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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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日能研が心の支えになった

親父として

  • 年度:2018
  • 性別:男子
  • 執筆者:
2月3日(土)13:54。合格発表の掲示板の前、親子で歓喜の瞬間を共にすることができた至福の時でした。

思い起こせば私がわが子の受験のサポートをし始めたのは、都内の大学を試験会場とする全国公開模試への付き添いからで、それまでは妻に任せきり・・・保護者会や個別受験相談会に参加するようになったのも夏ごろからでした。
比較的成績の浮き沈みも、風邪などを引くこともなく、もとよりポーカーフェイスなわが子は飄々と日能研に通い続け、順調に1月を迎えお試し受験に臨むこととなりました。
お試し試験の翌日、10:00からの合格発表をWEBで閲覧すると、見事に「不合格・・・」
試験後の感想も芳しくなかったのでもしや・・・との予感は的中してしまいました。
わが子が日能研の土曜授業から帰ってきた夕食後に、今朝見たWEBを一緒に見ました。
堰を切ったかのように流れ出す大粒の涙と嗚咽・・・(後で知ったのですが)日能研の教室にてすでに結果は知らされていたのに、くやしさを微塵も顔に出さず何食わぬ顔で帰宅して食事をしていたのです。
父親としてこみ上げるものはありましたが、肩を抱き、この結果のことは気にせず約20日後に控えた本番に臨むことを言い聞かせました。

その後、あっという間に第一志望の受験日の2月2日を迎えることになりました。
予報通りの生憎の雪の中、日能研の先生方の激励やアドバイスを受け、
わが子と控え室へ向かい受験会場への移動の時間を待ちました。しばらくして会場への移動が始まるというアナウンスがあったので、わが子に
「受験票を準備しておいたら?」と、声をかけました。
「うん」との返事でリュックの中を探す。
「こっちじゃない・・ここかな?・・おかしいなあ昨日入れたのに・・・ないっ!」
私も血眼になって探すのですが、見つかりません・・・・
「お母さんにあれほど、前の日にチェックしなさいと言われていたじゃないか!」
「(余計な)テキストや過去問をたっぷり入れて肝心の受験票を忘れんなよ!」
と、いう言葉を必死に飲み込んで
「各校は受験するお子様を大切に扱っていただけますので、当日お困りのことがあれば是非相談してみてください」といった1月の保護者会での先生方の言葉を思い起しました。
すでにほとんどの子が受験会場へ移動してしまった控室の中で、職員の方に受験票を忘れてしまったことを伝えました。
「大丈夫ですよ、受験票がなくても受験はできます。会場へ向かってください。」とのお言葉を頂き、心底安堵しました。
このようなまさかの展開に私自身が動揺していて、受験会場へ向かう途中でわが子にかけた言葉などは覚えていませんでした。別れ際に、いつものグーパンを二人で交わしたことは覚えていましたが・・・

2月3日(土)14:30、日能研のインタビューの収録を終えたわが子に
「どんなこと話したの?受験票を忘れたことも話したの?」と、たずねると
「うん、受験票忘れて動揺しなかったの?って聞かれたけど、お父さんに受験票を忘れたことは忘れろ!実力はそこじゃないって!って言われて安心して集中できたんだよって答えたよ」
・・・2月2日、4科目の試験が終了するまでの約4時間、控え室で悶々としていた親父をよそに、わが子は冷静に問題に向き合っていてくれたのでした・・・・・
20日前と同じく、こみ上げる気持ちを抑えながら照れ隠しに、「は?ンなこと言ったっけ?」
と、眼の汗がこぼれない様に空を見ながら応えていました。

最後に、言うまでもなくわが子をここまで支えてくれたのは妻であり、ここまでのレベルへ引き上げていただいたのは日能研の先生方とのお陰であるのは間違いなく、改めて御礼申し上げます。
そして、これからわが子と受験を迎えるお父様方へ一言申し上げます。
お子様と会話が成り立たないとか、俺に何ができる?とか・・いろいろな考えもあるかと思います。しかし言うまでもなくお子様との時間はかけがえのないものです。気づかぬうちにわが子は大人になっていたりもします。できる限りわが子と向きあってみるのも決して悪いことではありません。受験を通じて互いがありのままになり、絆を感じる瞬間がいくつもあるものなのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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