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出題校にインタビュー!

2013年 富士見中学校【社会】

富士見中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.今の学びが教養として将来に続くものだと教えたい

「予想外の質問や反論が生徒を鍛える」

三浦先生 考えさせる際は、なるべく身近なものに引きつけるように意識しています。公民ならば現代の論争的なテーマを取り上げて、それがなぜ今議論されているのか、生徒たちとどうつながっているのかを説明し、「どう思う?」と投げかけて意見を求めます。半ば強制的に考える環境にすることで徐々に自分で考えるようになっていきます。

中3ではディベートに取り組みます。「ディベートとは何か」について1時間、準備に2時間かけて、本番のディベート(2時間)に備えます。最近では、原子力発電所の是非や電子図書の是非について議論しました。本格的なディベートの前に、3人1組で審判と肯定と否定に分かれて、“予行練習”として「マイクロディベート」を行います。必ず1度は肯定か否定のどちらかの立場で意見を述べるのがルールで、死刑制度の是非や少年法改正の是非をテーマにしました。

ディベートは主張立論を述べるだけでなく、質疑や反駁をしなければなりません。事前準備ができる主張立論はとてもよくできるのですが、そのあとの質疑と反駁で往々にして崩れます。でも、そこにこそ学びがあります。生徒は予想外の質問や反論を受けて「いろいろなことに気づけた」と言います。予想以上に楽しそうに取り組んでくれて、「またやりたい」とリクエストされています。中には「先生はそう言いますが、こういう見方もできませんか」と自分の意見を述べる生徒もいます。いろいろな見方をしようとする意欲は、ディベートの成果ではないかと思います。

富士見中学校 先生

「現場には机上の勉強以上のインパクトがある」

三浦先生 情報化が進んだ現代では知ろうと思えばいろいろな手段があるので、昔に比べて知っていること自体の価値が低くなっているのではないか。ならば、知っていることから考えを広げたり、自分の意見をまとめることが必要になると思います。その際、情報を鵜呑みにせずに批判的な見方ができるようになってほしい。高校生には、「私が話したこととは別の見方があるかもしれないから、遠慮せずに言ってほしい」と話しています。

個人的には現場に足を運んでほしいですね。現場には机上の勉強以上のインパクトがあります。私自身、学生時代に海外に長期滞在したときのことなど、現地で見聞きしたことは強烈な印象で残っています。私の体験談を生徒はおもしろがって聞いてくれます。“疑似体験”になっているのかもしれませんね。

日頃の生活空間から離れて考える機会を提供しようと、学校の沿線にある国立ハンセン病資料館に興味のある生徒を募って見学したり、夏休みには希望者対象の「東日本大震災復興支援ボランティアツアー」を企画しました。在学中から現場に触れることで、「現場に行こう」という気持ちを育めたらと思います。

「国公立大学受験対策で文理選択は高1から高2へシフト」

三浦先生 私は現在高2の担任ですが、海外への関心が非常に高い。進路先に国際系志望が増えていますし、大学に入学したら大学の留学制度を利用したいという生徒もかなりいます。高校の希望者対象の海外研修もありますが、自分で研修先を見つけてくる生徒もいます。

藤川先生 私は高3の担任ですが、今年度は例年より国公立志望が多いですね。国公立志望だけのクラスができたことで、クラス全体が「最後まで頑張ろう」という雰囲気になっています。今の中3から文理の選択を高1から高2にシフトするので、国公立大学受験にも対応しやすくなると思います。

早慶の合格者が増えるなど、このところ進学実績を上げていますね。

藤川先生 生徒が頑張ってくれています。わからないことがあれば教員を頼りなさいと学校全体でバックアップしている成果ではないかと思います。2014年の大学入試は高3が「最後のゆとり世代」ということでいつも以上に浪人を避けたいだろうから、みんな安全志向が強いと予想されます。ならば逆に本校は強気で受験校を選択しようと生徒を後押ししています。

富士見中学校

「覚えるだけが学びではないと伝え続ける」

「社会科は暗記科目ではない」とよく言われますが、それでも暗記に走ってしまう子どもがいます。小学校から中学へ、学びをうまく橋渡ししたいのですが・・・。

三浦先生 覚えることも大事だけれど、覚えるだけではないことを言い続けてほしいですね。「今勉強していることは一部であって全部ではない」と言い続けることで、中学に入学したときに、「そういえば、社会科は暗記だけじゃなかったっけ」と思い出してくれるとこちらもやりやすいですね。同じことは高3にも言えます。大学入試直前は覚えることに終始しますが、大学の学びはそういうものではないとあらかじめ念を押すことで、入学後の切り替えがうまくいくのではないかと思います。

