息子が小学校3年生の時、家から徒歩10分の所に突如、日能研の新しい校舎ができた。
私はこれに運命を感じた。
私も経験した中学受験。友達とも従兄弟とも遊べない日々を思い出し、こんな小さい子にあの辛い経験をさせてもいいのだろうか?
自身の大学受験の時、「中学受験の時は簡単に丸暗記できたのに、なぜ今覚えられないんだろう」と悩んだのを思い出した。
私の持論だが、男の子の場合、記憶力のMAXは11~12歳、身長が一番伸びるのは14~16歳、運動神経がいいのは17~19歳だと思っている。
もちろん大学受験はその後の人生の大きな糧になる。
しかし受験をするたびに大体視力が悪くなる。一旦筋力も落ちる。
そう考えると中学受験で大学附属校に入るのが一番無駄のない人生を送れるのではないか。
なので私は息子に中学受験を勧めた、というか促した。
W塾は隣の駅、S塾は隣の隣の駅。
通塾中に事故にでもあったら元も子もない。
息子は日能研に行きたいと言った。私もここなら通わせてもいいかなと思った。少人数だし一期生だし入りこみやすい環境だったからだ。
数字が好きだったので算数と理科はなんとかなったが、国語が全く出来ない。
一人っ子のせいか、まだ幼いせいか他人の気持ちがよく分からない。
先生に相談すると「成績は悪いですが、とても意欲的です。だから大丈夫です」と言われた。どうやら勉強は好きらしい。
私も最初は全教科見ていたが、国語が教えられなくなり、理科、算数と難しくなり、最後は社会しか教えられなくなった。
こうなると先生に頼るしかない。
幸い少人数だったので日能研の先生方はとてもよく息子の面倒を見てくれた。
そうこうしている間に国語の成績が少しずつ上がりだした。
カリキュラムテスト、日能研全国公開模試のふり返りは毎週付き合ったが、あとは毎朝5時に起こすのが私の仕事だった。
6年の12月以降は忘年会、新年会シーズンで辛かったので朝5時に起こし、なるべく試験時間の長い国語か算数の過去問を渡しタイマーをセットして50分間寝た。
丸付けをしてまた理科か社会の過去問を渡し30分寝た。息子には甲し訳ないと思ったが、このあたりは結構限界だった。
入試当日の朝は「二字熟語」と「社会科」のアプリを携帯に入れて、学校に着くまでやらせた。
帰り道は好きなゲームのアプリをやらせた。
6年生以降は一切ゲーム禁止だったが、私の経験上、落ち着かないときはゲームをするに限る。
過去問を終えて入試期間に入ったら、今更勉強しても手につかないのは分かっていた。おかげで入試期間中、メンタル的には穏やかだった。
息子は3年間、こっそり寝てたり、サボったりしたけど勉強が嫌だとは一度も言わなかった。
中学受験は2~3年の長丁場である。まず勉強が好きでないと精神的にもたないと思う。それからテストの成績が悪くて怒られても一時は凹むが、すぐに立ち直った。
逆にいい成績を取ると天狗になり、次のテストは大体悪かった。
典型的なO型であまり気にしない性格が受験勉強を長持ちさせた。
全ての試験範囲が終わり、復習問題に入った6年夏以降、息子の成績は波がなくなり、安定して上がりだした。
以前出来なかった問題が出来るようになっている。そういう意味では受験に向いていたのかもしれない。
最後になりますが、息子の面倒を見てくださった教室の先生方、たくさん相談に乗っていただき本当にありがとうございました。
そして、年明けから口うるさく注意し、食事も考えて息子に一度も風邪を引かせなかった妻にも本当に感謝しています。
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