中学受験-小学生のための中学受験塾。日能研

シカクいアタマをマルくする。

タイトル一覧へ

出題校にインタビュー!

2013年 カリタス女子中学校【社会】

カリタス女子中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1.覚えた知識をもとに、日本の地形を立体的に想像してみよう。それが理解するということ。

「知識を覚えているだけでなく理解しているかを問いたい」

まずはこの問題の出題意図からお話しいただけますか。

大瀧先生 社会科主任の大瀧です。今回取りあげていただいた問題の原案は加藤が作りました。入試全体のことからお話しすると、本校の社会科では例年、地理・歴史・政治の各分野からバランスよく、基本的な知識を問う問題を中心に出しています。ただ、そういう問題だけでは、本当に理解できているのかを確認できません。知識を理解しながら身につけてほしいので、今回取りあげていただいたような問題もところどころに入れています。

また、教材に出て来たものをうのみにするのではなくて、「これはどうしてこうなんだろう」などと疑問をもってほしいんですね。受験生にも、疑問をもつことを大切にし、意味を考えたり深めたりしているかを問いたくて、このような問題を毎年出題しています。

基本的な知識を問う問題と、応用力を問う問題の割合はどのくらいですか。

大瀧先生 ほとんどが基本的な知識を問う問題で、応用力を問う問題はそんなに多く出していないのですが、目立つというのはあるかもしれませんね。

カリタス女子中学校

「地形がわかっていれば想像がつく問題」

加藤先生 作問担当からお話ししますと、この問題は東海道をテーマとした問題(大問2)の一部なんですね。ただ、地理分野として出しています。街道そのもののことを聞いても仕方がないので、その沿線の特徴的な街や社会科の基本的な知識を問うた最後に、新しい東海道という発想で考えました。

たまたま朝日新聞でリニア中央新幹線のルート図と出会い、「山の中ばかりだな」「今の新幹線とは違うな」と思った時に、地形のことがわかっていれば、おおかたトンネルばかりだろうということを想像できると思ったんですね。自分自身が車窓から景色を見て旅行をするのが好きなので、「リニアモーターカーじゃ、(景色を見ることができないから)おもしろくないな」と思ったのが最初です。じゃあ問題を作ってみようかというところで、この図には南アルプスの場所が記されていますよね。「この部分で引っかかるかな」と思いました。山をぶち抜いてトンネルを造るか、山を登る発想をするか。おおかた山の中を走ることが想像できれば、当然トンネルを造ると考えられるので、そうした想像の中で、(愛さんが感じたことを)適切な短い言葉でまとめて、表現する力も問えればよいなと思って最後に入れました。

「トンネルに気づけた子は非常に少なかった」

受験生の反応はいかがでしたか。

加藤先生 こちらの予想は裏切られましたね。トンネルという答えがあまりなかったんですよ。アルプスに惑わされて、「山の高いところから素晴らしい景色、眺めを楽しめました」という答えが多く見られました。

山の上を登っていくと思ったんでしょうか。

加藤先生 そう思ったみたいです。リニアがなんなのか、わかっていなかったのでしょうか。最短距離で結ぶとなれば、山はトンネルで突き抜けていかなければならない。そういう発想があまりありませんでした。トンネルに気づけた子は非常に少なかったです。名古屋を越えてからも鈴鹿山脈へ入っていきますから、当然、トンネルですよ。奈良盆地あたりでしか平地に出ないはずなので、全体の地形も頭に入っていないのかなと思いました。日本の基本地形が頭の中に入っているかを確かめるつもりで出した問題でしたので、ちょっと残念でしたね。

こちらでも、「子どもたちはどう答えるんだろうね」という話題になり、甲府盆地、奈良盆地などの一部の盆地、あるいは山の切れ目、ほんの少しだけ地上に出た時に「山が見えた」と書ける子はいないんじゃないかと話していたのですが。

