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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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  • 年度:2016
  • 性別:女子
  • 執筆者:
2月1日 A日程 山手学院中学校(私立第一志望校)
国語の最初の問題で20分も使い・・・、目標の70点を取れずに終わった。
算数・理科・社会の手応えはすごくあったようです。

合格発表をドキドキしながらみると「不合格」。
日能研に戻って、先生が作ってくれていた模範解答で答え合わせ。
本人の手応え通り、国語の失点がなければ合格に達していたそうです。
涙を流しても悔やみきれない現実に、声を殺す事も出来ずに溢れでる涙と泣き声で悔しがる娘を、側で見る事しか出来なかった事が一番辛かったです。
でも、先生に「明日がある! 大丈夫! これだけ点が取れているだから自信に変えて!」と励まされ・・・。
国語の見直しをもう一度し、B日程に希望をかけ挑みました。

2月2日 山手学院中学校 B日程
試験の手応えは、
「国語は出来たけど算数が昨日より難しかった。上のクラスの子が急遽受けにきているか、滑り止めで受けに来ている感じがした。」
とのこと。
不安げな顔をしている娘に、「後は結果を待とう!」と言ってその日は帰宅。
夜、結果を見ると「不合格」。
結果を知った娘は、「もう寝る」と言って布団に入りながら泣いていました。
1日目の失敗が悔いても悔いきれないのだろうと思いながら、何と言葉をかけて良いのか分からず側で見守りました。

2月2日の時点では、本命校山手学院の合格は頂けていない状況ではあったものの、滑り止めの学校には既に合格を頂いていました。
しかし、今まで色んな事を我慢して中学受験に挑んできた娘には、2日連続して本命校山手学院中学校「不合格」という結果は、今までコツコツ積み上げた努力による自信を無くさせていたのでしょう。

「4日に桐光学園を受けてみないか?」と提案してみました。
娘に、
「嫌だ。頑張っても落ちるときは落ちるし! 桐光学園の過去問すら今日まで一度も解いた事ないし! いくら山手学院よりもR4偏差値で低いとはいっても無理だよ」
と言われてしまいましたが、
「今までコツコツ努力してきた力は過去問を沢山解いたから合格とか不合格とかではないと思うよ! 日能研で培ってきた基礎力! 応用力! 粘り強く考える力! はしっかりと身に付いているとママは思う! 桐光学園に合格したら進学するとかそういう事ではなく、4日は元々どこも受ける予定が無かったのだから模試感覚で受けに行って合格を頂いたら! それを自信に変えて山手学院後期も最後まで全力で頑張れば良いと思うの!」
と我が子を説得し急遽受験する準備に入りました。

2月3日 神奈川県立平塚中等教育学校(公立第一志望校)
公立併願校として準備してきた学校です。
1日目・2日目ともに山手学院不合格となると、3日目も山手に行った方が良いのではないか?
県立平塚は新聞発表でも、志願数400名・募集数80名・倍率5倍という高倍率の学校でした。
いくら対策し準備してきたと言ってもそう簡単に受かる学校でない事だけは十分認識していたので、3日の受験校はすごく悩みましたが・・・。
前々から山手学院と同じくらいに時間をかけて受験対策をしてきた事もあるので、このまま山手に合格を頂けなかった時にレベルを下げずに進学出来る神奈川県立平塚中等教育学校に希望をかけ受験する事に決めました。
「1日目・2日目山手学院の不合格をバネに諦めないで解く! 問題を読み取る! そして苦手なグループテストは本気で受かりたいなら演じろ!」
と言って送りだしました。
試験を終え会場から出て来た娘は、
「演じたよ! 身振り手振りで説明したり、人の意見に頷いたり! 微笑んで会話した!」
と報告してくれました。
「結果は10日迄ないので後は結果を待つのみ! これから塾に行って桐光学園の過去問一回ぐらいは解いて、明日に備え、早く寝よう!」
と言うと、
「そうだね!」と言って日能研へ向かいました。

