「学校ダンス」という言葉を、耳にしたことはありますか?
「学校ダンス」とは、さまざまな場面で生徒全員が一体となって、踊りを披露するものです。
そもそも、「学校ダンス」の起源は明治期の「鹿鳴館時代」までさかのぼります。
西欧化の一端を担い、また女子教育・教養の一環として、
全国の女学校に取り入れられていったようです。
しかしながら時代の流れによって、行う学校は少なくなりました。
それでも、伝統を脈々と受け継ぎ、今も「学校ダンス」を行っている学校があります。
共立女子中学校の「荒城の月」、
横浜雙葉中学校の「田毎の月」、
桜蔭学園中学校の「みのり」などが有名です。
それぞれの学校では、体育祭や運動会の場面で
全校生徒、先生方、保護者の前で披露しています。
そして、ここに紹介する東京女学館中学校高等学校も、そのうちのひとつ。
9月の体育祭で披露される、伝統の「カドリール・プロムナード」です。
これは、高校3年生だけが踊ることができる、学校生活最後の体育祭での、学校ダンスなのです。
1時間近く行われるこのダンス。
高校1年生以下は、憧れの先輩方の姿に涙をし、
高校2年生は「次は私たちが受け継ぐ」という想いのもと、
食い入るように見つめ、胸に刻み込むそうです。
この日のために、高校3年生になってから猛練習の日々。
振付、ステップ、動きの合わせ方…。
先生から、仲間から言葉をもらいながら、体育祭当日を迎えるそうです。
「練習は本当に大変だったけど、今思い返すと、6年間での一番の思い出です」
「なぜか大号泣しながら踊った」
「あの瞬間、『私は今、東京女学館の伝統を引き継いでる』と思った」
と、卒業生が語ってくれました。
OB会でも、会合の最後のほうになると、突然音楽が流れてきて、
「さぁ、カドリールを!」との声とともに、ダンスが始まるそうです。
世代を問わず、みんな一緒になって。
伝統の下につながるって、素敵ですね。
すっきー