加藤先生 そういう視点は解答の中にはなかったですね。甲府盆地を見下ろして・・・というような答えはありましたが。

トンネルが多いということを前提に、「甲府盆地のところだけでも、平地を走ってくれるかもしれない」という答えになればよかったんでしょうね。

加藤先生 そうですね。一瞬だけでも楽しめたという答えだったらわかるのですが、そういう言い方ではなかったです。

カリタス女子中学校

「多くの受験生が、リニアが南アルプスを越えていくと想像」

認定コースだと、400km中30km分くらいしか地上に出ていないらしいですね。

加藤先生 私もこの問題を作るにあたり、山梨リニア実験線を見に行ってきたのですが、ほとんどトンネルですよね。都留のあたりで一瞬地上に出ますが、あとは山の中を抜けていくという感じですから。甲府盆地の南側を通って南アルプスに入れば、あとは山の中しかあり得ないと思いました。

この地図を見る限り、山は南アルプスだけ。あとは平たいイメージで答えを書いているという感じでしょうか。

加藤先生 そうですね。(リニアのルートを示す)赤い線が (南アルプスを示す)緑の上を通っていますよね。ここは社会科の中で論議したんですよね。山の上じゃないかと。だから消すかどうかを話し合ったのですが、朝日新聞に載っていた図をそのまま出すことにしたので、案の定、山を乗り越えるという答えがたくさんありました。

大瀧先生 ここを点線にしたら、答えを書いているようなものですよね。それはできないということで、手を加えないことにしました。

「トンネルが多いと書けた子は、つまらないという結論に結びつけていた」

大瀧先生 (受験生は)恐らく新幹線に乗ったことがあるだろう。それよりも速いと書いてあるわけですから、仮にトンネルではなく、景色が見えていたとしても、「近くはほとんど見えなくて遠くは見える」といった観点で答えてくるかもしれないとは思ったのですが、それもまったくなかったですね。

女子なので、情緒的になってしまったのでしょうか。

加藤先生 そうなんですよ。そこに梨の畑やぶどうの畑が・・・という答えはありました。そこは知識を出したなと思いましたけれども。スピードが速くて見られないというような発想は数少なかったです。

「つまらない」というようなことを書く子はいましたか。

加藤先生 トンネルが多いと書けていた子は、つまらないという結論に結びつけていました。それはありましたが、数は少なく、大半の解答は「高いところからきれいな景色が見えて楽しかった」というものでした。飛行機じゃないんですから、そんなに高いところを通るわけがないですよね。

カリタス女子中学校

「理由とリンクしていれば『つまらない』『楽しい』どちらの答えでもよかった」

でき具合はいかがでしたか。

加藤先生 数字は出していないのですが、完全な解答を書いていた受験生はわずかでした。それはちょっと意外でした。

大瀧先生 期待した答えが少なかったので、全体的なものとの関係はつかみにくいですよね。

地形を把握しているかどうかを見るとおっしゃいました。ただ単に、地形を聞くこともできたと思うのですが、「愛さんはどういう感想をもちましたか」と問いかけをするところがすごく新鮮で、あまり見たことがない問題だと思いました。

加藤先生 楽しかろうがつまらなかろうが、どういう答えでもよいですよね。なぜ楽しかったか、なぜつまらなかったのか。そこにリンクしていれば・・・。

先生はどのような答えを想定していらしたのですか。

加藤先生 やはり「つまらなかった」と答えてほしかったですね。スピードが速いので、一瞬しか景色は見られませんから。途中の楽しみを味わってほしいというか、速ければよいというものではないので、「つまらなかった」という答えが多いだろうと思っていましたが。窓の外の景色を楽しむというのは、ゆっくりのどかに走る電車でのスタイル。最近の子どもたちはそういう旅の楽しみ方や、地理の触れ方をしていないので、難しかったのでしょうか。

