中学受験-小学生のための中学受験塾。日能研

シカクいアタマをマルくする。

タイトル一覧へ

出題校にインタビュー!

2013年 玉川学園中学部【社会】

玉川学園中学部の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.小学生を教えた経験のある教員が、中学入試の問題を作っている

「小学校の教員も入試問題作成に参加」

有光先生 玉川学園の大きな特長は、小学校から高等学校までを従来の6・3・3制ではなく、4・4・4制で運営していることです。本校は中高一貫というよりも、小中一貫が強いかもしれません。

小5から中2までが一緒に生活し、教員も行き来があります。私も5年間、小学生を受け持ったことで教員としての幅を広げることができました。

小学生は教えれば教えるほど知識を吸収していきます。ただし、小6は1年間で歴史と公民を学ばなければなりません。教える深さと広さの“線引き”を意識しながら教えたことが、中学入試の作問にもとても活かされています。中学の教員が中学入試の問題を作ると、得てして難しくなりがちです。私自身も、小学校で教える前後では問題の質がずいぶん違っているのではないかと思います。

入試検討会には小学校の教員も参加します。実は、一問一答式の問題は小学校の教員が作問しています。これも、玉川学園の大きな特長と言えると思います。

中学入試の問題を見ると、小学校の教科書には絶対に載っていない、どちらかというとセンター試験で扱うような問題を目にすることあります。過去問を解いた子どもたちは、「ここまで覚えなければならないのか」とものすごくプレッシャーを感じて、悩んで相談に来る子どももいます。
貴校の問題は、決して簡単な問題ではありませんが、小学校で習った範囲から出題されているので、自分が学習してきたこととどこかに接点を見つけることができる。その点では安心して受けられると思います。

玉川学園中学部

「2014年入試の一問一答式の出題は歴史分野のみ」

有光先生 本校の入試問題は、大問1が一問一答式で地理・歴史・公民の幅広い知識を求める問題、大問2はいずれかの科目をベースにした問題、大問3はこの問題のように、自分の意見を述べる問題で構成していました。

2014年入試から、一問一答式は歴史分野のみの出題になります。社会科は基本的なことだけでもかなりの量になりますから、歴史のみにすることで受験生も勉強しやすくなるだろうと思います。

この変更に伴い、大問2は地理分野と公民分野を軸にした問題を、大問3は図やグラフ、表から読み取る問題を出題したいと考えています。出題傾向が少し変わりますから、受験生がどのように対応するか、興味深いですね。

「原因と結果がセットになって伝わる文章になる」

有光先生 受験生は本当によく勉強していると思うし、文章記述もよく書けていますが、中には何について述べているのかはっきりしない答案もあります。当たり前のことを聞いているためか、省略してしまう傾向があります。単に「勝ったから権力を握れた」という結論だけでなく、「誰に」勝ったから「どうなって」権力を握れたというように、きちんと筋道を組み立てて書いてもらいたいです。「理由も含めて書きなさい」という設問で、結論は合っているけれど、理由がおざなりになっていることがあります。逆に、理由だけ書いて結論がない答案もあります。普段から「相手に伝える」ことを意識して、正確に書けるように練習しておきましょう。

社会科/有光 正哉先生

社会科/有光 正哉先生

「『私たちにできることは何か』という問いは苦手」

有光先生 入試ではよく「私たちにできることは何ですか」という聞き方もしますが、これは苦手な子どもが多いですね。国として、社会として、学校としてできることは書けるのですが、「私」ということになると意外に書けないものです。

例えば、環境問題で「あなたの」できることを聞いているなら、「歯磨き中に水を出しっぱなしにしない」ということでよいのです。大きな視点でとらえるか、身近な視点でとらえるかは、小学生の段階では厳密には求めませんが、入学後はきちんと使い分けて書けるように指導しています。

「社会科はまず『聞くこと』と『書くこと』が重要」

有光先生 社会科としてまず身につけてほしいのは、「聞く力」と「書く力」です。「話す力」は人前で話す中で失敗を繰り返しながら鍛えられていくものなので、個人差が大きいです。しかし聞く能力、書く能力は、集中して取り組めば、少なくとも話す力よりはレベルアップしやすいと思います。地道な取り組みが必要ですが、これは学習の姿勢としては大切なことではないかと思います。

だからこそ入試問題にも自分の意見を書いてもらっています。答えがどんなにあさっての方向を向いていても、その中に1つでもその受験生らしい考えがあれば部分点をあげます。入試は、落とすための試験ではなく、子どもたちを受け入れるためのものでありたいと、社会科では考えています。

玉川学園中学部

インタビュー 2/3

玉川学園中学部

玉川学園中学部1929年開校。「全人教育」を理念とし、時代と社会の要求に応え、優れた人材を育成する「On Demand Education」を推進。国際理解教育、ICT教育とスーパー・サイエンス・ハイスクールに力を入れている。2006年より幼稚部から12年生(高3)までを1つの学校と考え、発達段階で校舎を分ける(小1~小4、小5~中2、中3~高3)、「K-12一貫教育」をスタート。特に高大連携を図るため、中高のカリキュラムを11.5年(高3前期)で修了し、後期からは大学の単位を取れるようにしている。59万m2の広大なキャンパスには、理科専用のサイテックセンター、アートセンター、学園マルチメディアリソースセンターなどの専門施設が揃っている。

授業ごとに教室を移動する教科教室制。教科学習や芸術、スポーツなどから選び、1年間取り組む「自由研究」の時間があるのも特徴。併設大学内部進学率はおよそ40%。2007年よりIB(国際バカロレア)プログラムを導入。「世界標準の教育」をすることで生徒たちが世の中に出ていく10年後、20年後の社会を想定し、必要な知識、創造力、国際的視野を備え、いかなる困難にも立ち向かう気概を持つ生徒を育んでいく。

また、医・理・工・農学部希望者を対象に理数と英語を重視した「プロアクティブラーニングコース」を設置。音楽・体育・芸術にも力を入れ、幼稚園から大学まで合同で行う体育祭は一大行事。7か国15校の連携校があり、海外研修や留学制度など、国際交流の機会も充実している。

ラグビー部、オーケストラ部、吹奏楽部、サイエンス部などが活躍。デンマーク体操は珍しいクラブ。

PageTop

© NICHINOKEN