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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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兄の受験、弟の受験

  • 年度:2017
  • 性別:男子
  • 執筆者:
我が家は二人兄弟です。
いま中学2年生の兄と、今回受験を終えた弟と、2回の中学受験を経験しました。

学校こそ違えど、兄も弟も、それぞれの第一志望校に偏差値を超えた合格を果たしました。
けれども合格への道のりには、兄弟それぞれのカラーが出ていたと思います。

生真面目な兄の場合は、日々の家庭学習でも基本的な課題は親が決め、兄は指示されたことを比較的素直にこなし、質問があればまず親に聞いてきましたので、親の方も日常的に勉強を見てやり、手厚く世話をしました。
一方、マイペースな弟は、親に口を出されることを嫌い、勉強内容は自分で決めて自分でこなし、質問は日能研の先生に持って行くので、学習面に関してはほぼ日能研にお任せでした。

意外だったことに、もともとの性格は兄の方が慎重で臆病、弟の方が何事にも自分流で動じないタイプなのですが・・・入試本番では、兄が普段の模試と変わらない様子で淡々と立ち向かったのに対し、弟は行きの電車の中で青い顔をして腹痛を訴え、途中下車してトイレに駆け込む事態になりました(そのため学校到着時刻が予定より30分遅れました。
1時間前到着を見込んでいたので問題ありませんでしたが、早めの行動は大事だと痛感しました)。

ふたりとも第一志望校は東京でしたが、1月の埼玉、千葉から受験をスタートさせました。
兄は埼玉の安全校、千葉の相応校の2校を受験。どちらも合格をとりましたが、その結果、東京の本命を前に、一時的ではあったものの若干の気の緩みが見られました。
親としては、千葉でチャレンジ校受験をさせておけば良かったと反省点が残りました。

そこで弟の時は、埼玉の相応校、千葉のチャレンジ校と安全校、合わせて3校を受験させたところ、こちらも全勝。兄と違って弟は、チャレンジ校にも受かったこと、安全校では特待合格を果たしたことに、大いに弾みをつけ、第一志望校へのチャレンジに向けて勢いを得ました。
ただしここでも予想外のことがあり、弟は、普段は自信過剰な方なのですが、初の受験となった埼玉入試を終えた時、「全然できなかった・・・」と泣きそうな顔で出てきたのです。
実際には問題なく合格できましたので、結果としてよい滑り出しとなったのですが、入試直後の息子の不安そうな様子を見る限り、埼玉千葉で不合格を取っていたら、負けず嫌いの弟には大ブレーキになったかもしれません。

同じ家庭で育った兄弟でも、性格も異なれば受験スタイルも異なります。
そこで感じたのは、受験生の数だけ、違う受験があるということです。
巷には色々な受験体験談が溢れていて、大変参考にはなりますが、どれが正解ということはなく、最終的には、どんな受験が合うのかはその子次第なのだと思います。

ただひとつ大切なのは、「受験生本人の意思を一番に尊重すべき」ということだと、私は強く信じています。
我が家の兄弟に共通していたのは、2月1日の受験について、第一志望のチャレンジ校と第二志望の相応校と、ふたつの選択肢を用意したにもかかわらず、それぞれが自らの強い意思で第一志望にチャレンジすることを選び、共に合格を勝ち取ったということでした。
どちらの時も感じたことは、志望校に対する熱意が、受験においては何より大きな力になるということです。
親はつい、確実性の高い方へ誘導したくなりますが、受験生本人の意欲があるなら、親はただ見守り応援することが、後悔のない受験に繋がると思います。
少なくとも我が家は、息子たちのチャレンジを止めさせることをせず、本当に良かったと思っています。

我が家の中学受験は、大成功で幕を閉じました。
これから受験を迎えるすべてのみなさんにも、素敵な春が待っていますように。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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