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出題校にインタビュー!

2014年 不二聖心女子学院中学校【国語】

不二聖心女子学院中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1.20年以上前から作文を出し続けている理由は、作文の向こう側にいる人に興味があるから。

「国語の学習はすべての学習の基本」

まずは、今月取り上げさせていただいた問題の、出題意図からお話いただけますか。

作石先生 自分の考えや経験を、作文の中で表現する力を見たいと思って出題しています。本校では国語の学習を、すべての学習の基本として位置づけています。6年間の学びの中で、必要な国語力を身につけ、学校生活の中で、あるいは社会に出てから、自分の考えをしっかり持って、それを表現できる人を育てていきたいと思っています。そのため、入学試験でも作文を出題することにしています。

国語科/作石 眞美子先生

国語科/作石 眞美子先生

「作文の向こう側にいる人が見たい」

作石先生 基本的な文法や漢字が正しく書けているか、原稿用紙を正しく使えているか。そうした基本的なことも見ますが、なにより「作文の向こう側にいるのはどんな人なんだろう」「知りたいな」という気持ちで採点しています。 例えば、日常のささいな出来事であっても、捉え方は人それぞれですよね。捉え方により人となりが見えると思うので、自分らしさや感性の豊かさなどが伝わる解答に期待しています。

「文章の内容にかかわらせて書いたほうがいいでしょうか」ということも、聞かれます。そうしなければいけないということはないのですが、やはり大問の中の最後の設問として出していますので、問題文を読んで、どう理解して、自分の体験や考えを書いているかということは、踏まえて見ています。

問い自体が課題文に基づいて作られていますから、聞かれていることを理解してきちんと書いていれば、自ずと課題文を踏まえられると思います。

「人を見るには、300字程度の文字は必要」

300字というのは、結構なボリュームですよね。

蒔苗先生 大変ですよね。試験時間は45分ですから。

作石先生 でも、みなさん、最後まで到達していて、書いてくれています。45分の中で、他の設問にも答えて、この作文を書くのは大変ですが、「どんな人なのか」「どんなことを考えているのか」そんなことを聞こうと思ったら、やはり300字程度の文字数は必要だと思います。

300字というと、ある程度、構成を考えなければいけない文字数だと思うのですが・・・。そこまで考えて書けるのでしょうか。

作石先生 中には途中で終わってしまう方もいらっしゃいますが、字数が足りないから採点しないということはないので、構成よりも自分の言いたいことを優先して書いてくれれば、よしとしています。

国語科/蒔苗 博道先生

国語科/蒔苗 博道先生

「体裁が整っているだけの文章では魅力がない」

実際、受験生の答案はどんな様子でしたか。

蒔苗先生 字数が極端に少なければ、もちろん減点の対象となりますが・・・。ある程度字数を満たしていて、構成が整っている解答と、なにか一行でもいいから、読み手の心に残る言葉を含んでいる解答。どちらの評価が高いかといえば、後者だろうと思うんですよ。

問題文も、「縄文杉を見に行くのは悪人ですよ」という一言があることで、価値のあるものに仕上がっていますよね。文章が整っている、字数を満たしていることも大事ですが、それだけでは価値ある一行を含む作品には負けていくだろうと、私は思います。

「20年以上前から作文を出し続けている」

こうした作文の出題はいつ頃からですか。

蒔苗先生 30年近く続いていると思います。

資料がなくて、3、4年前までしかさかのぼれなかったのですが、「強さを感じた経験」「受け継いでいきたいもの」「植物や動物から学んできたもの」などを問われていますよね。共通しているのは、自分が大事にしたいもの、守りたいものなど、受験生の芯にあるもの。そこを知りたいのかなと思ったのですが。

蒔苗先生 やはり学校で大事にしたいと思っていることが、テーマに反映されるのだと思います。

印象に残っている解答はありますか。

蒔苗先生 受験生は緊張していますし、45分の5分の1程度の時間で書かなければならないので、コンクールで入賞するような立派な文章が書けるかというと、そうではないです。

作石先生 素直に書いてくれているなという印象はあります。ただ、解答はいろいろですね。例えば環境問題などの社会問題を取りあげて、きれいに仕上げることもできるのですが、そういうものよりも、実際に経験して感じたことを書いてくれて、そこに心惹かれるものがあればいいと思います。

不二聖心女子学院中学校

「心に残るような体験を心にとどめて、自分の言葉で表現してほしい」

教えられた相手は、誰が多いのですか。

作石先生 やはりおじいさま、おばあさま。お年を召した方から教わったという解答や、お友だち、学校の先生など、自分の身のまわりにいる人が多かったです。

毎年、きらりと光る文章を書かれている方が、入学されている印象ですか。

作石先生 どうでしょうね。ただ、この問題に限らず、記述の問題はいくつか出していますので、まとめ方が上手なら国語の点数はある程度取れていると思います。

この問題は、体験していなければ書けないですよね。12年間の中で、たくさん経験してきてほしいという意図もあるのでしょうか。

作石先生 体験することは大事ですよね。心に残るような体験をしてきている。それを心にとどめて、自分の言葉で表現できる人が来てくれたらいいなという思いはあります。

「作文の配点は20点程度。比重が大きい」

字数は、徐々に増えていったのですか。

蒔苗先生 私は20数年、ここで入試を経験していますが、この形は一度も変わっていないですね。

作石先生 定番の問題なので、過去問などを見て勉強してきてくださっているのか、一定の時間になると、書き始める姿が見られます。他の設問が解けていなくても、書き始める受験生が多いです。作文から書くというのはどうかと思いますが、そういう方もいます。

ちなみに配点は?

蒔苗先生 100点満点で20点程度です。

作石先生 比重が大きいんですよね。

まったく書けていない受験生はいませんか?

