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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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あきらめなくってよかった

  • 年度:2016
  • 性別:女子
  • 執筆者:本人
2月1日の本番、何度も行っていたからそこまで緊張していなかった。
けれど、電車が思ったよりも満員でとても大変だった。
母が私の手を取って、はぐれないようにしてくれた。
朝のため、手は冷たかったけれど、母の暖かい気持ちが感じられた。
そして学校について見送られる時、
「頑張って」
そう言われて気合いが入った。

入試が終わるのを待っている間に、母が道順を確認していてくれたので、
午後の会場までスムーズに向かうことができた。
午後入試は難しいところだった。
だから、
「スライドでもいいから」
と願っていた。

合格が欲しかった。
特にそう思ったのは午前の結果を見た時だった。
初めて自分の番号がなかった。
すごくびっくりした。こんな思いなんだ。
そう初めて知った。
母は少し落ち込んでいたが、次に向かっていた。
2日も3日も待っている間に準備をしてくれた。
「ありがとう」
と言えなかったのが心残りである。

2日もダメで、3日の朝、少し辛そうな顔をした母は、学校に行くまでの道であるものを見つけた。
お地蔵さんだ。
母と私はお地蔵さんに拝んでから行った。
入試が終わって
「明日もか」
と、そう思いながら母の元に戻った。

すると嬉しそうな顔で、
「繰上合格したって」
と言ってくれた。
父が勤務中に電話をとってくれたおかげで、合格できた。

私と母は帰り道、あのお地蔵さんの前で
「ありがとうございました」
と言った。
その時の母は目に涙をためていた。

最後まであきらめなくてよかった。
父と母と家族全員が、最後まであきらめなくて本当によかったと思っている。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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