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出題校にインタビュー!

2013年 湘南白百合学園中学校【国語】

湘南白百合学園中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.子どもが持つ、本当の力を問いたいから、字数制限なしなど、あらゆる配慮をいとわない。

「物語文では長文を整理し、理解した上で、書く力を問う」

2013年入試の物語文では、最後の問題で主人公の考えが、出来事を通してどのように変化したかを100字で書かせていますよね。

柳先生 この問題は、うちの典型的なパターンです。一つの出来事ではなく、いろいろな出来事がありますよね。それを通して主人公の考えは変化しているので、答えを導き出すには、長い文章の中から拾って、まとめる力が求められます。そして、たくさん書かせる。20字、30字で書かせる問題をいくつか出すよりも、80字、100字で書かせる問題を1問出して、文章が書けるかどうかを見ようということですね。物語文の最後の問題には、長い文章を整理し、理解した上で、書けるか、という意図があります。

教頭/柳 宣宏先生

教頭/柳 宣宏先生

「力のある子がほしい。だから問題に工夫」

説明文でも書かせていますが、こちらは字数制限がないんですよね。広めの解答欄が設定されているだけでした。

柳先生 字数を制限すると、(合わせるために)時間がかかるじゃないですか。書いてもらいたいので、毎年1題は字数を制限していません。「(3)(4)段落をよく読んで」と条件をつけたのも、時間を配慮してのこと。(3)(4)段落に絞れば自ずと見えてきますし、解答用紙にこれだけのスペースがあれば十分書けると思いました。

力のある子がほしいですよね。それを見極めたいので、ずっと、書かせる問題を出していますし、物語文では何らかの変化を問うています。また、書いてもらわなければ、力は見極められませんから、時間が足りなくて答えられないということが、できるだけないように問題を推敲しています。

「本校の入試対策は、東大入試にもつながる力になる」

この問題は、説明文の中心の部分をきちんととらえられるかどうかということですよね。

柳先生 筆者が最も言いたいことを、どんな形でもいいから問うということも、こだわっていることの一つです。それをしなければ、問題文に取りあげた意味がありませんからね。課題文の真髄に当たる部分を聞く。できれば、記述で聞くという出題方針に添う問題を作るためには、文章をしっかりと読み込まなければならないので、私たちの読解力は上がってきていると思いますね。

その問題までに、中心へ導くための問題が並ぶという印象があります。

柳先生 そうです。問題文や、答えの導き出し方は毎回変わりますが、段落の構成に従って小問を置きますから。(1)がわかり、(2)がわかり、(3)がわかったら、この文章全体で言いたいことがわかると思います。時にはそこから外れる問題があったとしても、大きく踏み外したり、一番肝心な問いをいいかげんな選択肢でごまかしたり、ということはしませんから。そのように本校の入試を分析して、対応力が身につくよう教えていただけるのであれば、こんなに助かることはありません。身についた力は、そのまま東大入試に使えます。

湘南白百合学園中学校

「東大入試と同じ問題形式」

柳先生 東大の入試はすべて書かせる問題です。問1あたりで言葉の定義をしておき、それを踏まえて、問2で起承転結の「承」に行き、問3、4で核心をついてくる・・・。わかっていても、毎年苦しい。きちんと読まなければできない問題なんですよね。例えば「脳死」がテーマであれば、「私は脳死をこう考える」と示し、それを踏まえて、問いに答えさせる。脳死を本当に人の死と認めて良いのかどうかを考えさせる、とか。

そこまでいかないまでも、きちんとした文章を選べば、本校の入試問題も東大と同じように、論理の展開を追いかけていけば点数を取れる問題になっていると思います。

「問題文へのこだわりは、小6にとって知らないことを述べているかどうか」

それはどうしてですか?今年の文章もおもしろいですよね。人生、いろいろなことが起こるから、身近ではないところに手を出そうよという内容でした。

柳先生 本校に入学するのには「このテーマが大事だよ」というメッセージではないんです。目の前にある問題文以外の情報により、この問題文は5割、6割理解できるよというものは取り上げません。この問題文を読むことによって初めて見えてくる知見。小6では、おそらくこの知見は知らないだろうというものを選んでいます。

今年の川上未映子さんの作品も「読書は素晴らしい」という頭で読んでいったら解けないのです。「読書は冒険だぜ。世の中は筋書きどおりにはいかない。ころころ変わる。」それを読書経験に置き換えて述べています。

本棚の前に目をつぶって立ち、本を指してごらんとは、絶対に学校の先生は言わないでしょう。それが、この文章を選んだポイントです。「あっ、先生が言っていたことだ」というような、既知のことだと読解力を試せないんですよ。テキストの中にある情報を、あなたは理解したか、と。そこを問いたいので、文章を探すのが大変なのです。

