネジクト液を加えると、ベネジクト液の色は変化しないことが予想されます。

また、Aの結果が「変化なし」ではなく、「うすい青紫色」になったことから、Aでは、でんぷんが完全に分解されていなかったことが予想されます。その原因としては、温度が低くだ液の働きが不十分だったこと、だ液の量に対して、でんぷんの量が多すぎたこと、でんぷんの量に対して、だ液の量が少なすぎたことなど、いろいろなことが考えられます。

日能研がこの問題を選んだ理由

教科書通りにいかなかった実験結果を題材として取り上げて、そこからどのようなことが考察されるのかを、筋道を立てて、論理的に推測していく問題です。このような問題に触れることで、子どもたちが身の回りで、さまざまな状況(不具合など)に直面したときに、その状況をどのようにとらえて、どのように分析し、どのように解決したらよいのかということに気付いていきます。さらに、この問題を通じて学んだことをいろいろなことに活用していくきっかけになります。

このような理由から、日能研ではこの問題を□○シリーズに選ぶことに致しました。