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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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初志貫徹の中学受験

  • 年度:2020
  • 性別:女子
  • 執筆者:
我が家の中学受験は、娘の「制服の可愛い女子校に行きたい」という一言から始まりました。
両親とも中学受験をしたことがなかったものの、地元の公立中学校が娘に合わないのではと漠然と考えていたので、娘もやる気ならばと小3から日能研に入塾しました。
そして、地元の学校を中心に学校見学も始めたところ、娘が「この制服が着たい」という学校も早々と決まり、偏差値的にはいわゆる中堅校でしたが、自宅から非常に通いやすい学校で、かつ偏差値よりも娘の希望が一番だろうということで、その学校を第一志望校として目指すことにしました。

最終的には、初志貫徹をし、2月1日に第一志望校を合格することができ、この上ない結果で中学受験を終えることができたのは、日能研の先生方のおかげだと思っております。
傍目からは順調だったと思われる中学受験ですが、そんなことは全く無く、中学受験は辞めた方が良いのではと途中で思ったことも親としては少なくありません。
しかし、初志貫徹して成功体験を積ませることができ、また勉強が嫌いになることなく、かつ親子関係が崩壊することなく中学受験を終えられたのは、親としても貴重な体験だったと思っております。

私も娘の受験生活中、「親と子の栄冠ドラマ」は非常に参考かつ勇気づけられました。
したがって、これから中学受験を目指すご家庭(特に上位校に拘らない家庭・共働きの家庭向け)の参考になればと思い、我が家の経験したポイントを以下にまとめましたので、ご参考になれば幸いです。

1.両親の主な役割分担
父(私):家庭学習のスケジュール管理・やるべき家庭学習の取捨選択・娘のテストの解き直し付き合い・宿題チェック・出願書類準備・塾の保護者会及び面談対応・出願・試験当日の付添い
母:塾弁当作り・娘の体調管理・受験校の資料及び情報集め(娘に合いそうな併願校チェック)・出願・試験当日の付添い
※父と母でどちらが何をやった方が良いというのは無いと思いますが、ざっと大枠をあげただけでも上記のようなタスクがあります。
どちらが何をやるというのを予め明確に分けておいた方が、子供も混乱しないのではと思います。
両親が共働きの場合、どちらか一方が上記のタスクを全てこなす(特に小6年時)のは物理的に不可能に近いと感じました。私も仕事の都合上、娘の勉強等につきあえたのは、平日の夜週1日+土日のみでしたが、朝の出勤前の時間を活用して宿題や家庭学習の進捗を確認する等をすることで、父側でもある程度勉強の管理・チェックは可能と思います。テストの解き直しの付き合いは平日が時間的に難しかったので、テスト実施翌週の土日にやることを基本サイクルとしていました。

2.いつから両親が関与するか
我が家は、小3から日能研に行っていましたが、小3・小4の間は、完全放置でした。
学習カリキュラムすら親は把握していませんでした。この点は、多少後悔しています。
小5の夏前の段階で、Aクラスの育成テストでも平均点を下回ることが出てくるようになり(特に算数)、テストの解き直しを娘に促したところ、そもそもテストの解き直しをどうやってやればいいかも自分ではわからないという状態だったため、我が家はそこから親が勉強に関与するようになりました。
主にテストの解き直しの付き合い・カリキュラム進度の把握・家庭学習スケジュールの管理・宿題の細かい部分のチェック(雑に解いていないか、解説を見て丸写ししてないか等)をするようにしました。
今から考えると、なるべく早い段階(入塾当初)から、テストの解き直し付き合い・宿題の細部チェック・カリキュラム進度の把握だけでも親が関与していた方が良かったと思っています。
ちなみに、なるべく自分で家庭学習スケジュールを立てるよう、勉強に関与した当初は娘に促していましたが、その点は親の関与が遅すぎたせいか、娘の成長度合いがそこまで達しなかったのかは判断が難しいところであるものの、小6の最後まで、娘が自分で学習スケジュールを立てることはしなかったです。
したがって、我が家の場合は、直前期でも1週間サイクル・1ヶ月サイクルでやるべき勉強内容を、日能研の先生方と相談しながら私が考え、なぜそれをやるのかの理由を含めて娘に提案し、娘の進捗状況(その日に何をどの順番でいつやるかは、娘に任せていました)に合わせて微調整を繰りかえすという感じでした。

