「親の心、子知らず」、「子の心、親知らず」
まさにこの諺を実感した3年間だった。
入塾したのは4年の4月。
受験に対しては全く無知だった私。ひたすら保護者会などで情報を集めた。
私がこのような状態であるため、娘は目的意識もなく通塾した。
5年の春。
ようやく志望校が絞られ、娘を横浜の山手にある女子校へ、中でも横浜雙葉へ入れたいと思い始める。
娘の意向を汲むため、娘と共に、フェリス女学院、横浜雙葉、横浜共立学園の学園祭を見に行く。
この時点で、娘が横浜雙葉を気に入ってくれた。
夏。
塾が楽しいと言ってきた。どうやら同クラスの子たちと打ち解けてきたようだ。
この頃から、私が「勉強は?」と言わなくても、自ら「栄冠への道」に取り組むようになり、前向きな姿勢で勉強するようになる。
6年の春。
成績もじわじわと上がってきた。R4を超えての偏差値をキープするようになる。
このまま1年間持ちこたえて欲しいと願う。
夏。
学校の友達の影響なのか、共学も気になると言い始める。同レベルの共学校を調べ、神奈川大学付属中を第二志望校にと、娘と共に決定する。
秋。
安定した成績で余裕なのか、勉強をする姿が見受けられなくなる。
私が不安を抑えられず口やかましくなるが、娘の一言でハッと気が付く。
---わたし、結構頑張ってるよ。---
娘が精神的に辛い時期に入ったことを、母として見抜けなかったことに痛く反省する。
1月。
横浜雙葉の親子面接。大丈夫?と心配する私をよそに、娘は物怖じせず面接官の先生としっかり話す。
その姿に、もう体も心も立派に成長しているのだ、と良い意味でのショックと感動を覚える。
迎えた、2月。
娘と共に受験校へ向かう。
難しかった・・・と言うものの、そこには全てを出し切り、落ち着き払った目をしている娘がいた。
その目を信じ、共に結果を見る。
そこには、春に横浜雙葉生となる、輝きに満ち溢れた笑顔の娘がいた。
おめでとう、そして、ありがとう。
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