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出題校にインタビュー!

2013年 麗澤中学校【国語】

麗澤中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.「聴く・話す・読む・書く」力をバランスよく、体系的に鍛える

「基礎ができている利点を大学で実感」

言語技術を学んだ麗澤の生徒さんたちは論理的思考で議論することに慣れていますが、世の中ではそうした人ばかりではありません。議論のギャップを感じた経験はありましたか。

長谷川先生 大学3年の初めてのゼミのとき、同級生と議論の“温度差”を感じました。結論が最後にようやく出てくる人がほとんどで戸惑いました。情報が整理できていなくて話す順番がいい加減だったり、自分の意見を支える根拠がなかったりする人も多かったですね。

村上先生 卒業生からは「言語技術が役に立っている」という声をよく聞きます。外国語系大学に進学した卒業生が、講義でネイティブの質問に対しネイティブのように論理的なルールや構造で答えたところ、「そんなふうに答えたのは、この大学では君が初めてだ」とほめられたそうです。また理系の大学院に進んだ卒業生は、英語でのプレゼンテーションや論文作成もスムーズにこなせていると言います。

長谷川先生 言いたいことを英語でどう表現すればいいかわからない。そうしたときに頼りになるのが言語技術だと思います。発音や語彙の力が足りなくても、英語のルールで話して自分が言いたいことが外国人に伝わったときはうれしかったですね。

麗澤中学校

「中1から4年間学ぶことで、言語技術が体に染みこむ」

長谷川先生 私は高3の小論文の個別指導も行っています。高校から麗澤に入学した生徒は一貫生のように論述の型が身についていません。そこで、個別に依頼してきた高校からの入学して来た生徒には、短期間に麗澤の3~4年間の言語技術のエッセンスをたたき込みました。現実は、論述の型を知らず、書くことに抵抗感があるまま学年が上がり、大学受験を目前にして慌てる高校生がほとんどではないかと思います。

村上先生 高校から入学した生徒は一貫生のように言語技術を学ぶ機会がありません。それは今後の課題です。

言語技術は「体で覚える」という部分も大きいのではないでしょうか。エッセンスは頭で理解できても、すぐに言語技術を使えるようになるわけではないと思いますから、中1からしっかり取り組むことに意義があると思います。

北岡先生 中2になるとパラグラフからエッセイへと移行します。中2の5月に初めて論述の型に沿ってエッセイを書かせたところ、こちらが驚くような論理的な文章を書いた生徒もいました。1年ほどでもここまで書けるようになるのだと、生徒の成長をうれしく思います。

「英語の書く力は高3を上回る」

村上先生 言語技術の導入は、「日本人の英語がネイティブに通じない」という問題意識が発端です。「言語技術と英語の連携」は大きなテーマですが、教員も生徒も手応えを感じています。中高一貫校で英語に力を入れている学校は多数ありますが、英会話のウエイトが大きく、「話す」「聴く」が中心ではないでしょうか。本来は「読む」「書く」も合わせた4つの力をバランスよく鍛えていくのが望ましいと思います。

4技能の総合的なコミュニケーション能力が測定できるGTEC(Global Test English Communication)の結果を見ると、本校の中3のライティングスコアは全国平均の高3を上回ります。言語技術は欧米の母語教育で行われている「Language Arts(ランゲージ・アーツ)」がモデルですから、言語技術の授業は日本語ですが、英語への波及効果が大きいのもうなずけます。1学期のアンケートでも、「英語のエッセイライティングやパラグラフライティングに役立っている」と回答した生徒が増えました。

麗澤中学校

「読み解く技術を合唱コンクールの曲の解釈に応用」

三角先生 分析の対象は、学校行事に関連させるなど生徒の実生活に近い事柄を取り上げるようにしています。例えば合唱コンクールが近づいてきたら課題曲について分析します。歌詞を論理的思考で深く掘り下げていくと、「こんな意味が込められていたんだ」と気づき、これまで以上に感情を込めて歌うようになります。

秋元先生 歌詞の分析を行うと、クラスでも何となく歌うのではなく、「ここはもっと盛り上げよう」「ここは抑えて」と歌い方を工夫するようになります。生徒が言語技術を日常的に応用できる場面をできるだけ与えたいと思っています。

