息子がお世話になったのは、5年生になる春期講習からでした。
「おもしろかったよ!」と初日に楽しそうに帰って来たのを覚えています。
算数は学校では得意でできるつもりでいましたが、いちばん足を引っ張ることが分かりました。計算はできても、文章題や図形が苦手のようでした。
スタートは当然一番下のクラスからでしたが、段々わかっていき、順位が上がっていくのが嬉しいようでした。ゲームが大好きで実況などを見てよく分析していたので、それと同じようにテスト毎に分析してあれこれ自分で攻略を練っていました。
日能研はテストが多いですが、学力の向上だけでなく、トライ&エラーを繰り返すことでやり方を工夫することも学べたと思います。
息子は自分から机に向かうことはできるのですが、やるべきことの優先順位や割り振りなどを考えるのはまだ未熟で、宿題をうまくこなせないこともありました。そこで「今週のやること」をホワイトボードに書き出して曜日毎に割振り、予定がずれた場合には都度修正をするなど、家庭で目に見える工夫をしていました。
順調にクラスも成績も上がっていき、なにも問題はないかと思っておりましたが、ときどき塾に行かれないということがありました。なんとなく頭が痛かったり、気持ちが悪かったりと、体調不良を訴えるのです。
塾でも何度か体調が悪くなり、諸先生方にお世話になり、その都度優しい言葉をかけていただいたり、課題を調整していただいたり・・・と。
遅刻やお休みをしてしまう日もあり、親子でずいぶんと悩みましたが、先生方が決して急かさず長い目で見守ってくださったおかげで、いつの間にか元気に通えるようになりました。
息子は全部で4つのクラスを経験し、クラスが変わるたびに波がありましたが、今では「こんなにたくさんの先生方に習って、4つのクラスに友達がいるなんて、僕ってお得だったね。」と言っています。
さまざまな不安を乗り越えることができたという体験も、得難い経験のひとつだったなぁと思います。
勉強について言えば、日能研の先生方と教材を信じて、家では宿題をしっかりすることを心がけていました。
それでも模試の結果にアップダウンがあり、焦ることもありましたが、間違えた箇所は丁寧に復習するように努めました。トイレに大きな紙を貼って、間違えた漢字や用語を付箋に書いて貼るなど、何度も見直せる工夫もしていました。
志望校は文化祭を見て、明るく楽しそうな海城中を気に入っていましたが、成績的にどうなのか、はじめは自信を持て無いようでした。
しかしながら先生方のおかげもあり、海城日特にどうにかギリギリ入れたあたりから、少しずつですが自信を持てるようになって行ったようです。モチベーションが上がらないときは、自分から学校のHPやパンフレットを見るなどして、気持ちを上げていました。
入試直前の1か月間は、最後の模試が思わしくなく、また1月中に不合格を経験するなど、先の見えない長いトンネルの中にいるように感じたこともありました。
親の方が弱気になり、成績が伸び悩んでいるように思うこともありましたが、息子を信じて、そして「2月1日は海城でいきましょう」と先生が背中を押してくれたことも嬉しく、大変心強く感じることが出来ました。
また不合格時には、電話の向こうで、先生に温かい言葉をかけていただいたことも励みになりました。
ラスト1週間はなにか吹っ切れたのか、息子の顔つきが変わりました。自分でやるべきことが分かっているようで、こちらがなにも言わなくても過去問を解いたり、不安なところは銀本やテキストを解き直すなど積極的に取り組んでいました。特に最後の3日間の集中力は我が子ながら凄まじかったです。
本番と同じ時間で同じように過去問をやりたいと言うので、3日間だけ学校をお休みしましたが、朝からお昼まですべての教科が終わるまで部屋から出てきませんでした。
過去問の採点をしましたが、書いているところはほとんど間違いがなくなり、短期間の劇的な成長に驚きました。本気になると、前日であっても子どもは伸びるものなのですね。
テスト当日は、緊張と不安で固くなっているようでした。終了後はいくつか間違いがあったとしょげていましたが、結果は合格。
本人の自己採点では、算数がかなりとれていたとのことでした。「算数が助けてくれたんだ。」と聞いたときは涙が出ました。いちばん足を引っ張っていた算数が助けてくれたなんて・・・。
コツコツと続けたことが形になりました。導いてくださったすべての先生方に感謝いたします。
この先、街なかで青いNバッグを見るたびに、息子は背筋が伸びると思います。
なにか困難にぶつかったときに、この2年間のことがきっと勇気をくれると思います。
親子ともども良い体験をありがとうございました。
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