中学受験-小学生のための中学受験塾。日能研

シカクいアタマをマルくする。

タイトル一覧へ

出題校にインタビュー!

2013年 富士見中学校【社会】

富士見中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1.「食料自給率とは何か」今一度考えてみよう

「議論の前提を疑う姿勢をもとう」

三浦先生 当たり前と思われている事柄に疑問をもってもらいたい、これがこの問題の大きなねらいです。受験生は食料自給率が低いことや、「食料自給率を何とか上げなければならない」という議論があることは知っているでしょう。ただ、その議論の前提となっている食料自給率とは何かということを、今一度きちんと考えてもらおうと思いました。

とかく「食料自給率を上げるべき」という議論になりがちですが、この問題からそれがそう簡単ではないことや、自給率が高いからといって安全・安心とは限らないことが少しでもわかってくれたらと思います。

社会科/三浦 佳奈先生

社会科/三浦 佳奈先生

「知らずに主観的な知識で学ぶ危うさに『待った』をかけたい」

三浦先生 社会科の学習の際に資料集を用いていると思います。しかし、そもそもその資料は「何に」もとづいて作成されたのかについて気にかけてほしいですね。世の中にある資料は誰かが意図して作成したものです。データが並んでいて一見客観的なようでも、主観的な要素が多分にあると疑うべきでしょう。

そのよい例が世界地図です。どこを世界の中心にして描いているか、領土範囲や地名もどれも同じわけではなく、かなり主観的だとわかります。この問題を出題したのは、私が常々、そうした主観的な知識で学ぶことの危うさに「待った」をかけたかったこともあります。

「算出方法を踏まえて解答できているか」

三浦先生 正答率は全体で17.7%、合格者でも26.6%でした。正答率は低かったですが、この問題をきっかけに、食料自給率についてそれまでとは違う見方ができるようになればと思います。

採点で重視したのは、出題の意図に沿って聞かれたことにきちんと答えているかどうかです。「穀物自給率の算出方法から考えられる理由」を聞いているので、何かしら算出方法に触れていないと点数をあげられません。

受験生が答えやすいように、問い方についてはかなり議論を重ねたのですが・・・。答案を見ると算出方法を踏まえていないものが目立ちました。例えば、「消費量がそもそも少ないから、自給率が高くなってしまう」と書かれていれば、算出方法に触れていることがわかりますが、「国内の消費量が少ないから」というだけでは判断できません。

説明不足になってしまったのは、「しっかり読んで理解する」ところまで至らなかったためでしょう。問題の意図まできちんととらえる読解力が正誤を分けるポイントと言えます。入試は緊張や焦りがあると思いますが、まずは問題文を冷静に読んで問われている内容を理解しましょう。

富士見中学校 先生

「相手に伝わらない答え方が目立った」

三浦先生 出題者の私が採点をしたので、「こういうことが言いたいのだろうな」ということはくみ取ってあげられますが、そうではない相手には伝わらない答え方が結構ありました。国語の問題ではないので表現は拙くても構いませんが、「他者に伝える」ことを意識して記述してほしいですね。

自分ではわかっているのだろうけれど、説明不足で点数があげられなかった“惜しい解答”が多かったため、結果的に正答率は低くなりました。ただ、全くの見当違いや無答は少なかったので、受験生は正答率ほどわからなかったわけではないととらえています。

「他人事ではなく『自分だったら』と想像する」

三浦先生 採点していて気になったのが、「バングラデシュは穀物の国内消費量が少ないから、生産量も少なくてすむ」という答案です。これは、「バングラデシュの人たちは食べる量が少ないから、それに合わせてたくさん生産しなくてもよく、だから自給率も高くなる」と受け取れます。

分母も分子も小さいから割合が高くなるという考え方は間違ってはいませんが、「生産量が少なくてすむ」という記述が引っかかりました。問題文には、「バングラデシュはアジアの中で最も貧しい国のひとつであり、十分に食べられない人がたくさんいる国」とあります。生産量が少ないから十分に食べられないのです。「生産量が少なくてすむ」というとらえ方は他人事のようだと感じました。

社会科では、物事を自分のこととして考える姿勢を大切にしています。世の中の問題を考えるときは、「自分だったらどうだろう」と自分に落とし込むと考えやすくなります。入学後は自分の問題としてとらえられる想像力を養いたいと思っています。

富士見中学校

インタビュー 1/3

富士見中学校

富士見中学校1924(大正13)年に富士見高等女学校として発足。40(昭和15)年に財団法人山崎学園が経営を引き継ぎ、47(昭和22)年に富士見中学校、48(昭和23)年に高等学校を設立。山崎学園は、山種グループの総帥・山崎種二(初代理事長)が教育事業に進出するために設立し、以来、設備・施設面などに大きなバックアップがある。

「純真・勤勉・着実」を建学の精神とし、「良識ある判断力、自主・自律の精神、協調・連帯の精神」を持つ国際的な現代女性の育成を目指している。大学現役合格を目指す進学校として、基本は勉強に置くが、進学実績だけでなく生徒の個性と可能性を伸ばすことを重視し、一人ひとりの生徒を大切にする。教育=人間として、生徒と教師の信頼関係も厚く、自由でのびのびとした雰囲気がある。休み時間の廊下では、いたる所で先生を囲んだミニ補習をする姿が見られる。

住宅地に囲まれ静かな環境にある。現在の校地には、中高校舎、2つの体育館のほか地下温水プール、LL教室、学習ホールなどを備えた50周年記念館、550名収容の山崎記念講堂、マナー講座や百人一首なども行われる茶室・和室などがある。各教室は冷暖房完備で最新のコンピュータルームも完成。一流絵画が校内に飾られ、情操教育に役立っている。校外運動場や山の家など校外施設もある。

6年後を見据え、学校の勉強だけで希望大学へ進学できるように組まれているカリキュラム。高1までは全教科を幅広く学習。教科によって学習速度を早めた先取り授業を行い、中3で高校課程に入る数学、英語は2クラス3分割の習熟度別授業を行う。また、中3では、調べ学習の集大成として卒業研究をまとめる。授業では各教科の先生によるオリジナルのテキストを使用。あえて特進コースを作らず、高校は文系・理系の2コース制で、国公立大学・難関大学にも対応。さらに、選択制による授業に加え、放課後や夏期・冬期の講習、朝に行う週1回の英語、国語の小テスト、放課後の英会話講座、予習・復習のサポートなどバックアップ体制も充実。

自主性が重んじられ、校則は常識的な範囲。生徒会活動やクラブ活動が活発。中1のクラブ活動参加率は100%。また、全ての教員がクラブ顧問を務めている。ダンス部は全国大会、演劇部は関東大会などで活躍。フットサル部もある。

沖縄体験学習、ホームステイ、ボランティアなど、体験学習を重視。中1から進路指導を開始し、中2では「職業調べ」、中3~高3では大学の各学部の教授の講義を体験する「模擬授業ウィーク」なども行う。他にも、文化祭、校内競技大会、林間学校、スキー教室、また山崎記念講堂で狂言、京劇、音楽などの鑑賞会、合唱大会、弁論大会などがある。体育祭でのマスゲームや高3の創作ダンス「扇の舞」は圧巻。教師や生徒同士の協力のなかで、交流を深め、体を鍛えることに役立っている。高1の希望者には、夏休みにアメリカとオーストラリアでのホームステイがある。高校の制服はブレザー。

PageTop

© NICHINOKEN