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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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子どもの力を信じることを教えてくれた日能研

  • 年度:2020
  • 性別:男子
  • 執筆者:
「おれ、日能研行く!」お友達に誘われて行った3年生の冬期講習から息子が目を輝かせて帰宅した日。

「I先生とW先生の授業がすっげー面白い!」それが日能研との出会いでした。
中学受験は、息子が嫌がらなければさせたかったので、他塾を検討することもなくそのまま日能研へ。

入塾し4年本科が始まるとクラス分けがあり、大好きな先生方が教えるクラスには入れなかった息子。
クラス替えの度毎に「今度こそ」と頑張るも、なかなか。上のクラス基準に0.4点届かずカーテンにくるまってしくしく泣いたこともありました。
その頃の息子のモチベーションは、「大好きな先生の授業を受けられるクラスに行きたい。」でした。

4年生の春、男子校フェアで訪れた会場校に一目惚れ。
「絶対にこの学校に入りたい!」と言った学校は、神奈川県の最高峰。親としても、こんな環境・理念の基で6年間を過ごして欲しいと願う理想の学校。しかしレベルは段違い。現実は厳しいだろうと思う大人をよそに、息子はこの学校に入ることを目指して頑張り始めました。

どんなに模試で点が振るわなくても、なかなかクラスが上がれなくても、絶対に諦めなかったし入れると信じて頑張った息子。周りの友だちが個別塾や家庭教師を追加する中「自分でやれる」といって塾のない日も1人で自習室に通い奮闘してきた3年間でした。
おかげでゆっくりではあれど、自力でクラスを3つも挙げ最後のクラス替えでは目標としていたクラスに所属していました。

共働きで全く勉強を見てやれていない親としては、ただただ感心するばかり。
しかし、憧れの学校の偏差値は依然遙か高く・・・。
日能研の先生方に「親が見てやってないけどこのままで良いのか、個別指導を付けなくて良いのか」と相談する度に「息子さんは愚直に自分で頑張っています。信じてあげてください。」と言ってくださいました。
そこまで息子を信じてくださることが親としてはありがたかった。

秋以降の模試も、第一志望はいつまでも「再考」判定。偏差値は届きそうにないまま。しかし第一志望校の過去問に取り組み始めると不思議なくらい点が取れる息子。「他の学校の過去問よりも楽しいし考えやすい。」と。

年明けには、過去問3年分連続して4科目合計で合格者最低点を下回ることなく、仕上げの時期に入っていました。気がつけば、憧れ続けた学校が手の届くところまで来ている!と親子で感じていました。

偏差値なんて関係ない?先生方が、息子を信じて応援してくれたことの意味が、ここまで来てやっと親にもわかってきたように思えました。この子は自分で、自分のやるべきことを探して愚直にでも着実に積み重ねてきたんだな、と。

そして迎えた本番。1日の第二志望校からのスタート。夜に出た結果は「合格」。夫と共に安堵と喜びに包まれていると、早く寝かせたはずの息子が「体が痛くて眠れない」と起きてきました。
きっと明日の受験を控えて緊張しているだけ!第二志望は合格したよ!と興奮気味の親をよそになんだか元気のない様子。よほど緊張しているのだろうと思いながら布団に入れました。

翌朝、家族で恒例の円陣組んでから出発。一番乗りで会場につくと研究講座の先生方が激励してくれました。
このときには息子も私も「もうすぐ、ここに通うんだ。」という淡い期待に包まれていたように思います。
緊張しつつも「どんな問題が出るか楽しみだな」といって試験会場へ向かった息子を待つ間も、ここで息子が過ごすであろう6年間を勝手にイメージしていました。

しかし出てきた息子は青い顔。
「どうした?」の問いかけにも答えず、「もうこの坂を上がることはないと思う。」といって坂を下って駅に向かっていきました。「明日の合格発表に来るじゃない!?」といっても無言。

いつも穏やかな息子が、本当にやり場のない怒りと悔しさで人を寄せ付けない雰囲気に。
その後見に行く予定だった第二希望校の合格掲示も、帰宅すると「行きたくない」「具合悪い」と布団かぶってしまいました。そして静かに泣いていました。

しばらくして様子を見に行くと体が熱い。高熱でした。
事情を聞くと、試験中から体が痛く、頭が割れそうで座っているのも辛かったと。熱を測ると39.7℃。翌日病院へ連れて行くとインフルエンザでした。

あぁ、こんなタイミングで訪れるのか。神様!

翌日、高熱で起き上がれない息子を置いて私1人で見に行った掲示板には、息子の番号はありませんでしたが、無念であろう息子への気持ちと共に湧いてくるのは、この学校への感謝の気持ちでした。
思わず校門にいらした先生に「この学校に入ることを憧れ続けたおかげで息子は本当に大きく成長できました。ありがとうございました。」と御礼を言ってしまうほどでした。

こうして息子の中学受験はイメージとは違った形で終わりました。
1日の第二志望校の合格をいただけていたので、親としては大満足の結果。第二志望とはいえ当初の息子の力からみたら大躍進。彼が日能研の先生方に支えられて自分の力で勝ち取った合格です。

ただ1つ悔いが残るのは、息子が全力で憧れの第一志望に立ち向かえなかったこと。彼の中で「あの時体調を崩さなければ、もしかしたら。」という傷が残ってしまうのではないかと。

この経験が彼にとってどんな意味を持つのかと今はまだ思います。しかし時間の経過と共に、そして進学先で出会う人々が息子の傷をきっと癒してくれるでしょう。親にとっては、息子を誇りに思えた受験でした。

信頼した日能研の先生方が、息子を信じましょうといってくださり、見守り続けることができました。
私たち家族のこの3年間は、受験の合否以上に意味のある大切な時間となりました。
日能研の先生方に出会えたことは、息子だけでなく我々家族にとっても本当に幸せなことでした。
 
全ての中学受験に望む子どもたちを心から尊敬します!
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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