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出題校にインタビュー!

2013年 頌栄女子学院中学校【理科】

頌栄女子学院中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.理科を楽しく学ぶには・・・。身近なものに疑問をもつこと、仕組みを知ることが大切。

「授業で意識しているのは、絵や図を自分で書かせること」

先生ご自身は、理科に興味をもってもらうために、どんなことを心がけていますか。

行方先生 授業で意識していることの一つは、「絵や図を自分で書く」ということです。印刷してもいいのですが、簡単なものは自分で書いたほうがいいので、私が黒板に書いて、生徒はそれを写しています。

どうしてそれをするかというと、絵や模式図を正しく書けるということは、しっかり内容を理解して覚えているということだからです。ですからただ覚えるだけではなくて、図なども書けるようにさせたいというのが一つです。

もう一つは、どの分野でも、日常的にある関係のものを例に出して話すようにしています。生徒は「なぜ理科を勉強するの?」と言ってきます。私は勉強すること自体に意味があると思っていますが、日常のことを引き合いに出すと、よりハッキリと「(この勉強は)役に立つんだな」と思えると思うので。

高校生の生物などでは、「知識があると意思を決める時に役立つ」と言っています。例えば、遺伝子組み換えのじゃがいもを食べるのか、食べないのか。それを問われた時に、食べたらどんなことが起こる可能性があるのかということを知らないと決められないと思うんですよ。自分が病気になった時に、例えば、遺伝子治療法がある。それを受けるか受けないかを決める時に、遺伝子組み替えがわからなかったら意思決定できないと思うので、そういうところに勉強する意味があるということを、高校生の授業では意識して話しています。

中学生には興味をもって学んでほしいし、高校生にはもう少し将来のことも見据えたかたちで勉強してほしいと思っています。

理科/行方 春菜先生

理科/行方 春菜先生

「先生になった理由は、理科のおもしろさを伝えたかったから」

先生はなぜ理科の先生になったのですか。

行方先生 生徒指導がしたいとか、生徒の成長を見たいとか、先生になりたいと思う理由はいろいろあると思うのですが、私はもともと理科が好きで、そのおもしろさを伝えたいというのが先生になった理由です。私は両親とも教員なので、教員になることに抵抗はなかったですね。

「私は理科のおもしろさを伝えたくて教師になった」ということは、高校生の最初の授業で伝えていて、「こんなことを疑問に思わない?」といろいろ挙げて、「今、挙げたことは、この1年で順番に勉強していくから、楽しみにしていてね」と話しています。

貴校の生徒さんは、教えやすいと感じていますか。

行方先生 教えやすいと思いますね。素直でまじめな子が多いので、言ったことは素直に聞いてくれますし、それなりに学力を持った子が集まっているので、授業はやりやすいと感じています。

「研究授業で生徒の立場に立つことの大切さを教わった」

理科の中で研修会や勉強会などを開くことはあるのですか。

行方先生 研究授業はやっています。去年は一人1回はやるということで、私もやらせていただきました。他の先生に授業を見ていただき、その後、意見をいただくのですが、それはとても勉強になりました。

意見を聞いて「なるほど」と思われたのはどんなことでしたか。

行方先生 授業はプリントをもとに進めていくのですが、その作り方の甘さを指摘されました。図なども、もっとわかりやすく・・・ということで、色など細かいところまで指導を受けました。例えばバネにおもりがついている図で、そこに重力を矢印で記す時に、色をつけると見にくいからつけないほうがいいとか。私はそういうところまで考えが及んでいなかったので、生徒の立場に立って、どうしたらわかりやすいかを考えなければいけないと痛感しました。

また、新しい機材などが入った時は、そういうものを利用した授業を誰かにやってもらい、効果的な使い方を検証していこうというようなこともやっています。最近では電子黒板が入った時に行いました。

理科/行方 春菜先生

理科/行方 春菜先生

「中高時代にめざした夢を実現している卒業生は少なくない」

他の教科との交流もあるのですか。

行方先生 はい。最近は若い先生が増えてきているので、時間がある時は見に行きます。話し方や生徒との接し方などは勉強になりますね。去年、私が担当していた学年で、国語の先生と社会の先生が授業をコラボしていて、社会で地域の食材を活かしたパンを考え、国語でそれを表現する、プレゼンすることを学ぶというものでした。

