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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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悔いのない中学受験

  • 年度:2020
  • 性別:男子
  • 執筆者:
中学受験を決めたきっかけは、小3クラスの学級崩壊でした。

授業中のおしゃべり、うろつきが常態化しており、息子は周囲に影響されやすいタイプであったため、とても落ち着いて勉強ができる環境ではありませんでした。小3の秋、お試しで日能研全国公開模試を受験させてみたところ、結果は散々でしたが、本人が試験問題の内容に興味を持ち、日能研への入室を自ら希望しました。私自身は中学受験には否定的でしたが、小学校の現状と本人の希望を考慮し、妻とも相談の上、通常より少し早く11月からの入室を許可しました。中学受験をさせるからには難関校を目指すべきで、偏差値60未満の学校へ進学させる必要はないと本気で考えていた毒親であったため、一時期は勉強にも過度に干渉し、テストの結果にも一喜一憂、子供へのNGワードとされる暴言も一通り吐いたと思います。

成績は小5の後半から新小6の初期まで、得意の理社が牽引する形ではありましたが徐々に上昇し、いわゆる難関校の第一志望A校のR4までもう一息というところまできました。しかし、小6の4月になり女子のスイッチが入り始めると、途端に理社のアドバンテージがなくなり、相対的に成績が下がってきました。夏休みになり、国算の強化がやはり必要と考え、算数は6年前期テキストの基本問題を徹底的にやりこみ、最も苦手な国語の記述問題対策として、ユリウスの個別で週1コマ指導を仰ぐことにしました。秋になり、成績の下降は止まりましたが、再上昇には至らず、A校との溝が埋まらず焦りが募りました。

秋の文化祭シーズンに、自宅から近く実力相応ではあったが、あまり併願候補として考えてなかったB校の文化祭に家族で参加し、生徒さんの礼儀正しさ、温厚さに感銘を受け、その後の説明会でも共感できる内容であったため、息子とも相談しB校を第二志望(実質は第一志望)と決め、過去問演習はA、B2校を中心に行いました。しかしその後も成績は横ばいで、過去問演習をB校のみに絞ろうとも考えましたが、塾の先生からは第一志望は最後まで変えてはいけない、とくに算数はA校の分も十分にやらせるべき、とご指導いただき、解き直しを含めて各10年分行いました。確かに後から振り返ると、目標としていたA校の過去問を解いているときが最も集中しており、決して無駄ではなかったと思います。

1月からの1か月は、我が家にとっては激動の1か月でした。
初陣は埼玉のC校で、実力よりやや難易度が高めではありましたが、年明けから十分に対策をしたにも関わらず不合格。得点開示でも合格最低点からはかなり開きがあり、初陣の緊張を差し引いても、今後の苦戦を予感させる結果でした。その2日後に滑り止めと考えていた同じ埼玉のD校もまさかの不合格。親子ともどもかなり動揺しました。D校は昨年より志願者が倍増し、対策も十分していなかったことが敗因と考えております。急遽塾に相談し、確実に1月に合格を取るべく、まったく受験予定のなかった埼玉のE校を受験し何とか合格しました。まさか1月に三度「大宮越え」をするとは思いませんでしたが、これで悪い流れを断ち切ったかにみえました。1月最後の1週間は比較的落ちついた気持ちで本命への準備ができたと思います。ところが万全の態勢で臨んだ2月1日午前の第二志望のB校、午後の滑り止めと考えていたF校はいずれも不合格。F校の発表は深夜で、妻とともに途方に暮れました。あわてて塾へ電話したところ、クラス担当の先生が、F校の結果は本人には知らせず、翌日の試験に集中させるようにと深夜にも関わらず冷静に指示してくださいました。B校は2日にも二回目の試験があり、2日連続の受験者、いわゆる「熱望組」の優遇措置があるため、あきらめずに最後まで全力を尽くすように息子を激励しました。2日、B校の校門に息子が最も信頼を寄せる室長が激励に来てくださり、がっちりと握手をした瞬間、息子の表情が引き締まったように見えました。手ごたえも十分あったようで、見事合格しました。翌3日、第一志望であるA校は残念ながら不合格でしたが、A校の試験が終わった後、息子から「やり切った、悔いはない」という言葉を聞いたとき、息子の中学受験は成功だったと確信しました。

私自身も中学受験の経験はなく、息子の今回の受験で中学受験の難しさをあらためて痛感しました。息子は小6の中でも精神的には未熟で、周囲に流されやすく、スイッチが入って自発的に勉強することは最後までありませんでした。そんな息子に対してどのようにモチュベーションを維持させ、納得のいく結果へ導くことができるか、毒親なりに3年間日々自問自答してきました。私の息子への関わり方はベストであったとは決して思いませんが、第二志望ではあったものの、親子とも納得できる進学先に合格できたこと、そしてなにより悔いなく受験を終えることができたことが最大の収穫であったと思います。

最後に今回の経験から、僭越ながら今後受験を控えた皆様へのアドバイスを列記して稿を終えたいと思います。

(1)男子校はとにかく算数が重要で、小5の1年間と小6の夏休みに算数全範囲の基礎を徹底させる。
(2)「スイッチが入る=自分の意志でテレビを消し、机に向かう」これが小6の秋までにできなければ難関校を目指すのは厳しい。
(3)高い目標となる第一志望校はできるだけ早く決め、その目標は最後まで絶対に変えない。
(4)進学したいと思える実力相応の第二志望校を秋までに決めたほうがいい。そのために学校説明会や、文化祭にはできるだけ多く参加する。
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