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シカクいアタマをマルくする。

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出題校にインタビュー!

2013年 カリタス女子中学校【社会】

カリタス女子中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.身近なところで「これ何だろう」と考える。それが「自分で学べる人」になる第一歩。

「受験生が問題にすんなり入っていける内容や形式にこだわっている」

では、入試問題全体について伺います。基本問題を中心に、こつこつ勉強してきた受験生が力を発揮できる問題を作られていると思います。加えて、石油を輸入している国を問う時に「必ずしも第一位の国を答えなくてもかまいません」とか、図を並べかえるにしてもカードにするなど、受験生に手を差し伸べるような言葉かけや工夫が必ずあるという印象なのですが、それは意識されているのですか。
受験生が問題にすんなり入っていけるように、という配慮なんでしょうか。

大瀧先生 そうですね。そこは意識していますね。内容や形式にこだわるがためにボツになる問題もあります。

問題は、社会科の先生全員で持ち寄るかたちですか。

大瀧先生 そうですね。原案をみんなで持ち寄り、そこからは全員で煮詰めていきます。

カリタス女子中学校

「知識を駆使して考えさせる問題は定番」

このような問題を出すようになったのは、いつ頃からですか。

大瀧先生 かなり前から出していますね。

加藤先生 実は日能研さん(シカクいアタマをマルくする)に社会科の入試問題を取りあげていただくのは今回で3度目なんですが、1回目の問題はいつでしたっけ。2回目(2008年)は大瀧先生が作った問題だったんですよね。

韓国の釜山と福岡の気温と降水量を図で示して、異なる部分の原因を答えさせる問題ですよね。1回目は2003年ですが、あの時も、大陸と海との関係を考えれば、子どもたちが知らない場所のことも想像できるのではないか、という発想で作られた問題で新鮮でした。

加藤先生 そうですね。あれは知らないところの事象を、自分が持っている情報によって推測するということを狙った問題でした。それでおわかりのように、今に始まったことではなくて、以前からやっていたつもりなんです。

「誰かの立場に身を置き、想像して考える問題も多い」

2008年は歴史で、織田信長の問題でした。あの時はテレビドラマの台本を書くことになったら、織田信長のみんなのイメージとはどのようなもので、それとは違うイメージで視聴者をどう驚かせるかを問う問題でした。

大瀧先生 「もし、あなたが○○だったら」という問題はわりと得意で、毎年一題くらいは出しているかもしれませんね。誰かの立場に自分を置いて、想像して考えてもらうという問題はわりと出しているかもしれません。

立場を変えて考える大切さとか、知らないことでも、知っていることをうまく利用して推測するということを大事にされているのですね。

大瀧先生 そうですね。

先ほどの、問題に一言添えるやさしさなども含めて、キリスト教の教えと重なるところがあるように思えるのですが・・・。

大瀧先生 相手の立場に立って考えるというのは、社会科の本質でもありますしね。

加藤先生 キリスト教を意識しているわけではありませんが、無意識のうちに親切な出題になっているということはあるかもしれません。

カリタス女子中学校

「アドミッション・ポリシーは“自分で勉強できる人”の育成」

入試問題の中には、アドミッション・ポリシーが反映されていると考えています。貴校の大切にしていることを教えていただけますか。

大瀧先生 比較的シンプルでして、6年間を通じて自分で勉強できる人になってほしいというのが一番の願いです。日本の教育を見ると、知識偏重であったり、それに対する反省から今度は考える力とか、ゆとりと言ってみたり。二者択一になっている傾向が強いんですね。特に社会は「知識」か「考える力」か、どちらか一つを選ぶ話ではまったくないはずで、両方とも身につけなければならないと思うんです。そこを我々も生徒も勘違いしてはいけないと思っています。最終的には知識を自分で獲得できる力、自分で考える力をつけて卒業してほしいと思っています。それが自分で勉強することではないかと思うんですよね。さらに「知識」と「考える力」をもとに、「判断する」ということも必要になると思います。さらに「行動する」ことができれば、卒業生が世の中をよくしてくれるのではないかと期待しています。

「社会貢献する」という言葉をよく使いますが、それはどういうことかというと、「世の中をよくする」こと。少なくとも「悪くはしない」ということですよね。我々も6年間の教育の中で、それを養えるように育てたいということですね。これは私見ですが、アメリカや欧米の教育はディベートが中心であると言われています。アメリカで学んだ人に話を聞くと、知識を幅広く身につけることはおろそかにしている感じがあるんですね。そうすると偏ってくると言いますか、自己主張が強いと言いますか。そういうことになりがちだと思うんです。ですから、幅広く学ぶという日本の伝統的な発想は、すごくよいことなんじゃないかと個人的には思っているんですよね。日本人は、判断して行動する力をもっとつけるべきだと思いますが、幅広く学ぶことを捨てるべきじゃないと思っています。