「他人任せにせず、自分で、1回で聞き取ろう」

最後に、麗澤中学校を受験する受験生や保護者へのメッセージをお願いします。

秋元先生 普段から「なぜだろう」ということを考えるようにするとよいと思います。「そういうものだ」で済ませずに、疑問を持って仮説を立てたり、そのことについて分析したり情報を集めたりしてみる。そういったことを意識して生活すると、1枚の絵を見るのも楽しくなるだろうし、論理的思考力も養えると思います。

三角先生 読み取りだけでなく「聞き取り」も大事にしてほしいですね。「相手の話を聞く」のは当たり前のことですが、そこが疎かになりがちです。中学生を見ていると連絡事項の聞き落としが目立ちます。1度で、自分の責任で聞き取らずに、「誰かに聞けばいい」「もう一回聞けばいい」と他人任せになっています。聞き落としがないようにメモを取ることは小学生でもできます。それが、情報を拾う力につながっていきます。

長谷川先生 私の中学受験の経験と、中1の授業アンケートの結果から思ったのは、子どもたちは日常的にもっと言い訳をしてはどうか、ということです。子どもはよく、「だって~だから」と言い訳をしますが、それが論述では根拠になります。アンケートでは「言い訳がうまくなった」という回答もありました。私もそうでしたが、子どもが自分の考えを自分の言葉で話すのは、言い訳するときだと思います。言い訳をする行為は必ずしも良いこととは言えませんが、考え方として「だって~」の言い訳も根拠と同質だと思うと、「根拠を述べなさい」という問題も考えやすくなるのではないでしょうか。

国語科・言語技術科/三角 祥子先生

国語科・言語技術科/三角 祥子先生

「言語的に相手に甘えない」

北岡先生 私も子育てをしていて思い当たるのですが、親が子どもの言葉や思いをくみ取ってあげて、子どもが言葉にしなくてもいい状態にしているのではないでしょうか。それはよいことでもありますが、子どもが自分の言いたいことをきちんと言葉にできる機会を、必要に応じて与えてください。主語がない、目的語がない言い方で言語的に相手に甘えるのではなく、自分の言いたいことを正しい文にして相手に伝える訓練を、ふだんの生活の中でもやってほしいですね。そうすると、この問題のように自分の考えを順序立てて説明することが求められる問題にも取り組めるのではないかと思います。 中学生でも提出物を持ってきて、「これ」とだけしか言わない生徒がいます。単語を並べるだけでなく、「○○の課題を持ってきました」というように、口頭でも「文」として成立するような話し方をしていれば、それは書く力にもプラスにはたらくと思います。

インタビュー 3/3

麗澤中学校

麗澤中学校1935(昭和10)年、法学博士の廣池千九郎により、現在の麗澤大学の前身・道徳科学専攻塾が開校。2002(平成14)年に麗澤中学校が新設され、同じキャンパスに大学・高校・中学校・幼稚園がそろう総合学園となった。
創立者が体系的に学問づけたモラロジーに基づく「知徳一体」を教育理念とし、「感謝の心」「思いやりの心」「自立の心」を育てることを教育方針に掲げる。
中高一貫第1期生が卒業して11年。麗澤教育のシャワーを浴びて巣立った卒業生たちは、様々な領域で活躍の場を広げている。6年間を「自分自身をみつめ、発見する」「興味・関心を深め、進路につなげる」「進路を選択し、道を拓き夢を実現する」の3段階に分け、それぞれリサーチ、実践体験、情報処理、再構築、そして成果をプレゼンテーションする作業を基礎から学ぶ。とりわけ、2003年から始まった「言語技術教育」は、全ての学問領域で必要となる「聴く・話す・読む・書く」を総合的に鍛える麗澤ならではの教育。中高一貫カリキュラムの1年から4年次を通して、国際社会で通用するものの考え方、そして、自らの考えを主張できる発信力を研鑽していく。
「よりよく学ぶためには自然の中で心を癒すことが必要」という創立者の信念に基づき、46万平方メートルの広大な校地は緑豊かでウサギなども顔をみせるほど自然がいっぱい。グラウンド3つ、体育館2つ、武道館、寮(高校のみ)、メディアセンターや9Hのゴルフコースなど施設は申し分なし。

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