コラム・読み物

コラム・読み物トップへ

親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

関連キーワードへ

この記事の関連キーワード
健康・メンタル管理
先取りシミュレーション!入試期間中
家族の支え・フォロー

緊張で食べられないままの受験

  • 年度:2017
  • 性別:男子
  • 執筆者:
息子は1月入試から不合格が続き、合格を見込んでいた1日の午後入試の学校も、即日のインターネット発表で不合格。
どんよりした気持ちで2日を迎えました。
控室で1日校の合格をインターネットで知り、試験を終えて出てきた息子に伝えると大喜び。
これで余裕をもって翌3日の第一志望校の入試に臨める、と両親は思いました。

ところが、その夜の夕食時に息子の様子がおかしくなりました。普通に食べ始めたのですが、途中から「食べられない、呑み込めない」と言いだしました。
「食事が喉を通らない」とは、正にこういう状態を指すのか、といった感じでした。私たちも慌ててしまい、何とか落ち着かせようと、「一校は合格しているのだから、明日はダメでもいい、大丈夫だよ」と、必死に語り掛けましたが、「なんで食べられないんだ」と言いながら脂汗を流し涙ぐむ始末。過呼吸のような浅い呼吸になり、半ばパニック状態でした。
とにかく落ち着かせて、何も勉強もできぬまま、20:30に消灯しました。

翌朝目を覚ました時には落ち着いていて、プリント類も少し見返すことができました。ところが、また食卓で「食べられない」とのこと。
「お腹に何か入れないとパワーが出なくて頭も働かないから、とにかく少しでもお腹に入れて」と話しても「無理」の一点張り。
何とか食べさせようと必死に説得しましたが、結局おかゆをスプーン一杯食べただけで水分も摂らないままでした。
息子のいないところで、「よほどの緊張とストレスなんだね、かわいそうに。」と、夫婦で話をしました。ただでさえチャレンジの第一志望校にこんなコンディションで臨んで受かるわけがない、と私は絶望視していましたが、主人は「いや、何があるかわからないのが入試だ」と言い残し、仕事に出かけていきました。

「食べてなくても大丈夫、受かって来る」と息子は試験会場に消えていきました。
そして、その言葉通り、息子は合格を勝ち取りました。

本当に入試は何が起こるかわかりません。今回の件で学んだのは、「寝ていないとダメ、食べていないとダメ」といういわゆる「一般論」より、本人の「合格したい」という気持ちの方が勝つのが入試なのかな、ということです。

この3年間、日能研にお世話になって息子はたくましく育ちました。
中学受験の合格は人生においては通過点、ということを忘れずに、日能研で学んだことを糧に充実した中学校生活を送ってほしいと思っています。
お世話になった職員の皆さま、どうもありがとうございました。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
  • 次のドラマ

PageTop