グリーンスクールは、ここで学ぶはじめの一歩。

  • Vol. 1517 : 2017/08/19

芝浦工業大学柏中学校共学校

芝浦工業大学柏中学校(以下、通称「芝柏」…シバカシ)には、木で作られたベンチがあります。いくつも。
そして、そのベンチは、ちょっとずつ増えているような気がしていました。

5月…入学して間もない中学1年生が、教室に遊びに来て、「明日からグリーンスクールなんだ!」と。
グリーンスクール???「何をするの?」「どこかへ行くの?」
「福島にね!学校のハウスがあるの!そこでいろいろ!オリエンテーション!」
入学して間もないこの時期に、宿泊学習があるのです。
この日はとにかく、翌日から向かう、この“グリーンスクール”へのわくわくした気持ちを矢継ぎ早に話して、卒業生は帰っていきました。

で…何をやったのだろう…と気になっていたころ、帰ってきた中1生にやっと話が聞けました。
やったことの大きな思い出のひとつは“森を作ること”に参加したこと。

福島県には、芝浦工業大学セミナーハウスがあります。
学校が所有する“山”があるそうです。
中学1年生は毎年、その森で、新しい木の苗を植える体験をします。
そして、1年前に先輩たちが植えた苗の成長を観察し、下草刈りや間伐など、周りの環境を手入れします。
その先には、もう1年先輩たちが植えた苗が成長したエリア、その先にはさらに1年先輩の植えた木…「先輩が植えた木がね!ちょっと大きくなってるの!」と自慢げです。
代々の先輩たちの足跡に、自分たちも一歩を刻み、自然を考える体験。

この体験を聞くと、“環境学習”のようなのですが、どうやらここからが始まり!
理科では、このグリーンスクールで学んだことを起点に学ぶのはもちろん、国語では、関連社説を読んだり要約をしたり、社会でも環境のつながりや地形とつなげた学習、英語でも、関連内容の文章を教材に触れたり・・・
このグリーンスクールで学んだことは、秋の文化祭では、芝柏の特色でもあるPCを使ったプレゼンテーションにまで発展します。
芝柏のグリーンスクール
それは、この学校でこれから6年間学んでいく、学びの広がりのきっかけの体験・・・はじめの一歩のようなのです。

そしてその森では、大きくなった木の伐採体験も。
切った木の製材見学をしたり、その木をベンチにするための加工も学ぶそうですが・・・伐採した木は、なんと加工できるまで1年乾燥をさせるのだとか。
木がベンチになって学校に戻ってくるのは、1年後…そのころには、はじめての後輩ができて、後輩たちが自分たちの植えた木の周りを手入れしてくれる頃です。
自分たちが関わったことだからこそ、自分ごとにして学べる。
自分が関わった木だからこそ、ベンチになってからも大事に使える。


学校に何気なく置いてある木で作られたベンチの生い立ち。
そこから、同じ学校で学ぶ、先輩後輩たちの素敵なバトンリレーと、芝柏での学びの始まり…原点を感じました。

まめお

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