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出題校にインタビュー!

2013年 横浜雙葉中学校【国語】

横浜雙葉中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.「良質な作品を読み解く」「自分の想いや考えを表現する」言葉を通じて視野を広げる6年間が待っている。

「小説を読んで、日本文学ならではの言葉を蓄積してきてほしい」

長年、受験生を見られていて、変化は見られますか。

奥村先生 要領がよくなって、抜き出し問題や選択肢問題はよくできていますが、言葉の問題を見た時に、日常使わなくても、ある程度ベーシックな日本文学を読んでいれば知っているはずの言葉が入っていないと感じることがあります。確かに「手折る」「神々しい」などは、小6の女の子が知らなくてもいい言葉かもしれませんが、そういう言葉に敏感で、どこかで耳にした、目にしたというお嬢様がいてくれたら、と思っています。

それは私たちも感じていることですね。(日能研が模試で出題した)「ものみゆさん」「かぐら」なども読めなかったです。

奥村先生 2012年度の入試でも言葉の問題を出しています。例えば「こうこう」とか、「しんしん」とか「みゃくみゃく」などです。このような言葉を出題した意図は、丸暗記ではなく、小説を読んでストックした表現力をはかることにありました。

国語科/奥村 夕里子先生

国語科/奥村 夕里子先生

「入学後は、自分の想いを表現することが求められる」

雙葉には付属小もありますが、入試問題を作問するにあたり、小学校の先生に話を聞いたり、授業を見て参考にしたりということはあるのでしょうか。

鈴木先生 作問するために・・・ということはないのですが、小学校一年生から六年生までどういうカリキュラムで具体的にどのような授業を展開して取り組んでいるのか、という情報交換は大切ですので、そういう機会は設けています。

小学校からの生徒さんと、中学入試を経て入ってきた生徒さんが混ざる上で、授業で工夫されていることはありますか。

奥村先生 雙葉小は文字をたくさん書かせます。とにかく指導が丁寧ですし、自分の想いを表現できるよう、徹底的に鍛えられてきていますから、中1の夏の読書感想文を読むと、どちらの出身者が書いたものかが、分かります。そこからが私たちの仕事と言いますか、読書感想文を読んで、一人ひとりの課題を把握した上で手を入れていきます。

子どもには、知らなかっただけで、スキルさえ手に入れれば表現できる内容がたくさんあります。読書感想文も、あらすじを書いて文字数を埋めればいいと思っていたり、さっさと書いて勉強したかったり・・・・・・。いろいろなお嬢様がいますので、夏が明けてから話しながら想いを引き出してあげるとかゆっくりと焦らず指導しています。

「雙葉には書く機会がたくさんある」

書くというのは、最初は大変な作業ですよね。

奥村先生 大変です。ただ、雙葉に入ると、学級日誌を書くなど、いろいろなところに書く場面があります。

中1の担任が日誌を見た時に、「何々を習いました」で終わっていると、「何をどう感じたの?」と返します。それを書こうと思ったら、自分が発見したことと、感想を書かなければいけませんから、中1の日誌を書くところでまず、雙葉的な言語教育に出会っているのかもしれません。学年が上がるにつれて、日直の感想もB5のノート1ページ分を書けるようになってゆきます。

興味を広げる試みとして、中学の社会科で「新聞をスクラップしましょう」「その感想を書きましょう」というようなことをやっていたり、LHRでリアクションペーパーのようなものも行っているなど、学校全体で書くことを大切にしています。

横浜雙葉中学校

「学校生活に根づいた『瞑目』が、聞く姿勢をつくる」

話すとか、聞くとか。そういうことに関してはいかがでしょうか。

奥村先生 背筋を伸ばして、先生のお顔を見て、きちんとお話を聞きましょうという姿勢が、小学生時代に身についていないお嬢様もいますので、徐々に言い聞かせていくという感じです。

鈴木先生 学校生活は、毎朝、瞑目から始まります。生徒は朝のHRで瞑目をして、先生を待ちますので、それが(聞く姿勢をつくる)きっかけになるかなと思います。授業も瞑目から始まります。

「中学生の頃から、良質な作品に触れる機会をつくっている」

生徒の意欲を引き出す工夫として、貴校らしい取り組みはありますか。

奥村先生 例えば中2では、遠藤周作の「ヴェロニカ」という作品を扱います。とても短い作品ですが、「本当の人間とは」というテーマで、人間の尊さと弱さを考えることができる、とても大切な作品です。授業で扱ったら次に、同じ作家の別の作品を自分で探させて、読んだ感想を読書カードに書かせるということをしています。そのように誘導すると、まだ子どもなので、『海と毒薬』を手に取り、とんでもなく大変な思いをする生徒がいたり、高校生になって勉強する『沈黙』を読んで、本当の意味が分からないままに感動する生徒がいたりするのですが、それもいい経験。

