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出題校にインタビュー!

2013年 頌栄女子学院中学校【理科】

頌栄女子学院中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.考える力があっても、それを伝えられなければ意味がない。入学後もそれは大事にしていることの一つ。

「問いかけや実物を見せることで興味を引き出している」

行方先生 私は去年も今年も中1を担当したので、最初の授業で「理科が好き・得意、嫌い・苦手のどちらですか。遠慮なく手を挙げて」と言いました。すると「嫌い・苦手」に手を挙げる子が半分以上いるんです。何人かに「どうして?」と聞いたら「覚えることが多い」と言うんです。「暗記が多い」「言葉が難しい」「計算ができない」というのが、よく挙がる理由です。

理科好きに変えていくために、中1ではどんな授業を心がけていますか。

行方先生 「理科は自然を勉強する学問なので、あなたたちに関係のないことは一つもないよ」と言っています。例えば、「地震が起きる仕組みを知れば、地震から逃げられるわけじゃない。いつくるかもわからないから、役に立たないと思うかもしれないけれど、私たちは地球に生きている一つの生物だから、地球の仕組みを知るということは、私たちが生きていくことに直結しているのと同じことだと思わない」と呼びかけています。

また、身近なことに疑問をもってほしいので、例えば植物の勉強をする時に、「植物が光のほうに伸びていくのは知っているけれど、それはどうしてだと思う?」と問いかけています。勉強する前に、「疑問に思っていることは何?」と最初に問いかけて、興味をもってもらうということも、心がけていることの一つです。

それから、写真を見る機会はあると思いますが、実物を見る機会は少ないと思うので、岩石の実物を見せてあげたり、植物も中庭や下校庭のほうにたくさんはえているので、それを観察したり、調べたり。中1には楽しく勉強してもらいたいので、ただ講義をするだけではなくて、いろいろな活動を取り入れて、興味をもってもらえるように頑張っています。

都心の学校ですが、校内に自然はたくさんあるのですか。

行方先生 下校庭にはたくさんはえています。小さい校庭ですが、季節も感じられるので、身近に緑のある環境はとてもいいと思います。

理科/行方 春菜先生

理科/行方 春菜先生

「理科は嫌いと言いながらも、興味や学ぶ意欲はある」

他に工夫されているところはありますか。

行方先生 新課程で、無脊椎動物が入ってきたので、授業ではなく放課後に、イカの実験をやりました。「見たい子は見においで」と声をかけて、私が解剖し、「ここは○○だね」と説明しながら、触れるところは触らせて・・・という形ですね。

生徒さんはどのくらい集まりましたか。

行方先生 1クラスにしか声をかけなかったので5名くらいでした。でも、理科が得意ではないのに来てくれた子もいて、興味や学ぶ意欲はあるのだなと思って嬉しくなりました。

作業をやらせると、みんな楽しそうにやっているので、理科自体が心底嫌いというわけではないんですよね。難しいのは、楽しいだけでは意味がないということ。そこから得るものがあるように考えていかなければならないと思います。

「入試が難しいのは、知識を応用し、考えて取り組んでほしいという気持ちの表れ」

頌栄女子学院を受験したいお子さんにとって、理科はハードルが高いかもしれませんね。

行方先生 難しいですよね。私もそう思います。

女子校の中では難しい部類に入ると思います。でも、意図をもってそうしているんですよね。

行方先生 そうですね。この問題なども、典型的な問題ではないのですが、知識を応用して、自分で考えて取り組んでほしいという気持ちの表れだと思います。

グラフを書かせる問題などもありますよね。そういう書かせる問題のでき具合は、例年いかがですか。

行方先生 グラフを書く問題はできていたと思います。ただ、問題は難しかったかもしれませんね。でも空欄はなかったです。

理科/行方 春菜先生

理科/行方 春菜先生

「中1~高2まで5年間継続して取り組む『考察ノート』で書く力を伸ばす」

毎年記述の問題を出されています。それは学校として表現する力や知識だけではなくて考える力、筋道を立てて表現する力などを求めているからだと思うのですが、入学してからも、そういう力を伸ばす取り組みは行っているのですか。