「問題文をよく読み、条件を踏まえて答えることが必要」

「速ければよいというものではない」という先生の想いが、行間に込められている問題ですよね。

大瀧先生 問題文もよく見ると、「車窓から観察することが大好きである」と書いてあるんですね。それを前提に答えてもらわなければいけないですよね。必ず寝ることにしているというのなら、景色などどっちでもよいわけですからね(笑)。一応愛さんの話にはなっているのですが、そういういろいろな条件を加味して、答えを考えてもらえるように作っています。

加藤先生 そういうところを読み取れない答えではつまらないですよね。

国語の自由記述などでも、受験間近になると、受験生はプラスのことを書こうとするんですよね。「つまらない」などという消極的な言葉を使うと、マイナスにとらえられてしまうのではないかという気持ちが働くので、答えを見た時に、女の子が受験の場で書くには勇気がいるなと思いました。そういう意識も働いたのかなと、ちょっと思ったのですが・・・。

加藤先生 なるほど。それも考えられますね。ただ、「少なからず見ることができたから楽しかった」でもよいわけです。「見られなかったからつまらなかった」でもよい。つまり、窓から見えた状況がどんなだったか、ということをきちんと書いてほしいということなんですよね。

この問題の採点はどのように行われたのですか。

加藤先生 加点方式で採点しました。地形のことが書いてあれば何点とか。

最終的に満点に届いた受験生が、わずかだったということですか。

加藤先生 そうですね。

カリタス女子中学校

インタビュー 1/3

カリタス女子中学校

カリタス女子中学校ラテン語で「愛」を意味するカリタス。カナダで、聖マルグリット・デュービルが創立したケベック・カリタス修道女会を母体に、1961(昭和36)年にカリタス女子中学・高校が創設された。62年に幼稚園、63年には小学校、66年には短大が創設され、カトリックの総合学園として現在に至る。

多摩川沿いの閑静な住宅街にあり、緑にも恵まれた環境。2階建てアリーナ、人工芝の広いグラウンド、テニスコート、屋内プールなど、スポーツ施設も充実している。生徒に人気のある図書室は蔵書も豊富で明るくきれい。専用回線で常時インターネットに接続されているコンピュータ室も完備。聖堂や1100名収容の講堂もある。カフェテリアでは飲み物、パン・弁当を販売。06年4月に「教科センター方式」の新校舎が完成した。

キリスト教の愛と真理の原理に基づく教育方針。祈る心、学ぶ心、交わりの心、奉仕の心の「4つの心」をもった人間を育成することを目指す。また、異なる文化を理解する力を育み、国際的なセンスを身につけるため、中1から英語とフランス語の2つの外国語を導入。

中1から古典学習や体系的な作文教育を行い、豊かな国語力を育成する。独自の教材で進められる英・仏2つの外国語教育は密度の濃い内容。中1から2時間の授業が設けられた仏語は大学入試に十分対応できる。英語は中学が週6時間のうち外国人講師によるオーラル1時間、中1・中2の理科実験ではチームティーチングを行う。英・仏・数で1クラスを2つに分けたハーフクラスで授業を実施。補習は必要に応じて実施。高校2年から私立文系・国公立文系・理数の3コース制。大学受験に的を絞った意欲的なカリキュラムで、国公立大、難関私大に多数の合格者を輩出。現役進学率も着実に伸びている。

制服は「カリタスブルー」を基調としたブレザー。放送を通じての「朝の祈り」で1日が始まり、全学年で聖書の心を学ぶ「カトリック倫理」の授業がある。奉仕活動を行うアンジェラスの会を中心に、教育里親の会、バザー、施設訪問など幅広いボランティア活動を展開。球技大会や体育祭、文化祭など学年を越えた交流があるほか、1月の外国語発表会は、学年ごとに劇、歌、スピーチなどで日ごろの語学学習の成果を発表する。中2で2泊3日のイングリッシュキャンプがあり、高1の希望者には、カナダ研修が実施されている。高2の修学旅行は北九州。クラブ活動は、運動部8、文化部13あり、中高合同で活動。

PageTop

© NICHINOKEN