そこに理科も絡めるとおもしろいですね。

行方先生 そうなんですよ。そんな話もしていたのですが、その時は絡めませんでした。でも、できたらおもしろいですよね。

理系出身で活躍されている卒業生はいらっしゃいますか。

行方先生 最近の卒業生ではないのですが、東大地震研究所で活躍され、今、慶應義塾大学環境情報学部で准教授をされている大木聖子さんが有名です。この方は頌栄女子学院に在学している時から地震に興味があって、その道を極めていらっしゃいます。

先生の同級生ではいかがですか。

行方先生 理系では資格が必要な職業に就いている人も多くて、医者になったり、薬剤師になったりと、それぞれが当時の夢を実現しているなという印象です。理系で学んだことを活かして、食品会社などの研究員になっている人もいます。

「気を使わなくていい仲間、面倒見のいい先生と楽しく過ごせた6年間だった」

ご自身も含めて、ここで学んだ力は、社会人になって生きていると思いますか。

行方先生 私は大学受験に向けて勉強している時に一番それを思いました。高1、高2の時は、部活(弓道部)に熱が入って、あまり勉強していなかったのですが、高3になって部活を辞めた時に、「ここからは切り換えて、受験勉強を頑張ろう」と思ったのです。部活に注いできた力を勉強に注ぐことができ、志望校に合格できたので、その点はすごくよかったと思います。

その経験談は、今受け持っている生徒さんにも役立ちますね。

行方先生 そうですね。高2の授業も持っているので、体験を踏まえて、「受験に対する不安もあるだろうけど、こつこつ勉強していけば大丈夫だよ」という話をよくします。

大学生になって、いろいろなところで育ってきた人たちと触れ合ったと思いますが、その時に感じたことはありましたか。

行方先生 女子校だから「いじめがあるんじゃない?」「じめじめした感じじゃなかった?」などと聞かれるのですが、うちの学校は校風がすごく明るくて元気で、気を使わなくていい仲間がたくさんいたので、とても気楽で、毎日楽しく過ごすことができていたなと、大学に入って思いました。

また、これは先生になってから思ったことなのですが、頌栄の先生は本当に面倒見がよくて、どんなことも聞けば答えてくれますし、すごく親身になって話を聞いてくれるので、そういうところもとてもよかったと思います。

理科/行方 春菜先生

理科/行方 春菜先生

「小学校の自由研究が楽しかった。それが理科好きのベースにある」

理科好きの子を育てたいと思っても、親はどうすればいいの?というご家庭もあると思います。先生の体験を通してアドバイスをいただけますか。

行方先生 小学校には自由研究がありますよね。私の親はそのテーマを一緒に考えて、「こういうことをやったらおもしろいんじゃない」とアドバイスをしてくれました。実験やまとめにもつき合ってくれました。それは1年生の時からで、いろいろな液体を凍らせたらどうなる?みたいな実験をした覚えがあります。液体の種類をいろいろ用意するだけでなく、液体の状態も変えました。例えば息をたくさん吹き込んで凍らせるなど、いろいろ試して、まとめるということを、小学校低学年の頃、一緒にやっていた記憶があります。意味はよくわからなくても、楽しくやれていたかなと思います。

ご両親の教科はなんですか。

行方先生 父が理科で、母が国語です。ですから父のアイデアではあったのですが、実際に実験をしたり、まとめたりする作業は母とやっていました。

双方のいいところに影響を受けて育ったのですね。

行方先生 そうかもしれませんね。

「身のまわりのことに疑問をもとう」

日常の理科的な変化に目を向けて、一緒に楽しむことが大事なんでしょうね。

行方先生 高2の授業で、青い試薬(メチレンブルー)が還元により無色になるというのをやったんですね。無色のメチレンブルーを空気に触れさせると、酸素が水素とくっついて、また青に戻るという学習です。そうしたら生徒が、「消えいろピット」というのりがあるじゃないですか。ブルーののりなのですが、乾くと透明になるんですね。「それも、メチレンブルーと同じことが起こっているのですか」と聞かれてわからなかったので、「ちょっと待って。調べておきます」と言って、あとで回答したのですが・・・。そういうちょっとした疑問でいいと思うんですよ。調べたら理科的なことで説明できる内容だったので、自然にしてもなんにしても、ちょっとした疑問をもつことが大切だと思います。

