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出題校にインタビュー!

2013年 日本女子大学附属中学校【算数】

日本女子大学附属中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1.自分で条件に合う図をかいて試行錯誤する

「あえて図を省略して自由な発想を促す」

髙橋先生 受験生にじっくり考えて解いてもらいたいと思い、この問題を作りました。考えてもらうにはどのような問い方をすればよいか、数学科の教員で問題を練っていきました。

この問題で目を引くのは、図形問題であるのに「図がない」ことです。

宮地先生 図を載せるかどうかは最後まで悩みました。最初は図を載せるつもりでいました。「3つの円の直径の和が20cmになる」という条件が目で見てわかるように、例として、壁と壁の間に3つの円が一直線上にくっついて並んでいる図を考えました。

ところが、問題を文章化するのが意外に難しかったのです。条件を表す図をかくにしても、「壁と壁の間に3つの円を並べる」のに、糸で円をつるすのかというと、それは日常的には考えにくい。

どうしようかと考えたとき、一直線上に並んでいなくてもよいのではないか、ということに気づきました。ならば並び方は受験生自身が考えて、自分で図をかいて解く方が柔軟な発想ができるのではないかと思い、試行錯誤の末に「図なし」で出題することにしました。

この場合、図の例があると、その図に条件が集約されてしまって発想を広げるのが難しくなるでしょうね。図がないことで、貴校が意図した「考える問題」になったと思います。

宮地先生 試験監督をした数学科の教員に聞くと、受験生の多くは円を3つ並べてかいていたようですね。

髙橋先生 図をかいたり、樹形図をかいたり、試行錯誤して解いていました。

数学科/髙橋 幹輝先生

数学科/髙橋 幹輝先生

「問題を解く糸口を直感的に見つけられるかどうか」

髙橋先生 問1の問題は、算数的な“ひらめき”を意識して作りました。直径の和が20cmということは、「半径の和が10cm」という条件です。面積の和、つまり「2乗の和」が一番大きくなるのはどんな場合かを直感的に気づけるかどうか。条件をあてはめて試す中で、半径の大きなものが1つあると面積の和がぐんと大きくなることに気づけた受験生は、正解に近づけたのではないかと思います。

算数や数学の直感力は簡単に身につくものではありません。直感力を育てるために、授業ではどのようなことを大切にされていますか。

宮地先生 時間の余裕がある中1では、どのように考えて解いたのか、ときどき生徒に発表してもらっています。先日、正負の数の単元の最後に魔方陣の問題を取り上げて、わかる生徒に考え方を発表してもらいました。「目のつけどころ」を聞くことで、どんなところに注目すればよいかの参考にしてもらいます。自分ひとりで考えるのは難しくても、わかる生徒を真似ることで、徐々に自分で問題を解くカギを直感的に見つけられるようになればと思います。

「条件をきちんと読み取らないと、場合分けに“抜け”が生じる」

髙橋先生 正答率は、問11が9%、2が10%、3が7%で、全体的に低い結果でした。

問11は、8通りではなく4通りと答えた受験生がいたのではないでしょうか。問題文には「半径が全部違う」とはかかれていないので、同じ半径の円があっても構いません。「全部違う大きさ」だと思い込むと、足をすくわれてしまいます。もしも例として3つとも半径の違う円が載っていたら、その条件にひきずられてしまうでしょうね。図を載せていないのはそのためもあるのだと思いました。

髙橋先生 問11はいろいろな間違いがありました。何かが抜けてしまったりしてすべてをカバーしきれなかったようでした。

問題文には、問題を解く「支え」になる条件は直接書かれていません。問題文は短いですが、そこから条件をしっかり読み取る必要があります。最近の入試の文章題は問題文が長くなる傾向にあります。それだけに、この問題の「直径の和が20cmになる3つの円を、重ならないようにかきます。」というだけの文章の簡潔さは際立っていました。

髙橋先生 作問者の誘導にうまく乗って解く問題もありますが、この問題は「自分で考えて解く」タイプの問題です。設問にヒントがあるわけではありませんから、どこまで自力で解き進めることができるかが試されました。

数学科/宮地 潤子先生

数学科/宮地 潤子先生

「受験生の印象に残る問題を作りたい」

髙橋先生 一方、問2の正答率は37%でした。通常、問1が難しいと問2はもっと難しいのでは・・・と思うでしょうが、受験生はあきらめないで取り組んでくれたようです。

宮地先生 この大問は、最終的に「どんな円をかいても、3つの円周の和は一定である」ことに気づいてもらいたかったので、問1よりも問2の正答率が上がったのはよかったと思います。

私は中1の担当をしていますが、「そういえば今年の入試問題に、円の問題がありましたよね」と覚えていた生徒がいました。その生徒は解けなかったようで、どうやって解くのかも聞かれました。覚えていたということは、何かしら “引っかかる”ものがあったということでしょう。受験生の印象に残る問題を出せたことがわかり、うれしかったですね。

インタビュー 1/3

日本女子大学附属中学校

日本女子大学附属中学校1901(明治34)年、成瀬仁蔵によって創設された日本女子大学校の附属高等女学校を前身とする。48(昭和23)年、新制・日本女子大学の設置とともに附属中学校となった。78年に目白校地から、附属高校がすでにあった川崎市生田の現在地に移転。2001(平成13)年に創立100周年を迎えた。

多摩丘陵の自然を生かした緑豊かなキャンパスは、人との交流を期待して、各教室棟を結ぶモール(廊下)などやゆとりの空間を多くとったユニークな設計。カフェテリアや、中庭のもみじ劇場は、昼休みの憩いの場になっている。1800名収容の大ホール、温水プール、コンピュータ演習室などを備えた西生田成瀬講堂もある。

創立以来、建学の精神を「信念徹底・自発創生・共同奉仕」の三綱領に示し、生徒の個性を尊重し、創造性を豊かにし、高い徳性を養うことを目指している。「自ら考え、学び、行動する姿勢を育てる」ことを重視しているだけあって、生徒たちは学習に積極的に取り組み、問題解決能力を身につけていく。一人ひとりが主役となり、全員で学校生活を作り上げているため、校風も伸びやかで明るい。

自分自身の学習方法を発見して生涯学んでいく姿勢を育て、心身の健康をはかり、創意と思考力をもった情操豊かな中学生を育成することを目指す。併設大学への進学が中心となるためカリキュラムはハードではないが、英・数・国・理の一部では1クラス2分割授業を取り入れている。英語では実際に使える語学力、理科では実験・観察を重視。読む・書くを中心とした国語教育には定評がある。家庭科でも複数教員による授業を導入し、音楽はバイオリンが必修となっている。英・数・国の補習が朝や放課後に行われている。併設大にない学部受験者には、併設大との併願が可能。

学級活動やクラブにおいて、生徒の自発的な活動を奨励しているため、文化祭や運動会などほとんどの行事は中学生だけで企画・運営されている。中1の三泉寮(軽井沢)、中2の校外授業(東北)など、宿泊をともなう行事をとおして自然に親しみ、静かに自己を見つめ、規律ある団体生活の真意を学ぶ。中3では希望者制で裁判傍聴などもある。そのほか、スキー、スケート教室や古典芸能、音楽鑑賞会なども行われている。クラブは文化系18・運動系10あり、なかでもコーラス部は東日本大会入賞の実績がある。天文部は校舎に備えられた天文台を活用している。制服は紺のセーラー服だが、高校からは私服。

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