教頭/柳 宣宏先生

教頭/柳 宣宏先生

「筆者の主張を問う。それが国語の経験になる」

2011年の入試問題も、「ありのままの世界を見ることは、実はできない」という内容でした。これも子どもたちにとっては「エーッ」という驚きがあったのではないかと思います。

柳先生 そうでしょうね。ありのままの世界を見ることができないというのは、科学的知見からいえば本流ですが、子どもに対してそういうことを皆、言いませんから。「本当はこうだぜ」と教えてくれる文章を、子どもが読み取れる範囲で探してくるのが、本当に大変なのです。

哲学の話ですからね。

柳先生 国語科でも「これを小6が理解できるか」が議論になりますが、きちんと問いを設定して、読む時間を与えればできると思うんですよね。子どもだからといって、この辺りの答えでいいというのはあり得ません。その作品のもっともいいところを聞かなければいけない。それが国語を理解するという経験になるので、聞かないのは失礼だというのが私の考えです。

「新しい知見を示した文章でこそ、読解力を問える」

柳先生 自然科学系の「チョウはなぜ飛ぶか」という作品から出したことがあります。モンシロチョウはこの道しか通らないというのは理科の知識ですが、作者の日高敏隆さんはそれを抽象化して、生き物はみんな自分にふさわしいものの見方しかしていない。環世界しかないんだと言っています。その作品を持っていった時に、「環世界は高校生でもわからない」と言うので、「ここでわかればいい」と言いました。この文章は、それがわかるように書いてある。そこまでのものでないと、理科の知識で解けてしまいます。それでは国語の問題ではありません。新しい知見を示した文章でこそ、本当の意味でのシャープな読解力を問えるし、もし本校を受験する子がそういう力をつけようと勉強してくれれば、初見の文章に対しても勝負できる子どもになるはずです。それが本当の国語力。ロジカルな部分だと思います。

その子がいろいろな情報を知識として持っていて、文章を読んだ時にその知識を生かせる小論文があってもいいと思いますが、少なくとも私たちが目指しているのは新しいことに柔軟に対応できる読解力です。子どもなりに読むことにより、新しい知見が開けた、そういう文章を探すのは大変です。だからこそ私たちもたくさん読んで、勉強しなければいけないと思います。

湘南白百合学園中学校

「読書や考える時間を持ってほしい」

柳先生 既成の知識がなくても良いかというと、そうではありません。やはり、考えるには、核になる知識が必要ですが、たくさんはいらないと思います。山登りでも、初めてのルートを開拓するには、知識をたくさん持っていることよりも、類推力など先へ進むための方法を考えることができる能力が必要です。だから知識を問う問題は少なくて良いですし、やさしい問題で良いと考えています。「時間をとって勉強しなくても良いですよ。それよりも本を読むとか、考えるとか。そういう時間に当ててください」というのが、最初の20点分のメッセージです。

インタビュー 2/3

湘南白百合学園中学校

湘南白百合学園中学校1936(昭和11)年、フランスのシャルトル聖パウロ修道女会が創設した幼稚園が前身。全国に7つの姉妹校がある。カトリック精神に根ざした世界観・道徳的信念を養い、神のみ前に誠実に生き、人としての品位を重んじ、愛の心をもって社会に奉仕できる「サーバント・リーダー」の育成を目指しています。白百合の花にちなんだ校名と校章は、聖母マリアの清純さ、優しさ、凜とした強さを象徴しています。

温かい校風で、日々の学習や学校生活にまじめに取り組み、礼儀正しく活発な生徒が多い。豊かな心を育てるため、宗教や音楽教育に力を注いでいます。生徒全員がラテン語でミサ曲を歌う「音楽コンクール」もあります。

併設大学への進学者は少数で、東京大学をはじめとした難関大学・上位大学への進学実績は堅調。近年は医学部への進学者が増えています。

英語教育のレベルが高く、中学では『プログレス21』Book1~3を使用。中学の英語、中3の数学では2クラス3分割の少人数制授業や、習熟度別授業も行っています。総合的な学習の時間では、学年ごとにテーマ学習を実施。中1ではアイマスクの体験や鎌倉の町のバリアフリーの環境・整備について調査。中3では「環境」について、一人ひとりがテーマを決めて調査・実験などを行い、レポートの作成、パワーポイントを使ってのプレゼンテーションも行います。

2011(平成23)年に、創立75周年記念講堂「白百合ホール」が完成。ホールは1200人収容可能で、本格的な舞台設備を備えながら、多目的ホールとして音響設備も充実している。学園記念ミサや、クリスマスミサ、入学式・卒業式などの行事に利用されている。また、講堂内の緞帳とステンドグラスは、生徒の合作によるデザインが採用された作品。白百合の花をモチーフにしたデザインになっている。

クリスマスミサ、中2林間学校、高1研修旅行ではキリスト教ゆかりの地である長崎での平和学習など、生徒の成長のための多様な体験を設定しています。クラブ活動では、英語部のほかにCCF(フランス語サークル)もあります。

制服は中学、高校共にセーラー。

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