行方先生 私が生徒の時はなかったのですが、今ある取り組みとして、「考察ノート」があります。中学生だったら課題文を与えて、それに対する意見を書く。高校生だったら7科目くらい課題文を与えて、要約文を書く。夏はそういうことをやり、冬は小論文を書かせるということをホームルームの課題としています。いろいろな知識に触れてほしい、表現する力もつけてほしい、ということで、中学1年生から高校2年生まで、5年間通じてそういう取り組みを行っています。

それは、先生が添削するのですか。

行方先生 そうですね。

学年が上がるにつれ、生徒さんの書く意欲やスキルも上がっていく実感はありますか。

行方先生 ハッキリとはわかりませんが、書くことには慣れると思います。大学受験でも、考えてまとめて書くという力を問われるので、そういう力をどんどんつけていってほしいなと思います。

「考察ノート」は各自1冊与えて・・・という感じなのですか。

行方先生 中学生はそうです。ファイルを作って、課題を終えるとそこにファイリングして、3年間でこれだけやったということがわかるようにしています。

3年間で蓄えられる力は大きいですよね。

行方先生 考える力があっても、自分の考えを伝えられなければ意味がないですからね。

「中2は1年間、化学をしっかり学ぶ」

理系に進学する子は、ここ数年増えていますか。

行方先生 そんなに変わっていないです。だいたい学年の3割くらいです。

女子校で3割だったら低くはないですよ。

行方先生 そうなんですか?

1学年は何名くらいですか。

行方先生 1学年は240名前後です。

帰国生は?

行方先生 40~50名です。

中にいるとあまり気づかないかもしれませんが、カリキュラムの特徴は何だと思いますか。

行方先生 化学の分野を中学2年生でほとんどやるんですね。そのため、化学というイメージをもって学べているのかなと思います。1年と3年は、化学以外の分野をバラバラに学びます。

中2で化学をやるようになった理由を教えてください。

行方先生 理由はわかりません。私が生徒だった時からそうだったので。

中2は週4時間で、実験をやれるよう2時間続きの授業を1回と、1時間ずつの授業を2回になるよう組んでいます。2時間続きの授業では、いつでも実験ができるよう部屋を用意していますから、中2は毎週のように実験をしていますね。

まとめて学ぶと、化学を学んだなという実感はあるでしょうね。それをきっかけに理科が好きになっていくということも、あるのでしょうか。

行方先生 中1で教えている時に「水溶液はやらないんですか。好きなのに」と、何人かの生徒に言われて、「それは全部来年やるから楽しみにしていてね」と言ったのですが・・・。好きな子は楽しみにしているかもしれません。

理科/行方 春菜先生

理科/行方 春菜先生

「国公立大学をめざす生徒が増えている」

理系が3割といえども、多くの生徒さんがセンター試験を受けますよね。そうなると、理科も必要になると思うのですが、大学受験を踏まえて、何か意識していることはありますか。

行方先生 今、新課程が入ってきてなんともいえないのですが、今までは文系では生物が必修で、センターレベルまではもっていけるように取り組んでいました。

センター試験はほとんど全員が受けますか。

行方先生 志願者は93~94%になると思いますが、試験日までに推薦入試で進学先が決まってしまう子がいるので、実際に受けるのは90%くらいでしょうか。その中には文系で3科目しか受けない子もいますが、最近は国公立大学をめざす子がとても増えています。私は国立大学の出身なのですが、私の頃は国立大学をめざす子が全然いなかったんですよ。理系でも文系でも私立大学が主流だったのですが、今は国公立大学をめざして勉強する子がとても増えて、文系でも理科を、理系でも社会をしっかり学ぶので、それは嬉しく思います。

「勉強も部活も頑張る生徒が多い」

それは学校として何か働きかけたのですか。

行方先生 やはり科目数の少ない私立へ逃げたくなるのですが、力のある子は国公立を受けてもきっと受かるから、「少しでも国立大学をめざす気持ちがあるならチャレンジしてごらん」と、強く進めています。

帰国生はもちろん、一般生でも英語ができる子が多いんですよね。ですから上位の私立大学に受かりやすいとは思うのですが、そこにとどまらず頑張ってくれるのはよいことだと思います。