「生徒の声で社会科研究部が誕生。主体的な活動が続いている」

生徒さんは社会科が好きですか。

加藤先生 そこはなんとも言えませんが、ここ数年の間に社会科愛好会ができて、それが部に昇格して社会科研究部となりました。発足して4年目くらいになりますか。

大瀧先生 そうですね。

加藤先生 子どもたちの自主的な動きが育っているのは喜ばしいですね。

社会科研究部はどのような活動をしているのですか。

加藤先生 今年は街道をテーマにして調べると言っていました。昨年は武士をテーマに活動していましたね。カリタスでは理科が「タマロジー」という言葉を使ってPRしているんですね。多摩川近辺に題材を求めて活動しているので、「それを社会科でも・・・」と促されて、多摩川の郷土史的なことを最初の1~2年はやっていました。

武士とか街道とか、意外と硬派な感じなんですね。フィールドワークなどもするのでしょうか。

加藤先生 そうですね。生徒主体で活動していて、その成果は文化祭で発表しています。

大瀧先生 (社会科研究部は)意欲のある生徒たちが集まり、自主的に活動し、続いているんですよね。それには我々も感心しているんです。

カリタス女子中学校

「ご当地キティちゃんで47都道府県を学べるクイズも実施」

教科の中で担当はどのようになっているのでしょうか。

大瀧先生 以前は分野別に担当していたのですが、近年はいろいろな分野を担当するようにしています。分野を横断したほうが、いろいろな意味でプラスになるのではないかという考えで、今は変わってきています。

先生がその教科を好きだと子どもに伝わり、子どもも好きになりますよね。貴校の問題を見ていていつも思うのは、社会科が好きな先生が作っているんだなということ。新しいグラフを作ってみるとか、新しい図をどこかから探してくるとか。おもしろいものを見つけた時のワクワクした気持ちが伝わってくるんです。

加藤先生 それはありがたいですね。実際楽しまないと・・・という気持ちがありますので。例えば、うちには教科ごとにセンターがあります。社会科センターの壁には生徒に興味をもって見てもらえるような社会科に関する資料などを掲示しているのですが、その中でご当地キティちゃんを使ったクイズをやっているんですよ。ご当地キティちゃんを見て、どこの県かを推測するのです。ちょっとした遊び心でご当地キティちゃん集め始めて掲示したら、全県揃いました。

それはどなたが集めたのですか。

加藤先生 私が集め始めると、子どもたちや先生が「旅行に行ったから」と持ってきてくれて、47都道府県、集まりました。ご当地キティちゃんはとても質が高いんですよ。じっくり見ただけで、どこのものかわかるのですが、キティちゃんとともに都道府県の特徴を書いて、それをヒントにどこの県かを当てるというクイズにしています。

カリタス女子中学校

「疑問をもとう。学べるフィールドは身近にある」

加藤先生 自分の授業の中でも、子どもたちに「身近なところから学べる」「そこから広がる」ということを伝えたいと思っています。先ほど、大瀧が、「自分で勉強できる子を育てたい」と話していましたが、それを具体的に示していくのが日々の授業であったり、展示をしたりする意図だと思うんですよ。普段、生活している中から、「これ、なんだろうね」と疑問に思って問いつめていけば、そこに勉強が存在する。そういう心がけがもてるように・・・というのは、普段から意識していることで、それがやがて「自分で勉強する」力につながっていくと思うんです。

授業ではどんなことをされているのですか。

加藤先生 私は絵を見せる、写真を見せる、ビジュアルに訴える、それをもとにいろいろと考えていくということをやりますね。それが日常の目に触れるものから問題点を引っ張り出せるということにつながっていけばよいと思っています。今、社会科センターの壁に貼ってありますが、映画の紹介もしています。観て楽しむだけではなくて、「これは事実」「これは事実ではない」ということが判定できたらおもしろいじゃないですか。例えば「アミスタッド」という、昔、スティーブン・スピルバーグが作った映画(奴隷船の話)があるんですね。奴隷が運ばれていくシーンなどはリアルに描かれているのですが、映画ですから虚と実があるので、どこが「虚」で、どこが「実」なのかを話します。歴史などをやる時は、学習マンガを使って、せりふのところを抜いて、そこに適切な言葉を入れて言い合ってみようよとか。

そういうのは女の子が好きそうですよね。

加藤先生 結構喜んでやってくれます。

「授業は全体の方針をもとに、それぞれの先生が工夫を凝らす」

授業は先生に任されている感じですか。

加藤先生 そうですね。全体の方針として、先ほど大瀧が申したようなことが示されていますから、それをもとに各自が工夫をするといった感じで取り組んでいます。だから展開の仕方も、教員によって随分違います。ただ、教材としている資料などに触れた時に、考える道筋をつけてあげながら、答えは子どもたちが見つける方向で授業をしていることは間違いないと思います。