中学生の時に、一つの作品を手に取って、「じゃあそこから、もう一つ増やしてみなさい」という形で、良質な作品に触れさせておくと、たまたま読んだ作品に高校の先生のもとで再び出会った時に、また違った「読み」になります。

教頭/鈴木 幸憲先生

教頭/鈴木 幸憲先生

「読書に力を入れる中学時代」

授業の中で工夫されていることはありますか。

奥村先生 やはり読ませるところがポイントでしょうか。読書カードを作ったり、読書新聞を作ったりして、読書の意欲を高めていく教員もおります。

ただ、冊数をこなせばいいかというと、それには危惧を覚えるので、今年は国語科でおすすめリストを作り、「この中から読んでごらんなさい」ということを始めています。20年前くらいに雙葉に入学した生徒とは、三浦綾子の「塩狩峠」などは共通認識として話ができたのですが、今は正直なところ、それはありません。受験勉強でつけてきた力はあっても、やはり、ある作家の本を一冊読んで、その人の本を他にも何冊か読んで、「三浦綾子ってこんな作家なのだ」というようなところまでいかない状況で入学していますから、それを補うことは心がけています。

「社会への関心を高める高校時代」

鈴木先生 高校生になったら、社会のあり方や、仕組み、自分の生き方などについて、自覚的に向き合えるようになってほしいので、教材(触れる文章)を通して説明するようにしています。例えば「学校というのは教科的な勉強ももちろん教えるけれども、実は黒板に向かうという身体的行為は、前を向いてデスクワークするという、近代化された産業社会の中で必要とされる身体的な一つのトレーニング、隠れたカリキュラムでもあるんだよ」というように。当たり前になっているところに、疑問を換気するスイッチを入れてあげると、「先生、それに関する本はありますか」と聞いてくる生徒はいます。社会に関心をもつ生徒は知的好奇心が旺盛なので、伸びていきます。


横浜雙葉中学校

インタビュー 2/3

横浜雙葉中学校

横浜雙葉中学校1872(明治5)年、創始者である幼きイエス会(旧サンモール修道会)のマザー・マチルドが来日、横浜で教育活動を開始した。1900年に横浜紅蘭女学校を開校。その後、51(昭和26)年に雙葉、58年に横浜雙葉と校名を変更して現在に至る。2000(平成12)年には創立100周年を迎えた。

「徳においては純真に、義務においては堅実に」を校訓に、一人ひとりが自分を積極的に表現し、他の人と心を開いてかかわり、能力や資質を磨いて社会に役立てようとする「開かれた人」の育成を心がける。そのために「開かれた学校」を目指し、21世紀をたくましく生きるための知性と精神を伸ばす教育が行われている。

横浜港を見下ろす中区山手町のなかでも、最も異国情緒あふれる一角に位置する。隣接の修道院跡地に、聖堂・視聴覚室などを備えた高校校舎と特別教室があるが、03年には図書館やITワークショップなど、最新の情報技術やグローバル教育に対応した新校舎が完成。

45分×7時間授業で、主要教科は、男子の難関進学校なみに内容が濃く、進度が速い。特に英語はテキストの『プログレス』を軸に、中1から少人数の週6時間の授業や、外国人教師による英会話の授業など、非常に意欲的。数学は中1から数量と図形に分ける。中3から英・数はグレード別編成となる。2期制なので、1年間は42週と公立中学の3学期制・35週より多い。定期テストは年4回だが、「小テスト」は随時各教科で行い、進度が遅れぎみの生徒には指名による補習も行う。高2から文系・理系・芸術系の3コースに分かれ、幅広い選択制で進路に柔軟に対応。毎年東大に合格者を出すほか、難関私大にも多数の合格者を出している。医療系への進学者が多い。中3~高2の希望者にフランス語講座がある。

学校週5日制。年間を通じて朝の祈りやさまざまなミサ、講演会などといった宗教行事も多い。文化祭をはじめ多くの活動が、運営される生徒会を中心に計画される。クラブ活動は、文化部が18、運動部4のほか、聖歌隊、老人ホームなどでボランティアを行うTHE EYESという団体がある。テニス部、新聞部は全国大会にも出場する実績を誇る。しつけに厳しいといわれるが、教師たちは服装や持ち物検査は行わず、生徒たちが自分でけじめをつけて行動するよう求める。制服はジャンパースカート。02年から夏の準制服が登場。ブラウスは白と青、スカートは紺とチェックの2タイプずつで、組み合わせ自在。中3から高2の希望者が韓国などを訪れ交流するプログラムが続けられている。

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