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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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緊張からくる腹痛と乗り物酔いとの闘い

  • 年度:2019
  • 性別:男子
  • 執筆者:
うちの子は緊張すると乗り物酔いをします。小さい頃から電車で遠くへお出かけ!楽しみ♪となると、行きの電車で吐いたりする子でした。
成長するにつれてそういうことも少なくなり、普段の通塾でもバスや電車には毎日のように乗っていたのですが、夏以降、月に一度の合格判定模試で都内の会場受験に行くときなどは、また乗り物酔いをするようになりました。車内で吐いてしまい(袋は間に合いました!)途中下車をすることもありました。
精神的なものでしょう。また吐くかもしれないなどと考え、余計に悪くなっているようにも見えました。
なんと線の細いことか・・・と嘆いても仕方ない、受け止めるしかありません。これは絶対本番でも起こると思いました。
そんな息子の体調管理と戦った母の受験体験記です。

まずは1月の試し受験。都内までの移動です。
酔い止めは飲みました。電車に乗る段階になり、
息子「ちょっと、お腹痛いかも・・・」
私「時間はあるよ。駅のトイレに寄っていく?」
息子「大丈夫。電車乗ろう」←子供の大丈夫は全然アテになりません

我が路線はトイレ付車両があるので、その車両に乗車。乗っているうちに息子の具合がみるみる悪くなっていきます。なのでトイレを使おうとすると、なんと車両のトイレがずっと使用中!早朝なのに。
そうこうするうちに息子の様子も極まってきました。
これはいけないと、ちょうど止まった駅で降りてグリーン車に移動。乗務員さんにお願いしてグリーン車のトイレを使わせていただき、事なきを得ました。
息子は10分ほどトイレにこもり、その後はスッキリした様子でシートに座り、これから試験だというのに気持ちよさそうに目的地までうとうとしていました。腹痛から解放されて幸せそう。
でも親としてはもうドキドキハラハラです。
乗り物酔いだけでなく、緊張からくる腹痛という敵も現れました。確かにうちの子は緊張するとお腹が痛くなることもあったのです。
これがもし2月の入試本番で起こったら。
『試験中にお腹が痛くて集中できなかった』という想像が頭をよぎりました。ゾッとします。
うとうとする息子の寝顔を見ながら、本格的な対策の必要性を痛感しました。
これがわかっただけでも1月受験をしたかいがありました。

そこでまずは事前の準備。
●乗り物酔い(アネロン子供用)と下痢止め薬(ストッパ小児用)は必ず用意しておく
●吐いた時のために、スーパーの袋やタオルを多めに持っておく。すぐに出せるように
●可能であれば、乗換えに大きな駅を利用しない。(一度新宿駅での乗換え時に気分が悪くなり、構内が広くてトイレにたどり着くのに大変でした。人混みにも酔います。
●利用する駅や乗換駅のトイレの場所を、できるだけチェックしておく。
●トイレのある路線であればトイレ付の車両に乗る。グリーン車があれば利用するのも手。
●最悪を想定して、着替えのズボンと下着も用意しておく。(息子には黙って用意しておきました)

日能研のスタッフにも相談しました。
腹痛に関しては試験当日は1時間半~2時間前に起きて出すものを出すこと、下痢止め薬を使うこと。
乗り物酔いに関しては、受験校が遠いときは当日移動を避けて前泊する人もいた、という話を聞きました。
うちは2月の受験はそれほど遠くないので、前泊はしない方向で。

迎えました2月1日(金)。
家を出る時刻の1時間半前に起きました。5時起床。
お腹を動かすために軽く水を飲み、ちょっと計算問題などをしてからいつも通りの軽い朝食。
トイレには行きましたが、出なかった、とのこと。もともと便秘がちの息子。仕方がないのでそのまま出発。
この日の受験校は近場のため、電車での移動時間も短くて安心です。それでも集合時間の1時間半前には学校の最寄駅に着くようにしました。
この日は吐き気も腹痛もなく無事に到着。
日能研の先生方と握手をして試験会場に入っていきました。
腹痛の兆候もなかったのでストッパは飲みませんでしたが、試験中でも飲めるように子供に持たせておきました。また朝食が軽く早いためお腹が空くと思い、ラムネ、飲むゼリー、菓子パンなどを持たせていました。
科目の途中でパンを食べたようです。緊張で食べられないかと思っていたけど、食べ始めたら止まらなかったらしいです。
この日は場所を移動して(こちらも近場)、午後入試も受けて無事に帰宅しました。
夕飯は消化の良いものと水分を多めに取るように心がけて就寝。

2月2日(土)。うちはここが第一志望です。
心配なのは昨日一日、出るものが出ていないこと。どんなにストッパを飲んでも、出すものを出さないとアンストッパブルです。
出発の約1時間半前(4時半)に起こし水分を取らせます。朝食後、トイレに入り「出た」というのでひと安心。念のためストッパを飲んでから出発しました。
1時間半前には受験校の最寄駅に到着しましたが、やはり来ました「お腹が痛い」。
さすが第一志望のプレッシャー。
でも時間に余裕をもって出ているので、安心してトイレに長居できます。場所もチェックしてあるので、迷わず個室の多めにある駅構内のトイレへ。
Nバックを背負った日能研生が続々と改札を出ていくのを横目に、息子がトイレより帰還するのをカイロを揉みながら待ちます。寒かった。
待つこと10分。晴れやかな顔で現れた息子と共に受験校に向かいました。
日能研の先生方と固い握手を交わして試験会場に入っていく息子の背中に手を振りながら、私の戦いが無駄ではなかったと大きく安堵の息を吐きました。

2月3日(日)。受験は続きます。
午前4時、私が起床すると、隣で寝ている1年生の次男が苦しそうに唸っています。身体が熱いです。
インフルエンザ!本当に突然です。
入試の10日前には4歳の妹がインフルエンザにかかっていて、受験生の長男を隔離する厳戒態勢でしたが、家族にうつることなく終わったと安心していたのです。
次男はぐったりと苦しそうな様子で心配です。
でもとりあえず長男を起こし、いつものように支度をして受験に向かいます。
私は長男と受験へ、主人は次男と救急病院へ、妹はおばあちゃんに見てもらうという事態です。
ありがたいことにこの日の移動では息子の調子もよく、なにごともなく試験会場に着きました。
息子を送り出したあとは、ホッとしてちょっと抜け殻みたいになりました。電車での記憶が軽く抜けています。

これでまだ3日目か、つらいなと正直思いました。翌日からは主人は仕事、次男はインフルエンザで出席停止、一日受験に付き添って外出していれば家事も溜まる。
しかし幸いなことにうちの受験は3日で終了となり、第一志望にも無事合格を頂きました。本当にホッとしました。
非常に濃く、感情の起伏に富んだ3日間でした。

入試期間中はいろいろなことが起こります。
兄弟の体調不良や突然の学級閉鎖(うちは入試前日まで妹の幼稚園が休園、入試直後から弟が学級閉鎖)、電車の遅延や天候不良。起こることは仕方がないけれど、起こるかもしれないと想定しておけば、多少は慌てなくて済みます。
入試直前になると親が勉強面で出来ることは限られてきますが、体調管理や突発事項への対策は出来ることがあります。
これから受験をされるみなさま、是非できる限りの準備をして、悔いの残ることのないよう入試本番に臨んでください。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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