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出題校にインタビュー!

2014年 不二聖心女子学院中学校【国語】

不二聖心女子学院中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.大学で求められている力は「書く力」。卒業後にわかる「書ける」ことのありがたさ。

「上質で、受験生に読んでほしい文を探し出す」

20年以上も、300字程度の作文を入試で出し続けている学校は、あまりないですよね。

蒔苗先生 そう言われてみれば、あまり(例は)ないかもしれませんね。そこには我々の変わらぬ願いがあって、それが一貫した出題傾向に繋がっているのでしょう。

国語の問題文探しは、どこの学校も大変だといいます。貴校の場合は、最後にこの問題を入れるという前提で問題文を探すわけですから、さらにご苦労があるのではありませんか。

蒔苗先生 我々のような出題傾向を持っていると、文章が上質でないと、いい問いは作れませんので、そういう点では苦労していると思います。まず質の高い文章、次に受験生に読ませたい文章。不二聖心女子学院として、この文章を問題文に取りあげていることが一つの軸になるような文章を出したいという想いはありますよね。

国語科/蒔苗 博道先生

国語科/蒔苗 博道先生

「いい文章は、大人向け、子ども向けという視点を超える」

蒔苗先生 以前に取りあげた文章は避けなければいけませんし、他校との重なりもできれば避けたいので、常にアンテナを張っています。今から出る本は、少なくとも過去の問題と重なる可能性はゼロですから。チェックしています。出版された本だけではなくて、旅先で手にした冊子なども候補です。

本当にいい文章というのは、おそらく大人向け、子ども向けという視点を超えると思うんですよ。読者を選ばない。誰が読んでも、この文章は素晴らしいという評価をされる作品だと思います。中島敦があれだけ難しい漢字を使っても、「山月記」が伝わるのは文章がいいからですよね。

「書かせる学校。卒業後にそのありがたみがわかる」

入学後も、やはり表現に力を入れていくプログラムなのでしょうか。

蒔苗先生 「大学で求められている力はなにか」と考えた時に、やはり「書く力」だと思うんですね。なぜかというと、卒業生に「不二聖心で書く力をつけてもらって本当によかった」と言われることが多いからです。他校のことはよくわかりませんが、うちは書かせる学校だと思います。

作文コンクール、感想文コンクール、日常の感想、創作・・・、いろいろ書かせますし、学校全体で取り組んでいる国語教育も大きな力になっていると思います。

例えば、中3が取り組む「卒業研究」です。レポート用紙70枚、書きます。国語科としては、とてもありがたい取り組みです。

作石先生 生徒たちも、在校中は「よく書かされる学校」などと言っていますが、卒業して社会に出ると、「(書かせてもらって)良かった」と言ってくれるので、励みになりますね。

国語科だけではなくて、公演を見れば感想を書く。祈りの会で神父様のお話を聞けば書く、というように、日々積み上げていきます。文章だけでなく、神父様から聞いたお話を絵で表すなど、さまざまな形で表現する力を磨いていきます。

蒔苗先生 生徒たちの表現活動は、本当に見事ですよ。

国語科/作石 眞美子先生

国語科/作石 眞美子先生

「中3の『卒業研究』に向けて中1から研究活動」

入学するお子さんは、中3時に「卒業研究」を書くということを知って、入ってきているのですか。

作石先生 はい。学校説明会でも話していますので、わかって入って来ていると思います。

「卒業研究」をまとめた冊子を拝見すると、いろいろなテーマがあるんですね。

蒔苗先生 中1は学年全体で研究をします。中2はグループ研究、中3は個人研究と発展していきます。

作石先生 どんな研究に取り組みたいのかを考えて、計画書のようなものを提出させ、担任と面接をして、ふさわしいテーマを選びます。国語科に限らず、全教員が一人につき2、3名の生徒を担当して、進行を手助けしながら進めていきます。

「卒業研究を書くだけでなく、プレゼンする」

1学年は何名ですか。

蒔苗先生 今年の中3は65名です。教員は得意分野を担当するということもありますが、テーマが幅広いので、よくわからないものもあります。僕は国語科ですが、今年担当した生徒のテーマは「クマの研究」でした。

先生も学ばなければならないので大変ですね。いつ頃からスタートするのですか。

蒔苗先生 中2の2月頃ですね。僕は教務主任なので、その頃になると中2の教室に出かけていき、「来年は卒業研究というものがあって・・・」という話をします。

作石先生 入学時から、いずれやることはわかっているので、中1から生徒は「なににしよう」とテーマを考え始めて、友達と話していますが、中2の終わり頃までに、2つくらいテーマを探しておき、中3になって決定し、スタートという流れです。それが5月中旬頃で、提出日は10月20日です。

蒔苗先生 提出して終わりではなく、11月の文化祭で発表をし、それから、クラスの仲間に自分の研究をプレゼンします。

不二聖心女子学院中学校

「国語の授業をきっかけに素晴らしい卒業研究が生まれた」

蒔苗先生 作石は中2の授業を担当することが多いのですが、短歌の授業で石川啄木を取りあげて、それがとてもおもしろかったので、中3になって「卒業研究」のテーマに石川啄木を選んだ生徒がいました。国語の授業がきっかけになって「卒業研究」のテーマが決まり、僕が担当したのですが、その生徒が何をしたかというと、啄木の「一握の砂」と「悲しき玩具」にある全745首を、自分で設けた16のテーマでグループ分けをしたんですね。こういう子がいるのは頼もしいです。