一人ひとりの先生が工夫をされて、授業の質を上げているというのは理想ですよね。

大瀧先生 中学から高校へ持ち上がりということは、例えば中学では加藤にしか習わなくて、高校では日本史は私にしか習わないという子も出てきますので、これでよいのかということを常に考え続けていなければならないですよね。あまり偏った内容ではいけないですから、網羅的に触れておく必要がありますので、そこら辺はいつも考えています。

カリタス女子中学校

「旅行は取材みたいなもの。撮影した写真で授業を展開するのはおもしろい」

授業で使われる写真はご自身で撮影されるのですか。

加藤先生 そうですね。それもありますし、資料集を映し出す場合もあります。やはり自分で撮った写真で授業を展開するのはおもしろいですね。

リニアの現場も見に行かれたんですよね。

加藤先生 そうですね。工事中なのは知っていましたから。トンネルの真上まで行って見て来ました。私はこういうことがわりと好きですね。旅行は取材みたいな感覚がありまして、題材を見つけに行ったり、題材を見に出かけたり。

社会科の先生というのは好奇心旺盛で、フットワークがよいですね。そういうワクワク感が生徒さんにも伝わるんでしょうね。

加藤先生 社会科研究部ができた時は、よくぞ「やる」と言い出してくれたと思いましたよ。

部員は何名くらいいるんですか。

加藤先生 中高合わせて10名弱です。立ち上げ当初に顧問をやり、今は副顧問ですが、かかりっきりになれないので、ちょっと残念です。

フィールドワークの中で地名に注目してみるとか。「なぜ、こんな地名がついているの?」というところから地図に触れてみるとか。あるいは風土記ですよね。幕末にできたものがあるので、それを読んでみると「これ、なんだろう」と興味が広がりますよね。「今、残っているものを探しに行こう」などと言うと、子どもたちは興味をもちます。本当におもしろいと思ったらやってくれるのですが。まだまだ探求や調べ方が未熟で、ノウハウを示しても彼女たちの中でなかなか育っていかないジレンマはありますね。

インタビュー 2/3

カリタス女子中学校

カリタス女子中学校ラテン語で「愛」を意味するカリタス。カナダで、聖マルグリット・デュービルが創立したケベック・カリタス修道女会を母体に、1961(昭和36)年にカリタス女子中学・高校が創設された。62年に幼稚園、63年には小学校、66年には短大が創設され、カトリックの総合学園として現在に至る。

多摩川沿いの閑静な住宅街にあり、緑にも恵まれた環境。2階建てアリーナ、人工芝の広いグラウンド、テニスコート、屋内プールなど、スポーツ施設も充実している。生徒に人気のある図書室は蔵書も豊富で明るくきれい。専用回線で常時インターネットに接続されているコンピュータ室も完備。聖堂や1100名収容の講堂もある。カフェテリアでは飲み物、パン・弁当を販売。06年4月に「教科センター方式」の新校舎が完成した。

キリスト教の愛と真理の原理に基づく教育方針。祈る心、学ぶ心、交わりの心、奉仕の心の「4つの心」をもった人間を育成することを目指す。また、異なる文化を理解する力を育み、国際的なセンスを身につけるため、中1から英語とフランス語の2つの外国語を導入。

中1から古典学習や体系的な作文教育を行い、豊かな国語力を育成する。独自の教材で進められる英・仏2つの外国語教育は密度の濃い内容。中1から2時間の授業が設けられた仏語は大学入試に十分対応できる。英語は中学が週6時間のうち外国人講師によるオーラル1時間、中1・中2の理科実験ではチームティーチングを行う。英・仏・数で1クラスを2つに分けたハーフクラスで授業を実施。補習は必要に応じて実施。高校2年から私立文系・国公立文系・理数の3コース制。大学受験に的を絞った意欲的なカリキュラムで、国公立大、難関私大に多数の合格者を輩出。現役進学率も着実に伸びている。

制服は「カリタスブルー」を基調としたブレザー。放送を通じての「朝の祈り」で1日が始まり、全学年で聖書の心を学ぶ「カトリック倫理」の授業がある。奉仕活動を行うアンジェラスの会を中心に、教育里親の会、バザー、施設訪問など幅広いボランティア活動を展開。球技大会や体育祭、文化祭など学年を越えた交流があるほか、1月の外国語発表会は、学年ごとに劇、歌、スピーチなどで日ごろの語学学習の成果を発表する。中2で2泊3日のイングリッシュキャンプがあり、高1の希望者には、カナダ研修が実施されている。高2の修学旅行は北九州。クラブ活動は、運動部8、文化部13あり、中高合同で活動。

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