「社会科と他の教科をつなげて教養として蓄える」

藤川先生 暗記科目にしないためには、教員が社会科の魅力を伝えることも大事です。どうすれば生徒は話を聞いてくれるか。自分の学生時代を振り返ると、その教科が本当に好きなんだなとわかる教員の話はよく聞いていました。私も「おもしろいから聞かないともったいないよ」と熱意を持って授業するようにしています。

それが教科を超えてつながり、教養として蓄えられるとなおいいですね。例えば、中国史の授業で杜甫の「国破れて山河在り・・・」の漢詩の情景を伝えたり、ドイツ史の授業でドイツ語と英語を比較するなど、かなり意識していろいろな教科につなげて説明しています。そうすることで、もっと知りたい、調べてみようと、次の行動が能動的になるのではないでしょうか。

授業だけでは伝えきれないことが多々あります。卒業して社会人になったときに、「あのとき学んだことはこういうことだったんだ」と気づいてくれたら、それで教えた甲斐があります。その場の学習で終わりではなく、将来に続くものを伝えられたらと思っています。

入試広報副部長/藤川 建先生

入試広報副部長/藤川 建先生

インタビュー 3/3

富士見中学校

富士見中学校1924(大正13)年に富士見高等女学校として発足。40(昭和15)年に財団法人山崎学園が経営を引き継ぎ、47(昭和22)年に富士見中学校、48(昭和23)年に高等学校を設立。山崎学園は、山種グループの総帥・山崎種二(初代理事長)が教育事業に進出するために設立し、以来、設備・施設面などに大きなバックアップがある。

「純真・勤勉・着実」を建学の精神とし、「良識ある判断力、自主・自律の精神、協調・連帯の精神」を持つ国際的な現代女性の育成を目指している。大学現役合格を目指す進学校として、基本は勉強に置くが、進学実績だけでなく生徒の個性と可能性を伸ばすことを重視し、一人ひとりの生徒を大切にする。教育=人間として、生徒と教師の信頼関係も厚く、自由でのびのびとした雰囲気がある。休み時間の廊下では、いたる所で先生を囲んだミニ補習をする姿が見られる。

住宅地に囲まれ静かな環境にある。現在の校地には、中高校舎、2つの体育館のほか地下温水プール、LL教室、学習ホールなどを備えた50周年記念館、550名収容の山崎記念講堂、マナー講座や百人一首なども行われる茶室・和室などがある。各教室は冷暖房完備で最新のコンピュータルームも完成。一流絵画が校内に飾られ、情操教育に役立っている。校外運動場や山の家など校外施設もある。

6年後を見据え、学校の勉強だけで希望大学へ進学できるように組まれているカリキュラム。高1までは全教科を幅広く学習。教科によって学習速度を早めた先取り授業を行い、中3で高校課程に入る数学、英語は2クラス3分割の習熟度別授業を行う。また、中3では、調べ学習の集大成として卒業研究をまとめる。授業では各教科の先生によるオリジナルのテキストを使用。あえて特進コースを作らず、高校は文系・理系の2コース制で、国公立大学・難関大学にも対応。さらに、選択制による授業に加え、放課後や夏期・冬期の講習、朝に行う週1回の英語、国語の小テスト、放課後の英会話講座、予習・復習のサポートなどバックアップ体制も充実。

自主性が重んじられ、校則は常識的な範囲。生徒会活動やクラブ活動が活発。中1のクラブ活動参加率は100%。また、全ての教員がクラブ顧問を務めている。ダンス部は全国大会、演劇部は関東大会などで活躍。フットサル部もある。

沖縄体験学習、ホームステイ、ボランティアなど、体験学習を重視。中1から進路指導を開始し、中2では「職業調べ」、中3~高3では大学の各学部の教授の講義を体験する「模擬授業ウィーク」なども行う。他にも、文化祭、校内競技大会、林間学校、スキー教室、また山崎記念講堂で狂言、京劇、音楽などの鑑賞会、合唱大会、弁論大会などがある。体育祭でのマスゲームや高3の創作ダンス「扇の舞」は圧巻。教師や生徒同士の協力のなかで、交流を深め、体を鍛えることに役立っている。高1の希望者には、夏休みにアメリカとオーストラリアでのホームステイがある。高校の制服はブレザー。

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