正直なところ、私は最初から息子の中学受験に対し前向きだったわけではありません。
自分が私学に一切お世話にならなかったので、「公立で十分」というスタンスでしたし、
小学生の間は好きなことを思う存分取り組んで欲しい、
好きなこと(うちの場合はストリートダンス)を我慢して、勉強に専念させるなんてもったいない、
と思っていました。
しかし、この受験活動を通じて、なんだか沢山得るものがあったと、今、しみじみと噛みしめています。
息子は、嘘をついてサボっていることが多々ありました。
でも親がどんなに叱ることよりも、自分の勉強を誤魔化して一番困るのは自分自身であること、
もしそこを踏ん張れるとちゃんと次のテストで成果が出てくることを一番身にしみて感じているのは本人でした。
日能研の先生との出会いにより「教育とはなにか」のようなことを考えるようになり、
「将来の夢はダンサー」から「将来の夢は私立中高の社会科教師」に変わりました。
満ち溢れる自信が見事に打ち砕かれる場面が沢山ありました。
でも失った自信を取り戻す手段は努力だけだと、第一志望校に不合格だった夜、息子は日能研で自習しながら実感しました。
「志望校に落ちた悔しさがあるから、縁のあった学校のありがたさがわかる」と強く思えるようになりました。
毎日家のお弁当を食べていたから、外食より家の食事が好きになりました。
毎日お弁当を食べていたから、家族と囲む鍋が大好きになりました。
がんばっている自分をいつも支えてくれる家族のことが大大大好きになり、体はずいぶんと大きくなったのにハグする時間が増えました。
親に面と向かって「アリガトウ」っていえるようになりました。
みんなと違う中学に行くから、今の小学校の時間が益々大切になりました。
親の私は、そんな息子を見て、尊敬するようになりました。
尊敬する息子に対し、頭ごなしに叱ることはなくなりました。
息子をリスペクトすることで、息子も父や母を敬うようになりました。
弟は「お兄ちゃんみたいになりたいから、お兄ちゃんがんばれ」っていいました。
そして・・・家族がギュッと、固くひとつになりました。
それが、中学受験だった、と思っています。
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