それはすごいですね。

蒔苗先生 この生徒は、最初に「啄木の詩には暗いイメージがある」と言ってきたんですね。それは印象ですよね。研究なら実証する必要があります。方法として一番やさしいのは分類です。「745首を分類して、孤独や寂しさなどを詠んだ数がいくつあるかを示して、その数が多ければそのイメージは実証されたことになるよね」とだけ言ったのです。そして「大変だけどやってみる?」と聞いたら、二つ返事で「啄木の詩がすごく好きだからやります」と言いました。

それからは全集を抱えて、付箋をつけて・・・。中学生のやることですから、「孤独」に分類した詩が、もしかしたらこのグループではないこともあるかもしれませんが、それはあまり問題ではないと思います。自分なりに分類して、16に分けきったということが素晴らしいじゃないですか。

「参考文献10冊以上が、テーマ選びのルール」

あくまでも先生はヒントを与えただけで、生徒さんがやりきったのですね。好きでなければできないですね。

蒔苗先生 原点は、作石先生のおもしろい授業で、それが国語の枠を超えていった。こういうことが、本校では度々あるんですね。本人も「充実感があった」と言っていました。

「卒業研究」をまとめた本を拝見すると、「チョコレート」「砂糖」「ティズニーリゾートのサービス」など、いかにも女の子らしいテーマが並んでいて、自由に書いていいんだなということがわかりました。

作石先生 ルールとしては、参考文献が10冊以上あるもの、としています。ですから、中2でテーマを考える時に、図書館に行って、調べて、テーマに関連する書物のリストを出させます。作業は主に学校や自宅になりますから、校内や、家の近くの図書館で参考になる本が見つからなければテーマを変えるということですね。

蒔苗先生 調べ学習を超えるためには「参考文献の丸写しではなく、自分の視点で書くことが大切」とアドバイスしています。

不二聖心女子学院中学校

インタビュー 2/3

不二聖心女子学院中学校

不二聖心女子学院中学校1920(大正9)年に岩下清周によって創立された温情舎小学校が前身。1945(昭和20)年、聖マグダレナ・ソフィア・バラが1801年に創立したカトリックの女子修道会「聖心会」に経営移管され、1953(昭和28)年に高校が開校。1957年に現校名へ改称。

学校を一つの家庭と見なし、キリスト教的価値観に基づいた心の育成を目指す。日々の祈り、宗教の授業や、クリスマスなどの宗教行事を通して、生徒たちは祈りの心、温かな人間観を身につけ、見えないものへの価値に目を開いていく。一方で、世間ではおとなしい生徒が多いと思われがちだが、掃除をするときロッカーを動かしたり、課外授業ではテントを張ったりと、たくましいところも見受けられる。また、新入生1人に高校3年生の生徒がついて学校生活を手助けする「エンジェル制度」は、家庭的な同校ならではの制度。

富士山の裾野に位置し、木々が茂る森があるなど自然に恵まれた学習環境にある。聖堂や校舎はフランス風で、各々に聖人の名が付けられ、広い敷地にゆったりと配置されている。マリア館には図書館や美術教室などがある。生徒用コンピュータは、図書館でも利用できる。校内LAN、体育館の完成に続き、2002年に新しい寄宿舎寝室棟が完成した。

英語の徹底重視が特色。中学では毎日英語の授業があり、習熟度別のクラス編成を取り入れている。英語が得意でない生徒には補習を積極的に行い、特に中学では基礎力の定着を徹底している。またスピーチコンテストなどを通して「使える英語」を身につけることを目指す。

自主的な研究活動も重視され、中学1年で学年研究、中学2年でグループ研究、中学3年では個人で卒業研究をまとめる。中学2年生からは英語・数学で習熟度別授業を実施。補習は英語・数学を中心に、その他の教科でも放課後や長期休暇を利用して中学から適宜行われている。併設の聖心女子大へは例年約60%が進学。現役合格率は90%以上で、早慶上智大など全国の難関大学に幅広く合格している。

国際理解教育も重視し、マルタ、アメリカ、韓国、台湾、フィリピン、タイ、カンボジア、の体験学習も活発。世界に広がる聖心のネットワークを生かして、アメリカ、カナダ、スコットランド、ニュージーランドへの1年間の姉妹校留学制度もスタート。2018年からは高校2年生全員が聖心の創立の地フランスを訪れる「ルーツへの旅」が始まる。伝統的な奉仕活動、国際理解教育、環境学習が評価され2012年にユネスコ・スクールに認定された。

クリスマスキャロル、奉仕の日、祈りの会などの宗教的な行事を通して、誠実に生きる喜びを体験する。老人ホームの慰問や駅の清掃などを行う奉仕活動も活発。寄宿舎では180名近い生徒が、中1~高2までの縦割りの4グループと高3の1グループの計5グループで生活している。互助の精神のもと家庭的な雰囲気があり、また規則正しい共同生活を通して、自分で考え自分の責任で行動する自律心を養うことができる。

週5日制なので、週末には自宅に帰省。体育大会、秋のつどい、自然教室、弁論大会、音楽鑑賞会など、学校行事も盛ん。

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