「なんだか、あっという間だったね」
全ての受験を終えて、こう呟いたのは娘でした。
5年生から日能研生となった娘は、最初はテキストの山に驚き、復習や宿題をこなすことに必死でした。
そのうち慣れるだろうと思っていたのですが、6年生となると、更なるテキストの山を目の前にため息をつくこともありました。
自分で学習計画を立てて進めるタイプではあったものの所詮は12歳。
「計算と一行題はちゃんとやった? 漢字は?」
いったいこのようなセリフを何度口にしたでしょうか。しまいには、「こんなことでは、第一志望校には絶対受からないからね」と、子どもに言ってはいけない禁句の嵐の毎日でした。
けれども、いよいよ受験1か月前、今こそ受験サポーターとしての親の役割を果たそうと心に決め、「〇〇が出来るようになってきたね!」「うん、いい調子だね!」と少しでも良い点があれば誉めるよう心がけました。
この“おまじない”にどれほどの効果があったかは分かりませんが、ついに2月3日、第一志望校の受験日がやってきたのです。
公立中高一貫校と私立校との併願受験は、想像以上に大変な道のりでした。
親子そろって紆余曲折の日々でしたが、出来ることは全てやったという思いで当日に臨みました。
そんな思いから、娘の背中に向かって思わず「受験を楽しんでね!」と声をかけていました。
二人とも緊張はしていたものの、同時に「待ちに待った憧れの第一志望校の受験日だ」という思いでわくわくしていました。
試験終了後に娘の顔を見たときは、どんな結果が出てもここまで良く頑張った!と清々しい気持ちにさえなりました。
合格発表日の朝。
自宅のパソコンから「一人で確認したい」という娘の気持ちに任せて、隣の部屋で結果報告を待つことにしました。
すると・・・
「はい、あったぁ!」
軽やかな声が響きました。
驚きを隠せなかった私は「え、嘘」と親らしからぬ第一声を上げたあと、どれどれと覗き込み、娘の受験番号が確かにそこにあることを確認しました。
「やったね、Mちゃん。おめでとう~!」
こんなに面白い体験をさせてくれた我が娘に「ありがとう」を。
そして、ここまで熱心に導いて下さった日能研の先生方に、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にどうもありがとうございました。
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