理科には生物・化学・物理・地学、4つの分野がありますが、1つの分野が好きになると、他の分野も好きになるものなのですか。

行方先生 いや、どちらかというと、好きな分野を深めていくことのほうが楽しいんじゃないでしょうか。中1を教えていても、この分野は好きだけど、この分野はそうでもないという子が多いです。

理科/行方 春菜先生

理科/行方 春菜先生

「暗記は後。仕組みを理解することから始めよう」

では、最後に受験生に向けてのアドバイスをいただけますか。

行方先生 楽しく勉強してほしいというのが一番ですかね。私は中学受験の時に勉強がとても辛かったので、少しでも楽しめる面を見つけてもらいたいなと思います。算数にしても、やり方がわかって、仕組みがわかって、できるとおもしろいですよね。「ここは頑張れた」と思えます。

理科も多分そうだと思うんですね。考えるためにはある程度の知識が必要なのですが、知識を活用して考えるところがおもしろいので。覚えることに必死になるのではなくて、仕組みや中身を理解しようとすれば、おそらく楽しく勉強していけると思うんです。

考えることが楽しいと思えれば、知識も入っていくと思うんですよね。

行方先生 そうですよね。高校生の中にも生物=暗記と思っている子が多いのですが、「まずは仕組みを理解しなさい。そこが一番大事。暗記はいつでもできるのだから」と言っています。高校では難しい仕組みも出て来るので、わかっている人の話を聴くのが一番早いと思います。

仕組みに目を向けさせるために、先生が意識していることはありますか。

行方先生 「ここは考えればわかることだから覚えなくていい」というのはよく言っています。言葉や場所などは知識だから「覚えてね」と言うのですが、覚えることを増やしても意味がないので、ポイントだけは伝えているつもりです。

インタビュー 3/3

頌栄女子学院中学校

頌栄女子学院中学校岡見清致の信仰に基づく教育事業として、頌栄学校を1884(明治17)年に開校。1947(昭和22)年に中学・高校となり、64年に頌栄女子学院と改称。94(平成6)年から高校募集停止、完全中高一貫校に。併設校に英国学校法人のウィンチェスター頌栄カレッジ(大学)がある。

プロテスタント系キリスト教主義の学校で、聖書の教えを徳育の基礎におく。女性にふさわしい教養を身につけることが方針で、高雅な品位や豊かな国際感覚を備え、社会に奉仕貢献できる人間形成を志す。校名の「頌栄」は神の栄光をほめたたえるという意味。自慢の制服も同校の教育方針に沿い、国際感覚にマッチするものとした。言動、身だしなみについては日常きめ細かく指導している。帰国生との交流により、多様な価値観をも育んでいる。
区の保護樹林に指定される木々に囲まれた運動場など緑にあふれる校内には有名な建築家ライトの高弟の設計による記念堂をはじめ、礼拝堂と講堂をかねるグローリアホールなど施設も完備。ホワイトハウスと呼ばれる校舎や新体育館も近代的。南志賀高原と軽井沢に山荘をもつ。食堂は高校生から利用可。パン類の販売あり。

中学では英・数の多くがクラス分割などの少人数制授業。このなかでは高校で学ぶ内容も取り入れられている。英・数は時間数も標準より多い。聖書の授業も週1時間組み込まれている。中3の数学では習熟度別授業を導入。中3では卒業論文を制作、夏休み前から準備し、原稿用紙20~30枚にまとめる。高2からは文科と理科、さらに高3では理科コースが2つに分かれる。進路に応じた選択科目も多数用意されている。中学では主要教科を中心に昼休み・放課後に補習を実施、高校では長期休暇中にも受験講習を行っている。ICU、青学、早慶上智大などに推薦枠があるのも大きな魅力だ。

2期制で、土曜日は休日としている。1日は礼拝で始まり、中学・高校とも週1時間の合同礼拝がある。高校では礼法の授業がありしつけにも厳しい。タータンチェックのスカートの制服はあまりにも有名。校内にはイギリスの学校の雰囲気が漂い、生活スタイルも校舎内で革靴を履いたまま過ごす欧米流。クラブ活動ではハンドベルクワイヤーや弓道部が知られている。花の日礼拝、イースター、クリスマスなど礼拝形式の行事が多く、そのほかキャンプ、コ・ラーナーズ・デイ(研究発表会)、頌栄フィールド・デイ(運動会)、カナダとニュージーランドの語学研修など盛りだくさん。奉仕活動にも力を入れている。

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