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出題校にインタビュー!

2013年 湘南白百合学園中学校【国語】

湘南白百合学園中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.私たちが求めているのは、シャープで柔軟な読解力。繰り返し読むことで、その力を鍛えよう。

「読書百遍意自ずから通ずる」

柳先生 生徒に聞くと、国語の復習をやっている子が少ないんですよ。模擬試験の後、振り返りをしていても、答えを写しただけ。「それではダメだ」と言っています。子どもは試験になると時間に追われるので、実は文章をきちんと読んでいません。だから「もう一度、しっかり文章を読みなさい」と言っています。問いは二度と出ないから、問いはやらなくても良いのです。でも、文章は選ばれたものだから、お父さん、お母さんも一緒に読んで、ここに何が書いてあるか。どういう意味で書いてあるのか。それを読み取ることが、読解力の向上につながります。

「読書百遍意自ずから通ずる」というように、同じ文章を何度も読むことで、文章の流れを体で覚えることができます。ここは歩くのか、休むのか、駆けるのか・・・。それを察知する能力は勘のようなものなので、本を読むことでしか身につきません。

湘南白百合学園中学校

「大学入試対策も、読むことに主眼を置いている」

柳先生 私の高3の授業でも、読ませることを大事にしています。過去問題を解く際にも、「それは何を指しますか」といった伏線となる問いを自分で作り、まずは速読させて、その問いに答えさせます。問いに答えることで、2度、問題文を読むことになります。その上で、「もう一度、問題文を読んで、問題を解いて」と言うと、試験の問題を3度読むことになります。

私の狙いはただそれだけ。自分で作るプリントに、大事なところを聞く問いを入れておくと、本題でもそこを聞かれるので、いつの間にか「ここが答えかな」と気づくようになります。こうして体で覚えさせていくと伸びますよね。チャイムが鳴ると、わざと来週に持ち越して、もう一回読ませます。読むことが苦手でなくなれば、できるようになると思っています。

「小説では、胸が震える体験が大事」

柳先生 優れた作品は、筆者の主張とは無関係に胸を震わせてくれるので、それを経験することも大事です。小説にも、小説家のロジックがあり、高2、高3で学ぶ森鴎外や夏目漱石らの作品では、作家の哲学や思想にも踏み込みますが、中学生の段階では、小説を読むことにより、自分の心が揺れ動く体験をすることが大事です。登場人物の気持ちに触れることにより、感情が豊かになります。語彙も豊かになります。それが字数の少ない詩や、短歌、俳句になると、胸を震わせることができる子は限られますが、さらに深い体験ができます。詩、短歌、俳句はわかりにくいから、その分、感動も大きい。文学作品というのはそういうものだと思います。

以前、国語といえば8割が文学でしたが、学習指導要領がどんどん変わり、今は日本語を教えることに重きを置いています。それは悪いことではないと思いますが、文学的文章に触れる機会は減ってきています。本校では、高3は評論なので、高2で山月記、こころ、舞姫までやります。

教頭/柳 宣宏先生

教頭/柳 宣宏先生

「入学後も、論理を理解し、表現する力を磨く」

柳先生 国立大学の入試では、書く力も求められます。これは添削しないと伸びないので、やります。

2012年の入試では、筆者の主張を書かせる問題を出していましたよね。「自分が存在することに感謝すべきだ」という内容の文章でした。

柳先生 あれはエッセイで、スパイラルのように表現を変えていく文章でした。筆者の主張がわかったかどうかを聞きたくて書かせたと思います。本文の中にヒントがあるんですよね。当たり前のことへの「ありがとう」に注目させたくて、何かをしてもらった時の「ありがとう」と比較させました。まさに、そこだけ聞けばいいという問題でしたね。

「入試問題」と「授業」と「育てたい生徒像」は一本の線で結ばれていて、授業でも日本語で書かれた論理を、自身が持っている日本語の語彙で理解して、表現することを重視しています。読解をして、単元の最後は書かせて締める。それを中1から当たり前のようにやることで、書くことにも抵抗がなくなります。

「中1から3年間、添削作文を実施」

柳先生 中学では3年間、400字、600字程度の作文を書かせて、添削するという取り組みもしています。3学年で500〜600人いますから、添削は国語科の教員全員で行います。

各学年の国語担当が書き方指導を行い、題を与え、プロットを立てさせ、おおまかなものを書かせて、それに目を通した上で、きちんとした文章を書かせます。書くことが嫌にならないよう、訂正するのは2カ所まで。必ず一つはほめるということも申し合わせの一つ。誰が見たかというハンコを押して返してあげます。

この取り組みは4、5年続いていて、国語科では書くことが当たり前になっています。私は中学生に限らず、高校生も良い作品はプリントして配っていますが、若い先生の中には、教室に常設しているプロジェクタを活用し、その場で良い作品を見せている人もいます。

