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出題校にインタビュー!

2013年 玉川学園中学部【社会】

玉川学園中学部の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.「まとめ学習」で自分の考えを文章化できる力を養う

「ノートは要点の箇条書きではなく文章を書かせる」

有光先生 ノートは要点の箇条書きではなく文章を書かせています。教員がホワイトボードに板書したことをそのまま写すだけでなく、自分なりに説明をつけ加えて文章化してまとめます。要点を1行で短くまとめることもしますが、1時間の授業をわずか1行でまとめることはできません。振り返ったときに自分の言葉で整理しておくと復習するときに役に立つからと、生徒には文章でまとめることを勧めています。

最初は箇条書きで文章になっていませんが、徐々に自分なりにまとめた文章が書けるようになっていきます。また、必要と思った図や写真を貼り付けて解説を書いたり、要点をマーカーで色分けするなど工夫するようになります。ただしノートに書く事柄は授業で習ったことに限ります。何かをそのまま写すのでは地力がつきません。ノートは月1~2回、定期的にチェックしています。

社会科/有光 正哉先生

社会科/有光 正哉先生

「歴史のプリントまとめは『いつから』始めるかは生徒の判断」

有光先生 こうした普段のノートまとめの応用が、B4用紙1枚に単元の内容をまとめる「プリントまとめ」です。B4用紙1枚という制限の中で要点を取捨選択してまとめる力を鍛えます。授業の中で5時間確保して、生徒にアドバイスする時間を設けています。

歴史の場合、プリントに記してあるのは時間の経過を示す矢印だけで、記入は自由です。切り口も自由で、人物でも、政策でも、宗教でも何でも構いません。自分のこだわりポイントでまとめます。ただし、これも授業で学んだことがベースです。

歴史の場合、「いつから」始めるかは生徒の自由です。そこがまとめ学習のポイントです。鎌倉時代なら、源頼朝が征夷大将軍に任じられた「いい国つくろう鎌倉幕府」の1192年にするか、頼朝が守護や地頭の任命権などを獲得した1185年にするか。それとも、鎌倉幕府がつくられるきっかけとなった保元の乱や平治の乱からスタートするか。その判断に生徒のとらえ方が見えます。

生徒は必ず「(習ったことを)全部入れなければいけないのですか」と聞きますが、入れてもいいし、入れなくてもよいです。ただし、自分が何に着目してまとめたのかが読み手に伝わることが重要です。時系列に沿って書くと自分のこだわりポイントにスペースを割けなくなるので、要素の取捨選択やメリハリをつける構成力も問われます。

玉川学園中学部

「中1・中2で少人数授業を実施」

有光先生 中1のクラス編成は外部生が半数を占めるので、実は授業の運営が難しいです。内部生は小学生からまとめ学習に慣れていますが、外部生は要領がわからず戸惑うことが多いです。そのギャップは1年間でずいぶん埋まっていくように感じます。

内部生と外部生のギャップを埋める施策として、2012年度から試験的に少人数授業を取り入れています。中1と中2を対象に、毎時間、2クラスを単純に3つに分割しています。中2は1クラスだけ正規の人数で授業を行っていますが、成績は少人数クラスと変わりありません。ただ、少人数授業では目が行き届きやすく、まとめ学習で一人ひとりを細かく見てあげられるようになりました。発言の機会も自然と多くなるので、生徒も緊張感を持って授業に臨めるのではないかと思います。

「生徒とのかけ合いの中で答えを導き出す」

有光先生 授業は、「なぜ」「どうして」という生徒とのやり取りを大切にしています。対話をする中で、生徒自身が「なぜ」の答えを見つけていきます。

ときにはたった1つの答えを導き出すのに15分も要することがあります。この前は、元寇のところで、再度の攻撃に対してどう備えるかを予想してもらったところ、「先に攻める」「降伏する」など意見が迷走して、「壁(石塁)を設ける」という目指す答えになかなかたどりつきませんでした。

実際はよじ登れる程度の高さだったと知ると、生徒は「そんなものか」と思いますが、同じような高さの机を見せて、よじ登る動作が必要でそのときに隙が生まれることがわかると、壁を設けたことに納得した様子でした。

石塁の建設にはある程度の年月が必要ですから、御家人たちの負担も大きくなります。そうした元寇の結末に至るまでの過程を知ると、『蒙古襲来絵詞』の竹崎季長の絵が違って見えるでしょう。

授業はあまりドラマチックにはしたくはないのですが、生徒が「かけ合いが楽しい」と思えるような授業にしたいと思っています。

「『この先生のためなら』と生徒に思わせる魅力ある授業を」

有光先生 教える側に慣れが生じると、このくらいはできるだろう、やれるだろうと慢心してしまうので、生徒の能力に頼って授業を進めないように、自戒しながら教えているつもりです。

まとめ学習は、うまくまとめられなかったり、期日までに仕上げられない生徒もいます。私の場合は、たとえ白紙でも期日に必ず提出させます。できないことも含めて、それがその生徒の今の実力だからです。一方、再提出の機会も設けています。そこは中学生という成長過程で大切にしています。

私は人と人とのぶつかり合いが好きですし、そのぶつかり合いの中で答えを導き出すことが何よりの喜びでもあります。人と人とのつながりで授業をしている以上、教科が好きになるかどうかは、担当教員が好きかどうかによるところも大きいと思います。私自身のことを生徒たちに理解してもらいたいし、「この先生のためなら課題をやろう」と思わせられるように、努力していきたいと思っています。

玉川学園中学部

インタビュー 3/3

玉川学園中学部

玉川学園中学部1929年開校。「全人教育」を理念とし、時代と社会の要求に応え、優れた人材を育成する「On Demand Education」を推進。国際理解教育、ICT教育とスーパー・サイエンス・ハイスクールに力を入れている。2006年より幼稚部から12年生(高3)までを1つの学校と考え、発達段階で校舎を分ける(小1~小4、小5~中2、中3~高3)、「K-12一貫教育」をスタート。特に高大連携を図るため、中高のカリキュラムを11.5年(高3前期)で修了し、後期からは大学の単位を取れるようにしている。59万m2の広大なキャンパスには、理科専用のサイテックセンター、アートセンター、学園マルチメディアリソースセンターなどの専門施設が揃っている。

授業ごとに教室を移動する教科教室制。教科学習や芸術、スポーツなどから選び、1年間取り組む「自由研究」の時間があるのも特徴。併設大学内部進学率はおよそ40%。2007年よりIB(国際バカロレア)プログラムを導入。「世界標準の教育」をすることで生徒たちが世の中に出ていく10年後、20年後の社会を想定し、必要な知識、創造力、国際的視野を備え、いかなる困難にも立ち向かう気概を持つ生徒を育んでいく。

また、医・理・工・農学部希望者を対象に理数と英語を重視した「プロアクティブラーニングコース」を設置。音楽・体育・芸術にも力を入れ、幼稚園から大学まで合同で行う体育祭は一大行事。7か国15校の連携校があり、海外研修や留学制度など、国際交流の機会も充実している。

ラグビー部、オーケストラ部、吹奏楽部、サイエンス部などが活躍。デンマーク体操は珍しいクラブ。

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