蒔苗先生 0ではないです。

作石先生 途中で終了時間が来てしまったんだなということが、明らかな方もいます。

蒔苗先生 書けないとマイナス20点ですからね。学校説明会でも祈るような気持ちで、「作文は最後まで書いてください」と伝えています。その子のいいところを、いくらくみ取ろうとしても、書いていなければくみ取れませんからね。

不二聖心女子学院中学校 先生

「入試問題は生徒の心に残る」

入学後に、この問題を振り返るなど、活用していますか。

蒔苗先生 この問題を題材にすることはまずないですね。ただ、定番の問題なので、折々で話題になることはあります。

作石先生 高校生になって、「そういえばこんな問題が出たよね」と言い出すことはありますね。そこで「どんなふうに答えたの?」などと、話すことはあります。

蒔苗先生 そういう機会を通して、入試問題は生徒の心に残っているものなのだということを、改めて感じました。

20年の間に、一度だけ失敗したと思っていることがあります。それは、ポール・フライシュマンの「種をまく人」という作品を使用した時に、純粋な作文ではなく、創作する問題にしたのです。

作石先生 登場人物が何か話した。その会話の部分が抜けていて、「どのような話をしたのかを、想像して書きなさい」という問いを出したのですが、それは失敗でした。

蒔苗先生 こちらとしては、少しひねったつもりでしたが、入試対策をしてきた力を発揮しきれなかった受験生もいたようで、気の毒なことをしました。

「過去に一度だけ問題をひねったが、元にもどした」

蒔苗先生 僕は、授業で「素顔同盟」という作品をやる時に、必ず最後に主人公のその後を創作させます。その時に、その入試の話が、当時はよく出ましたね。

失敗というのは、書けない子が多かったということですか。

蒔苗先生 いえ、自分の体験を書く練習をしてきた子どもにとって、問題をひねったがために、「十分に学びの成果を発揮することができなかった」という想いをもって受験を終えた子どもがいたのではないかなということです。作った時は、いい問題ができたと思ったんですけどね。

採点されている時に、失敗したと思われたのですか?

作石先生 やや解答にとまどったかなという感触はありましたが、それほど感じませんでした。

蒔苗先生 入学した生徒から感想を聞いて、悪いことをしたかなと思いました。体験に限って出題しているわけではないのですが、あそこまで創作的な要素が色濃く入った問題を出したのは、その時だけですね。

不二聖心女子学院中学校

インタビュー 1/3

不二聖心女子学院中学校

不二聖心女子学院中学校1920(大正9)年に岩下清周によって創立された温情舎小学校が前身。1945(昭和20)年、聖マグダレナ・ソフィア・バラが1801年に創立したカトリックの女子修道会「聖心会」に経営移管され、1953(昭和28)年に高校が開校。1957年に現校名へ改称。

学校を一つの家庭と見なし、キリスト教的価値観に基づいた心の育成を目指す。日々の祈り、宗教の授業や、クリスマスなどの宗教行事を通して、生徒たちは祈りの心、温かな人間観を身につけ、見えないものへの価値に目を開いていく。一方で、世間ではおとなしい生徒が多いと思われがちだが、掃除をするときロッカーを動かしたり、課外授業ではテントを張ったりと、たくましいところも見受けられる。また、新入生1人に高校3年生の生徒がついて学校生活を手助けする「エンジェル制度」は、家庭的な同校ならではの制度。

富士山の裾野に位置し、木々が茂る森があるなど自然に恵まれた学習環境にある。聖堂や校舎はフランス風で、各々に聖人の名が付けられ、広い敷地にゆったりと配置されている。マリア館には図書館や美術教室などがある。生徒用コンピュータは、図書館でも利用できる。校内LAN、体育館の完成に続き、2002年に新しい寄宿舎寝室棟が完成した。

英語の徹底重視が特色。中学では毎日英語の授業があり、習熟度別のクラス編成を取り入れている。英語が得意でない生徒には補習を積極的に行い、特に中学では基礎力の定着を徹底している。またスピーチコンテストなどを通して「使える英語」を身につけることを目指す。

自主的な研究活動も重視され、中学1年で学年研究、中学2年でグループ研究、中学3年では個人で卒業研究をまとめる。中学2年生からは英語・数学で習熟度別授業を実施。補習は英語・数学を中心に、その他の教科でも放課後や長期休暇を利用して中学から適宜行われている。併設の聖心女子大へは例年約60%が進学。現役合格率は90%以上で、早慶上智大など全国の難関大学に幅広く合格している。

国際理解教育も重視し、マルタ、アメリカ、韓国、台湾、フィリピン、タイ、カンボジア、の体験学習も活発。世界に広がる聖心のネットワークを生かして、アメリカ、カナダ、スコットランド、ニュージーランドへの1年間の姉妹校留学制度もスタート。2018年からは高校2年生全員が聖心の創立の地フランスを訪れる「ルーツへの旅」が始まる。伝統的な奉仕活動、国際理解教育、環境学習が評価され2012年にユネスコ・スクールに認定された。

クリスマスキャロル、奉仕の日、祈りの会などの宗教的な行事を通して、誠実に生きる喜びを体験する。老人ホームの慰問や駅の清掃などを行う奉仕活動も活発。寄宿舎では180名近い生徒が、中1~高2までの縦割りの4グループと高3の1グループの計5グループで生活している。互助の精神のもと家庭的な雰囲気があり、また規則正しい共同生活を通して、自分で考え自分の責任で行動する自律心を養うことができる。

週5日制なので、週末には自宅に帰省。体育大会、秋のつどい、自然教室、弁論大会、音楽鑑賞会など、学校行事も盛ん。

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