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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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春になるのが楽しみ

  • 年度:2019
  • 性別:女子
  • 執筆者:
三人兄妹の末っ子の娘は、算数が不得意で、小1の時は引き算ができませんでした。
小2の2月に、「本人の希望で、日能研に入塾するから」と夫から聞いて驚きました。
兄、姉の受験経験から、算数の苦手な娘には中学受験は正直厳しいと思いましたが、授業は楽しかったようです。
ただ、算数は苦手なままで、小6になっても計算だけで30分位かかりました。夏休みも朝から夜まで頑張りましたが、結局直前まで、どの教科も成績は思うように伸びませんでした。

冬休みは、塾の授業が午後からでしたので、午前は過去問の他、過去問でできなかった算数の問題(食塩水の濃度、速さ、つるかめ算、平面図形など・・・)、テーマ別に5年生の本科教室、栄冠への道をもう一度やり直しました。
2月の受験校は大学付属校を中心に決定し、1月受験を迎えました。
過去問の手応えも良かったのですが、結果は2回とも不合格。
娘は、「自分に子供が生まれたら、(こんな気持ちにさせたくないから)絶対中学受験はさせない。」と言ってしまうくらい、落ち込みました。

1月に合格校がなかったため、2月の受験校(併願校)を再考し、大学付属校にこだわらずに検討しました。夫は毎日必死で探しました。
1日の午前は第一希望の大学付属校のままにしましたが、午後は夫が探した安全校に変更し、2日の午前も再検討しました。
夫も私も何度か勧めていた学校を娘に再度提案したところ、急に受けたいと言いました。
1月中旬過ぎ、過去問も一度も取り組んでおらず、偏差値も10近く上でしたが、まぐれで受かるかもしれないと思い、出願することにしました。
願書提出期限まで10日もありませんでしたが、窓口で願書をいただき、過去問を購入しました。
過去問はどの教科も娘には解きやすかったようで、苦手な算数も60点を超えるくらい点数が取れ、合格点まで手が届きそうだったため、本人もすっかりやる気になり、パンフレットを毎日眺めては、入りたいクラブにマーカーをつけたりととても気に入った様子でした。

1日午後の受験校も安全校とはいえ、1月の失敗もありますので、過去問を購入し、数年分を解かせました。
算数の一行題が多かったので、直前の見直し、チェックにも非常に役立ちました。

娘は学校が大好きで、なるべく休みたくないと言うので、受験の前の週ぎりぎりまで登校させました。
ところが、受験まであと5日というところでインフルエンザになってしまいました。予防には気を遣っていましたし、それまで毎日元気でしたので、愕然としました。
熱は40度を超え、ぐったりしている娘を見て、受験自体も厳しいかもと思い、頑張る娘を思い出しては、本当に悲しく辛い状況でした。
薬が効くことをひたすら祈るだけでしたが、ようやく2日後の夕方に熱が下がりました。
楽しみにしていた壮行会には出席できず、大好きだった先生に挨拶ができませんでしたが、「負けないはちまき」だけは同じ日能研生だった姉に取りにいってもらいました。
受験の直前に、娘から、2日午前に受験する学校が受かったら、そこに行きたいと話がありました。
ずっと目標にしていた第一志望の大学付属校は、1日午前以外にも3日午後も受験することができ、3日午後は受験する予定でいましたので驚きました。
夫も私も大学付属校に進んで受験に追われない学校生活を過ごしてほしいと考えていましたが、娘の人生ですから、娘の希望を尊重しようということで一致しました。

2月1日(金)の午前・午後と受験し、午後受験も終わり、帰りのバスの中で、午前に受けた学校の発表がありました。
結果は不合格でした。バスの中ということもあり、本人の表情はほとんど変わりませんでしたが、後から聞いたところ、正直あまり手応えがなかったそうで、「ああ、やっぱりな・・・」と思ったということでした。
帰宅後、午後受験校の発表があり、はじめて念願の「合格」をいただくことができ、家族全員で喜びました。

2日(土)、「絶対合格する!」と言って、娘は元気に受験会場に向かいました。
掲示された入試問題をみたところ、最近勉強したばかりの魔方陣の問題や、たくさん勉強した食塩水の濃度の問題など何度も取り組んだ問題がたくさん出ていて、(もしかしたら・・・)と思いました。
夜、合格発表前に一緒に入浴した際は、普段はおしゃべりなのに、話しかけても何かを考え込んでいて、ほとんど話をしませんでした。
こんなに真剣な娘をみるのは初めてでした。
ドキドキしながら見た合格発表、娘の受験番号を見つけ、娘と泣いて喜びました。

波乱万丈の1か月、娘の挑戦は終わりました。
3月上旬に制服も届き、娘は入学式を心待ちにしています。
娘にとって、中学受験に一生懸命取り組み、苦労、失敗、成功を味わい、本人も満足のできる結果を得られて、本当に良い経験となりました。
母である私も冬休みから受験までの1か月は、仕事をしつつもほとんど毎日娘に付き添い、つまらない計算間違いに怒ったり、ここができたら合格だよと励ましたり、珍解答に大笑いしたり、1月の不合格のときはがっかりしたり、インフルエンザでは必死で祈ったり、と相当ドラマチックでしたが、娘にしっかり向き合うことができたと思います。

合格の翌日、合格通知を受け取りに行くときに、花粉症の娘が言った一言、
「春は花粉がいっぱいで嫌いだけど、生まれてはじめて春になるのが楽しみだよ~。」
一生忘れられない嬉しい言葉です。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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