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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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家族3人で挑んだ慶應3連戦受験体験記

  • 年度:2018
  • 性別:男子
  • 執筆者:
■2月1日(木)
2月1日はダブルヘッダー。慶應普通部と抑え校。慶應普通部は面接まであるので、安全校の試験開始時刻の16時10分はギリギリだ。そのため、願書も受付初日に到着するよう日付指定で郵送した。

当日、慶應普通部に到着すると、終了時刻のグループが掲示されている。よりによって一番最後の第3グループで15:20~15:50終了予定。あと、受験番号が4番早ければ第2グループだったのに。ついていない・・・。
この時間で安全校に到着するには車で移動しかない。午後は車で移動することにし、僕は会社に出勤した。

会社を午後休し、車を近隣パーキングに停め、慶應普通部に迎えに行く。しかし、15:00になっても、まだ第1グループが終了していない。これは間に合わないかも・・・。
2日の午後に別の安全校に出願することも想定し始める。15:30なんとか、終了。そこから、安全校へは車で30分。なんとか間に合う。カーナビも16:05到着予定だ。ほっとする。
しかし、この日はあいにくの雨。しかも夜から雪予報。いつもより早く帰宅ラッシュがはじまっているのか、所々で渋滞が発生。カーナビの到着時刻かどんどん遅れていき、とうとう16:30に。
試験開始から15分まで、すなわち16:25までの遅刻は認められるが、その時間もいよいよ怪しくなってきた。そのとき、助手席の息子がスマホでGoogle検索。Google先生はなんと、カーナビとは違う道で15分も早く着けるという。一か八か、Googleにかけてみる。すると、渋滞を回避し16:15に安全校に到着!ありがとう、Google先生。
息子は、「Google、神!」との言葉を残し受験会場へ。受験会場へは生徒さんがカバンを持ってくれて一緒に走ってくれたらしい。ありがとう、生徒さん。
そして、生徒をちゃんと教育しているこの学校なら、子どもを預けても大丈夫との確信を持つ。
しかし、この間に合うか間に合わないかの緊張は本当に疲れた。初日からこんな想定外のことが起こるとは。あと、5日間。大丈夫か、父。

初日の試験の手応えは、慶應普通部は手応えわからず。緊張していたようで国語で気づいたら残り10分だったようだ。
また、面接では、3人目の先生が厳しい先生でかなり詰められたとのこと。安全校は、10分遅刻したので国語の大問3の詩は時間が足りず残り5分で埋めたとか。

23時、安全校の合格発表。2類の合格を目指していたが1類のみ合格。受験できない可能性もあったなか、1類でも合格とれたのはよかった。

■2月2日(金)
2月2日、天気は雪。息子は昨日の安全校の結果を見ずに寝ていたので、朝イチで結果を伝える。本人は2類の合格を確信していたようで、ちょっとショックを受けた模様。出発までの間、安全校の模範解答がホームページにアップされていたので、丸つけをし解き直しをする。算数は一問ケアレスミスがあり、国語は時間がなくて適当に埋めた詩がボロボロ。まあ、仕方ない。試験時間が10分も短かったわけだし。

今日は慶應湘南藤沢中等部。午後受験は、1日の安全校で合格をいただけたので受験なしに。

試験の手応えはまあまあ。しかし、夜テストの解き直しをした際に事件が・・・。本人は国語の最後の記述問題を書けたつもりだったのが、問いに正しく答えていないことが判明。
「小学校の教室を設計するとしたらどうするか?」という問いに対し、小学校を設計したらどうするかを書いたらしい。配点15点。「問題文を読んで問いにちゃんと答えること」これはずっと口酸っぱく言ってきたのに、最後まで直らなかった。僅差の受験で15点も失ってたらそりゃ落ちるわな。湘南藤沢中等部はダメだと、子どもは風呂で泣き、最悪の精神状態で就寝。
夜もずっとうなされていた。落ちた夢を見たらしい。僕も安全校への進学を覚悟する。

■2月3日(土)
2月3日は慶應中等部。そして2日に受験した慶應湘南藤沢中等部の1次合格発表と1日に受験した慶應普通部の合格発表がある運命の1日。合格発表時間か被るので、慶應湘南藤沢中等部には妻が見に行き、慶應普通部は試験終了後、息子と見に行くことに。

朝起きてきたときの息子のテンションは最悪。
朝食の間しっかり話をし、今日の慶應中等部が出題傾向が息子に一番合っていること、大きなミスをした慶應湘南藤沢中等部だって他でカバーできているかもしれないし、終わったことは気にしないで今日の試験で同じミスをしないようにと、奮い立たせる。

試験会場へ向かう電車の中、ふと見た息子の表情が気合いの入ったいい表情をしている。今日のテストは大丈夫そうだ。12:50、試験会場から出てくる。手応えは上々のようだ。

13:00、慶應普通部の合格発表へ向かう電車で、慶應湘南藤沢中等部の合格発表に行っていた妻からLINEがある。「あったよ!受かってた!」。
僕と息子は電車内で静かに歓喜。奇跡!国語で15点を失っても受かるなんて!これは、普通部も行けるかもしれない。

13:45、慶應普通部到着。息子が自分で先に見ると、先に掲示板へ。「よっしゃー!あった!」息子の喜ぶ声が聞こえる。念願の慶應普通部合格だ。おめでとう!