3.志望校の選択
第一志望校は、娘の希望であっさりと決まりましたが、併願校は6年の秋くらいまで悩みました。
最終的には前受け校2校・2月の東京都内3校で出願(複数回出願が可能なところは可能な限り複数回出願しました)をしました。
いずれも自宅から通いやすいところを重視して親がいくつかピックアップし、その中で娘が実際に行き、通っても良いと思えたところを選びました。
偏差値帯は第一志望校の偏差値をベースに、少し上のところ、大分下のところまで幅広く出願しました。
前受け校は1勝1敗、2月1日午前に第一志望校・午後に第二志望校を受験し、いずれも合格となったので、2月2日以降は出願していたものの、受験せず終了となりました。
1月の後半の前受け校の不合格(第一志望校よりも少し上の偏差値の学校)は、過去問を解いている段階で得意の国語の相性が良くないと感じていたので、親としては想定の範囲内でしたが、初の不合格という現実に娘がどう感じるか不安でした。
しかし、当の娘本人は志望順位が低い学校だったからか、思ったよりも落ち込む様子が無かったです。
1月の前半に一つ合格(第一志望校よりも偏差値が下の学校)を得ていたので、娘としては多少気持ちが楽だったのかもしれません。
1月の前半で一つ合格した際、合格発表を見た娘の最初の発言が、「嬉しい」よりも「ホッとした」というのがとても印象的でした。試験当日も含め、あまり緊張が表に出ない娘ですが、この最初の受験校の受験当日の朝も分かりやすく緊張していました(2月1日の朝は受験慣れしたのか、あまり緊張していない様子でした)。
中学受験を考えた当初は、行く可能性がかぎりなく低い地方の前受け校を2月1日より前に受験する意味はあるのか?塾の模試で充分では?と思っていましたが、結果として前受け校を予め受け、1つでも合格を得ていたことで、2月1日に普段どおりの状態で受験が出来たのではと思っています。
前受け校を受けておいて、今思うととてもよかったと感じております。

