最初は受験をさせる気は全くありませんでした。
それが娘が5年生になる直前に、突然「受験したいから塾に入る」と言い出した時には本当に驚きました。
周りのお友達よりも1年遅れてのスタート。入塾テストもギリギリ合格でクラスも一番下。この一年の遅れがとても大きいように感じました。
さらに、もともと競争意識もなくマイペースで負けず嫌いでもない娘に、受験は不向きなのではとも思っていました。ですが、成績によりクラスが上がる制度や、成績順に前から座ることが、予想外にモチベーションに直結したのか、クラスもどんどんアップ!それまで知らなかった娘の一面が見られて、とても嬉しく感じました。
とはいっても、2年間という勉強期間の中ではなかなか結果が出なかった時期もあり、その際には何度も娘の口から「受験やめる」という言葉が飛び出していました。
なんのために受験するのか、自分自身でわからなくなっている娘に、私たちも何度も悩みましたが、どうしても「成績が伸びないから」という後ろ向きな理由で辞めさせる選択が出来ず、娘にとってはイヤイヤ塾に通う辛い時期もありました。
それでも最後まで続けることが出来たのは、「受験する」と決めたのも「日能研に通う」と決めたのも、娘自身だったからだと思います。
私たちの私立中学へのこだわりは全くありませんでしたが、受験を通じて、「自分で決めたことを最後までやり通す」という大きな経験を得られたことに、一番大きな意味があったと感じています。
娘は6年生になると淡々と勉強をしていましたが、決して前向きといえる状態ではなく、第一志望も秋まで決まりませんでした。
なかなか本気にはならないけれど、やることはやっている。ただ言われたことを淡々とこなす完全に受け身の姿勢に不安を感じ、何度も先生に相談し、先生からも娘に声をかけてもらいました。
結局最後までその姿勢は変わらず、と私は思っていました。
ですがなんと、受験結果は無理だと思っていた第一志望に合格!
後になってふり返ってみれば、私の中にある「あるべき受験生像」を娘に押し付けていたのかもしれません。
常に冷静で緊張もしない、偏差値が上がっても下がってもたいして反応しない娘を「やる気がない」と勝手に判断していたように思います。
本当にやる気がなければ、2年もの間、沢山のことを我慢して勉強し続けることなどできるわけがないと、今ならわかります。
受験が終わった今、自分自身への反省と、先生方への感謝でいっぱいです。
そして最後まで、誰よりも冷静に受験に挑み、最高の結果を得た娘を誇りに思います。
- ※
- 今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。