湘南白百合学園中学校

「読解力と表現力が身についている手応えはある」

柳先生 慶應大学の入試では、必ず小論文が出ますよね。推薦入試にも、小論文はつきものですから、実利的にも必要なのです。生徒は個人的に添削してもらいたいから、「普段から書かないと添削しないよ」と言うと、一生懸命取り組みます。

職員室の前に各教員の引き出しを設けていて、生徒はそこに先生に見てもらいたいものを入れるんです。「先生、入れておくから見て」という声はかけてもらいますが、生徒は自分の都合のいい時に入れておく。こちらはそれを見て、個人的に返すか、担任を通して返すか。そんなことも日常的ですね。

6年間の国語科教育の成果はいかがですか。手応えはありますか。

柳先生 国語も数学も、力を伸ばす早道はありません。それに早く気づかせて、国語だったら「自分の力で読みなさい。私は今、解説をしているけど、受験では一人だよ」と言っています。「横に私はいないから。1学期のうちに(私の)言っていることはよくわかってね。2学期には私がいなくても走れるようにしてね」と言っていて、大半の生徒がコツをつかんでくれます。そういう意味では力を身につけている手応えはあります。

「国語の基本は、きちんと読み取ること」

国語が苦手な子は、読むことが苦手なんですね。

柳先生 そう、読むことが苦手、嫌い。ただ、女の子は言えばやります。男子校の国語の先生に聞くと、それをさせるのは難しいようですが・・・。

本校の生徒が、慣れるまで嫌いなのはセンター試験です。解くコツがあるんですよね。それを最後に教えてあげると、一気に精度が上がりますが、それは国語ではありません。だからセンター対策は最後までやらないで、国立大学の読解をさせます。国立の読解は全部記述なので、問題文を読み、理解しなければ解けませんが、各段落の要点を聞くので、それがわかれば正解できます。そうした力を身につけた上で、センター試験対策へ進み、最後にちょっとしたコツを教えると、精度が一気に上がります。最初からセンターをやっても力はつかないので。きちんと読み取ることが基本。さらに書かせていますから、その積み重ねは大きいですよね。

湘南白百合学園中学校

「宗教や音楽も国語力を磨く一端になっている」

柳先生 また、ミッションスクールは聖書を使います。あれほど印象深い言葉のつまっている世界はありません。たとえ話、比喩も含めて、それが実生活のどんな役に立つのかということを、子どもたちは知らず知らずに読んで、学んでいる。それも非常に大きな力になっていると思います。音楽でも、ラテン語の宗教曲に必ず取り組みます。音楽コンクール(合唱)も盛んです。中1から高3までラテン語のミサ曲を課題曲として歌いますから、歌詞の解釈も、ムキになってやっています。そういう日常的な環境も、悪くないなと思います。

インタビュー 3/3

湘南白百合学園中学校

湘南白百合学園中学校1936(昭和11)年、フランスのシャルトル聖パウロ修道女会が創設した幼稚園が前身。全国に7つの姉妹校がある。カトリック精神に根ざした世界観・道徳的信念を養い、神のみ前に誠実に生き、人としての品位を重んじ、愛の心をもって社会に奉仕できる「サーバント・リーダー」の育成を目指しています。白百合の花にちなんだ校名と校章は、聖母マリアの清純さ、優しさ、凜とした強さを象徴しています。

温かい校風で、日々の学習や学校生活にまじめに取り組み、礼儀正しく活発な生徒が多い。豊かな心を育てるため、宗教や音楽教育に力を注いでいます。生徒全員がラテン語でミサ曲を歌う「音楽コンクール」もあります。

併設大学への進学者は少数で、東京大学をはじめとした難関大学・上位大学への進学実績は堅調。近年は医学部への進学者が増えています。

英語教育のレベルが高く、中学では『プログレス21』Book1~3を使用。中学の英語、中3の数学では2クラス3分割の少人数制授業や、習熟度別授業も行っています。総合的な学習の時間では、学年ごとにテーマ学習を実施。中1ではアイマスクの体験や鎌倉の町のバリアフリーの環境・整備について調査。中3では「環境」について、一人ひとりがテーマを決めて調査・実験などを行い、レポートの作成、パワーポイントを使ってのプレゼンテーションも行います。

2011(平成23)年に、創立75周年記念講堂「白百合ホール」が完成。ホールは1200人収容可能で、本格的な舞台設備を備えながら、多目的ホールとして音響設備も充実している。学園記念ミサや、クリスマスミサ、入学式・卒業式などの行事に利用されている。また、講堂内の緞帳とステンドグラスは、生徒の合作によるデザインが採用された作品。白百合の花をモチーフにしたデザインになっている。

クリスマスミサ、中2林間学校、高1研修旅行ではキリスト教ゆかりの地である長崎での平和学習など、生徒の成長のための多様な体験を設定しています。クラブ活動では、英語部のほかにCCF(フランス語サークル)もあります。

制服は中学、高校共にセーラー。

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