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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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帰国からの麻布受験

  • 年度:2019
  • 性別:男子
  • 執筆者:
息子は生後間もなくから小学校に上がる前、また小学校3年2学期から5年の1学期まで約8年間非英語圏で生活。現地ではインターナショナルスクールに通っていたものの、受験で勝負するほどの英語力(英検準一級)はなく、国算を主体とした帰国受験を目標とした。
当初より掲げた目標は4教科受験の海城中学校(帰国)。帰国直後の5年夏期講習から日能研最大規模某校で塾主体の生活を開始。それまで国算は現地日能研リーグ塾にお世話になっていたものの、2年間の英語漬けの毎日により国語力が劣後、理社はインター帰国生にありがちな一般常識が皆無なレベル(例:大阪が地図上でどこにあるか分からない)。但し、算数だけは昔から好きだったこともあり、当初から平均以上の出来。

5年の秋からは授業の復習、宿題をきちんとこなしたことから合格力育成テストが取れだし、夏期講習では最下位クラスであったのがクラス替えの度に昇格し、6年4月にはM2に。しかし、日能研全国公開模試となると、国語は読解が問題により振れると共に漢字が取れず、また、社会は地理の知識不足で厳しい状況。一方、算数が順調に伸びたのと、理科が暗記分野から思考分野に移行する中で点数が取れ出した。

そのような状況下、海城が受験科目を2教科に変更することを発表。2教科に特化した帰国受験を考えたものの、4教科であれば一般受験にも対応可能であること、理社の知識が総合力として入学後に生きること、そして何より本人が「麻布中学校って自由で素晴らしい学校らしい」と言い出したことで、麻布を第一志望として4教科での受験を決意。

6年9月からの日能研全国公開模試は得意科目(算、理)の偏差値が伸びる一方、国語は漢字が取れ出したものの引き続き読解の浮き沈みが激しく、社会も大きく伸びることなく終了。海城(帰国)の過去問では算数は合格者平均並みだが、国語は受験者平均が常態化。麻布の過去問は算数の問題が楽しく、国語は物語一本なのが長いけど読みやすいとのこと。社会は細かい知識を求められないことが追い風となり、理科は実験系の問題が多く点が取りにくいと感じる。

帰国面接対策も含めた練習2校を経て1/7海城(帰国)。昨年まで聖光学院中学校(帰国)が同日であったものの、今年は両校出願が可能となり倍率が上昇。加えて4教科が2教科となることで問題傾向が変わるのではないかとの恐れも。受験後の息子のコメントは、「面接はばっちりだったが、算数がいつもより難しく、国語はボリュームが多過ぎて最後の大問は熟読できなかった」。やはり傾向が変わったのか。

翌朝のインターネット合格発表は、パスワードの入力間違えなどもたつきながらも閲覧。すると「合格おめでとうございます」の文字が。家族全員で大声を出し抱き合って喜びました。今考えると、国語がかなり難しかったことで差がつかなかったことが勝因だと思う。

一般受験は麻布に専念することに。しかし、帰国受験と一般受験の間の3週間は間延びすると感じる。それでもインフル対策として学校を休んだ最後の一週間は過去問を追加で解くなど徐々に臨戦態勢に。

2/1麻布。中学受験の集大成。2時半までの長丁場だったが、長い中学入試が終わり息子の表情は晴れやか。開口一番「90%勝った」という息子に、親としては半信半疑の中「頑張ったね」と労いの言葉を掛けた。

2/3の合格発表は、3時発表に対し1時45分に到着。例年早めに出ると聞いていており、今年は2時15分に掲示開始。ほぼ先頭で見たところ、息子の番号がすぐ目に飛び込んできた。日能研全国公開模試の合格判定では一度もR4に肉薄することはなかったものの、思考力主体の過去問の相性は良く、見事合格を勝ち取る。親の期待した以上の結果を出した息子。本当によくやりました。

帰国受験の最大のメリットは、行っても良いと思う学校の合格を1月前半におさえられること。合格を取れれば一般受験は余裕をもってチャレンジできる。同じ境遇のお子さん、親御さんへのアドバイスとして、日本人学校出身でなくても4教科受験をすべきだとお伝えしたい。2教科ないし英語受験では学校の選択肢が限定され、入試を突破することも大事ではあるが、入った後を考えて4教科をやることが知識・思考の幅に繋がるはず。何より、万が一帰国で不合格でも一般入試での挽回チャンスあり。帰国はチャンスが増えると位置付け、帰国に囚われず望むことで可能性が広がると強く思う。
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