4.過去問と直前期の勉強、そして本番へ
過去問は小6の9月後半から、最低週1回、どこかの学校を1年度分4科目はやるようにしました。
自宅に娘一人でいるときに過去問を当初何度かやらせてみたものの、同じようなレベル感の問題にも関わらず、親が同じ場所にいる状態で解いたときに比べ、一科目20点~30点位点数が下がることが多々あったので、集中力の問題だと判断し、あえて自宅に一人でいるときには過去問をやらないようにしました(週末だけでは時間が足りず、平日にやらせたときも、難度の低い学校の過去問のみをやらせました)。
貴重な初見の過去問を無駄にしないために、過去問をやるときの環境つくり(我が家はカフェでやることが多かったです)は大事だと思います。
他方で、過去問以外の家庭学習においては、中堅校が第一志望ということもあり、直前期でも難問学習には手を出さず、基礎(Aクラスの授業において、宿題で出る範囲やおさえるべきと言われる内容)の積み重ねを繰り返しました。中堅校であっても基礎がおろそかになっていると過去問で点数は取れないでしょうし、合格も難しいと思います。
しかし、娘のように算数が一番不得意(日能研の公開模試において、算数の点数が一番取れない。娘は最後までそうでした。)でも、基礎がしっかりしていれば、計算と小問集合、大問の前半部分をいくつか正解が狙えるので、中堅校で算数が難しめの学校でも5割~6割、算数が易しめの学校であれば8割~9割、過去問で安定的に取れるようになりました。
日能研全国公開模試でも小6の秋以降は、算数の偏差値が40後半~50前半くらいは安定して取れるようになっていました(小6前半までは、算数の偏差値は40前半、悪いときは30台もありました)。
そのくらい算数でとれると、本番で多少算数につまづいても大崩れはせず、国語・社会・理科で充分にカバーができますので、中堅校レベルであれば、どの学校も合格が狙えるのではと思います。
特に社会・理科は、メモリーチェックの知識で、中堅校は過去問が安定的に7割~8割くらいとれることが多いので、メモリーチェックを繰り返し(娘は6年の夏季講習~1月中旬までの間に、メモリーチェック3回・弱点診断テスト1回を社会・理科双方やりました)やることをお勧めします。
国語は、日能研の定期テストが無くなると読解問題を解く量が減るのですが、中堅校は、説明文・物語文を大問1題ずつで出ることが多いので、勘が鈍らないよう、日能研のテキストにある読解問題のうち、授業で解いたことの無い問題を直前期は毎週やるようにしていました。
漢字・語句は日能研のテキストに出てくる漢字・語句のみを繰り返しやりました。
算数は、日能研からもらえる計算問題を毎日、基礎の確認対策として「ベストチェック」、小問集合対策として「まいにち算数」のホップ・ステップ(ジャンプは娘には難しいレベルの学校の問題なのでやらなかったです。)の問題をやってみたり、日能研の先生から指示していただいた銀本の問題の中から、娘が受験する学校に近い偏差値帯の学校のものをやったりすることで、過去問でも徐々に点数が取れるようになっていった印象です。
直前最後の1週間は、ファイナル256テストで苦手単元と示された分野を優先的に、4科目ともファイナルシートを娘に自分でやる量を決めさせ、ひたすら解き続けました。
1月30日、娘に「これだけやったのだから2月1日は自信もって本番の問題を解けるかい?」と聞いたところ、「自信持って解ける」と言う発言が娘から出たので、これで中学受験の勉強は終了と思い、前日31日は計算と漢字のみ家庭学習でやり(担当の先生に応援してもらうために、ユリウスの授業を一コマだけ入れていました)、早めの就寝をさせ本番に臨みました。

2月1日の本番当日は、日能研で最も娘と親が信頼している先生が応援に駆け付けてくださり、娘も平常どおりの気持ちで受験本番に臨めたようです。
午前の第一志望校の試験が終わった直後は、算数に手ごたえがなかったようで(例年と少し趣向の違う問題がいくつか出ていました)、若干気落ちした状態で、午後の第二志望校の受験に臨むことになりましたが、第二志望校の控室で昼食を食べている間に気持ちの切り替えができたようです。
第二志望校は、過去問では一度も合格点を下回ることがなかったので、親としてはおそらく大丈夫だと思っていましたが、本人も過去問で自信をつけていただけあり、今までで一番楽しんで解けたと言っていました。
この段階で、親としては、第一志望校が仮に残念な結果になっても第二志望校で合格をもらえれば、前向きに中学校生活が楽しめるだろうと思い、大分ホッとしました。
結果として、その日の夜の学校ホームページ上での合格発表(速報)で、第一志望校・第二志望校の双方とも合格していたので、娘の中学受験は2月1日に早々に終了となり、次の日には約束していたゲームを買いに行き、2日以降、色々シミュレーションしていた受験スケジュールは、有難く全て無用になりました。
 
中学受験の合格は、娘のこれからの長い人生にとって一つの通過点に過ぎないと思いますが、貴重な経験になったのではと感じています。
親としては、憧れの制服に袖を通せるので、中高6年間を目一杯楽しんでもらえれば嬉しいです。
そして、何か今後行き詰ったときは、この時の経験を思い出し、自分は努力すれば成果が出せるんだという気持ちで、今後ぶつかるであろう様々な壁を乗り越えて行ってもらいたいと思います。
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