昨日の夜は絶望的な気持ちで両校不合格も覚悟していたのに。まさか両校合格なんて。

入学手続きの書類をもらい、日能研に合格報告。その後、慶應湘南藤沢中等部の合格発表から戻った妻とともに、再度慶應普通部の合格発表へ。喜びに浸る。本当によかった。

■2月4日(日)
2月4日は慶應湘南藤沢中等部の体育実技と保護者同伴面接の2次試験、慶應中等部の1次合格発表。
慶應普通部の合格はもらったが、最後までやりきりたいのだそうだ。
この日も2次試験と合格発表時間か被るので、慶應湘南藤沢中等部の2次試験には僕が、慶應中等部の合格発表には妻が行く。

慶應湘南藤沢中等部の体育実技と保護者同伴面接の2次試験は14:00集合。まず体育実技があり、その間保護者は面接控室に。控室はスマホが制限されることもなく、緊張感でピリピリと張りつめた雰囲気ではなく話声も聞こえ、どちらかと言うと和やかな雰囲気。
面接控室で息子と合流し、その後まず8分間の息子だけの面接。面接室に入る前の「よろしくお願いします!」と言う息子の大きな声が控室まで聞こえる。頼もしくなったなぁ。この4日間での子供の成長を感じる。

続いて、4分間の息子だけの面接と4分間の親だけの面接。親面接の質問は、「息子さんをご紹介ください」「数ある私立中学の中でなぜ当校を志望したのか」「版画で表彰されていますが、美術は得意なのですか」「家でどのような手伝いをしているか」。親の面接はつつがなく終了。息子の面接も伝えたいことは伝えられたようだ。

慶應湘南藤沢中等部の2次試験が終わると、慶應中等部の合格発表に行っていた妻からLINEがきている。「あったよ!」これで、筆記試験は1月受験の2校を含め6連勝!日能研の先生からも「絶好調ですね!」と言われるほど、いい波に乗れている。

■2月5日(月)
2月5日は慶応普通部の入学手続きと、慶應湘南藤沢中等部の2次合格発表、慶應中等部の体育実技と両親同伴面接の2次試験と、3つが重なる多忙な一日。
慶應中等部の2次試験の集合時間は15:10と遅めの時間。これは5日の午前中に他校を受験できるかもしれない、と願書を遅めに出したのが功を奏した結果だ。
慶応普通部に朝イチで入学手続きに行けば、慶應湘南藤沢中等部の合格発表と慶應中等部の2次試験と、三校全部に行くことができそうだ。
僕だけ、慶應普通部の入学手続きと慶應湘南藤沢中等部の合格発表に行き、息子と妻は直接慶應中等部の2次試験へ。

13:00、慶應湘南藤沢中等部の2次合格発表。そこに息子の受験番号は・・・「ない」。やっぱり1次試験の国語で15点失ったのは大きかったなぁ。仕方ない。
慶應中等部の2次試験の集合時間はぎりぎりの時間なので、急いで三田に向かう。

田町駅で、息子と妻と合流して、慶應中等部へ。15:10集合。受付をし、息子は体育実技をしに体育館へ。僕と妻は、説明会場の教室へ。説明会場では、今後のスケジュールと禁止事項が伝えられる。携帯電話は構内使用禁止。同じ慶應で、湘南藤沢中等部と中等部では禁止事項も違う。
説明会終了後は、面接控室へ移動。面接控室は、重苦しい雰囲気。誰一人話している人はいない。これも湘南藤沢中等部とは対照的だ。

面接控室で息子と合流し、面接に呼ばれるまでじっと待つ。面接は、息子と僕と妻の三者面接。父親、受験生、母親と座る場所まで指定されている。質問は、4人の先生が端から一人ずつ質問する形式。最初の先生が父親への質問、二人目の先生が母親への質問、三人目の先生が息子への質問。そして最後の先生は息子に「お父さんとお母さんに点数をつけるとしたら何点ですか?」。この非常に答えづらい質問を息子は機転聞かせて答えていて、先生からも笑いをとっている。素晴らしい。この5日間で、彼は本当に成長したなぁ。

これで我が家の中学受験は終了だ。最後が親子三人の面接で終わったのは、みんなでやりきった感があって非常によかった。みんなよく頑張った。

息子の受験は、結果的に良い結果に終わった。
勝因は、1日の午後に行ってもいいと思える安全校を見つけられたこと。それにより、慶應三連戦が可能になり、慶應に行きたいというコンセプトが明確な併願ができたこと。
ただ慶應三連戦は2次試験まで含めると1日から5日すべて使うためかなりリスクがある。そして2次でも半分近くが落ちる。

息子は結果的に3回の面接を受けた。男子が受験する学校で面接を実施する学校は少ないので、中学受験で3回の面接を経験できたのは非常にいい経験になったのではないか。
現に、息子は3回の面接通して大きく成長したように思う。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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