2月4日 桐光学園 第3回
何の対策もせず、一夜漬けともいえない過去問をサラリと解いただけで「合格」を頂けるのか?
娘にあんな偉そうなことを言った手前・・・。
「合格」を頂けなかった時には、どう娘の精神面のフォローをどうしたら良いのか?と思いましたが・・・。
娘の前で私が不安な態度を取る事も出来ず、学校見学すら行った事のない学校を受験する不安で口数も減っている娘へ、
「大丈夫! 行くと決まったワケでもないし! 万が一。通う事となっても素敵な学校だから安心して! 模試だと思ってわかる所だけ埋めてきな」
と言って送りだしました。
結果「合格」をいただき、正直ホッとしました。
この「合格」を自信に変え、山手学院後期日程に挑んでくれたらと心の底から思いました。

2月6日 後期日程 山手学院中学校
朝もまだ暗い中、緊張の面持ちの娘と一緒に山手学院中学校の後期日程を受けに試験会場へ足を運ぶと、日能研の先生方が、1日目・2日目とは比べものにならない位に沢山の先生が激励に来てくださり、先生方との激励と熱い握手に瞳を潤ませ頷く娘がそこには居ました。
努力が結果に結びつかなくて、くじけそうになり・・・、諦めたくなったり・・・、悔しかったり・・・、12歳の少女には辛い現実も沢山ありましたが、
心の奥底にある「第一志望校合格し進学したい! その為に今日までやってきたのだ!」という娘の思いと、
「第一志望校に進学させてあげたい」と思う日能研職員の思いが通じた瞬間だったのかな?と思っています。

保護者控室から試験会場に向かう娘へ、
「最後まで諦めないで頑張って!」と最後のママからの言葉を噛みしめるように頷き、
「うん! 頑張る! 諦めない! だからママ待っていてね!」
って試験会場へ向かう娘の後ろ姿は、山手学院A日程では見えなかった位に頼もしくみえました。
試験が終わり娘と4時間ぶりに再会すると、満面な笑みで、
「ママ! A日程の手応えが一番だっただけに1日目の国語のしくじりは残念でならないけど・・・、 やるだけやった! コレで駄目ならば仕方ない! 今、私・・・、とっても清々しい気持ちで一杯だよ!」
と言って、校門を振り返る事なく前を見て歩く娘の横顔は凛々しく。

「山手学院後期日程・神奈川県立平塚中等教育学校の結果が仮に「不合格」だったとしても、ママもこの一週間アナタと一緒に戦えた事を誇りに思うわ! そしてもし第一志望校に進学出来なかったとしてもママもアナタと同じで今とっても清々しい気持ち! お疲れ様! 最後まで本当に良く頑張った!」
と全ての合否判定も出てないのに娘を褒めている私がそこには居ました。

結果。
山手後期日程・神奈川県立平塚中等教育学校ともに「不合格」でした。

親子で挑んだ中学受験、第一志望校合格に成らず結果としては残念な結果でしたが、不思議な程、悲しいとか、残念という気持ちはなく、むしろ達成感に満ち溢れ晴れ晴れしています。
今では入学式を親子で楽しみにしています。

中学受験準備期間4年。
中学入試期間6日間。
志願した学校6校。
入試試験回数8回。内3回が山手学院
結果3勝3敗

準備期間がえらく長く・・・、戦える期間は嵐のように過ぎ去りましたが、娘も私達夫婦もすごく成長させてもらえました。
最後まで諦めずに挑んだ山手学院中学校から幾度も貰った「不合格」を経験し、学ぶ事が多かった実り多い中学受験でした。

今は「合格」を頂いた学校に御縁があったのだと思い、進学先は娘に選ばせたら即答で、
「あの絶体絶命のピンチの時に勝ち取った合格は、R4偏差値とか関係なく私に自信をくれたから、桐光学園に進学したい! この悔しさを糧に桐光学園で頑張って、今度は大学受験の時に第一志望校に合格してみせる!」
と言った娘の一言に、
この6日間負けても! 負けても! 諦めずに全力で挑み続けた先に見えたものは、新たな目標だったのだと気づかされました。

まだ見ぬ真新しい制服をまとった娘が、桐光学園中学校で新たな目標を持ちスタートを迎えられた事が何よりも親として嬉しくてたまりません。

日能研のクラス担任の先生をはじめ、教科担当の先生、少々生意気な娘であったでしょうから先生方の手を焼かせることもあったと思いますが、
どんな時も見捨てることなく時には、厳しく時には温かく指導して頂き、本当にありがとうございました。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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