課題は多いほうですか。

行方先生 かなり出ますね。小テストもしょっちゅうあります。生徒たちはまじめなので、「テストをやるよ」というと勉強してきますし、そういうことの積み重ねで力がついていくのかなと思います。夏休みなどの長期休みにもたくさん宿題が出ているので、部活もやりながら、勉強も頑張っているのだと思います。

理科/行方 春菜先生

理科/行方 春菜先生

「部活動を制限しない。一生懸命やれることがあるほうが勉強も身が入る」

ちなみに、部活の活動日に制限はあるのですか。

行方先生 ないですね。顧問に任されているので。毎日やっている部活もありますが、だいたいは週3、4日です。

先生は弓道部の顧問なんですよね。

行方先生 はい。教師になって1年目は卓球部を見ていましたが、2年目に弓道部の先生がお辞めになったので、弓道部OGの私が引き継ぐことになりました。

弓道部の活動はどんな感じですか。

行方先生 人数が多いので、部活自体は毎日やっているのですが、中学生は週2日くらいです。中学生は半々に分けて、あなたは火・金、あなたは水・木、というように、活動日を指定して交替で行っています。試合前は毎日やります。

高校生には週3日以上やるように言っていて、毎日活動してもよいことになっています。

部員は何人くらいいるのですか。

行方先生 高3まで入れると100名くらいじゃないですかね。

女子校の中では活動しているほうじゃないですか。

行方先生 そうなんですか?生徒は部活がすごく好きですし、一生懸命やれることがあったほうが、いろいろ頑張れると思うんですよね。ですから、学校をあげて「部活に入りなさい」と言っています。勉強が大変だから「帰宅部」、というのではなくて、クラブを頑張れる子が結局勉強も頑張れるんですよ。時間がなくても自分なりに工夫できるから、成績が落ちたから部活を辞めるとか、そういうことではなくて、両方やれるように指導しています。

高3はいつまで活動するのですか。

行方先生 4月までで、やりたい子だけ6月までやります。どの部活もだいたい4月、5月あたりで引退して、そこから受験勉強に入っていきます。

インタビュー 2/3

頌栄女子学院中学校

頌栄女子学院中学校岡見清致の信仰に基づく教育事業として、頌栄学校を1884(明治17)年に開校。1947(昭和22)年に中学・高校となり、64年に頌栄女子学院と改称。94(平成6)年から高校募集停止、完全中高一貫校に。併設校に英国学校法人のウィンチェスター頌栄カレッジ(大学)がある。

プロテスタント系キリスト教主義の学校で、聖書の教えを徳育の基礎におく。女性にふさわしい教養を身につけることが方針で、高雅な品位や豊かな国際感覚を備え、社会に奉仕貢献できる人間形成を志す。校名の「頌栄」は神の栄光をほめたたえるという意味。自慢の制服も同校の教育方針に沿い、国際感覚にマッチするものとした。言動、身だしなみについては日常きめ細かく指導している。帰国生との交流により、多様な価値観をも育んでいる。
区の保護樹林に指定される木々に囲まれた運動場など緑にあふれる校内には有名な建築家ライトの高弟の設計による記念堂をはじめ、礼拝堂と講堂をかねるグローリアホールなど施設も完備。ホワイトハウスと呼ばれる校舎や新体育館も近代的。南志賀高原と軽井沢に山荘をもつ。食堂は高校生から利用可。パン類の販売あり。

中学では英・数の多くがクラス分割などの少人数制授業。このなかでは高校で学ぶ内容も取り入れられている。英・数は時間数も標準より多い。聖書の授業も週1時間組み込まれている。中3の数学では習熟度別授業を導入。中3では卒業論文を制作、夏休み前から準備し、原稿用紙20~30枚にまとめる。高2からは文科と理科、さらに高3では理科コースが2つに分かれる。進路に応じた選択科目も多数用意されている。中学では主要教科を中心に昼休み・放課後に補習を実施、高校では長期休暇中にも受験講習を行っている。ICU、青学、早慶上智大などに推薦枠があるのも大きな魅力だ。

2期制で、土曜日は休日としている。1日は礼拝で始まり、中学・高校とも週1時間の合同礼拝がある。高校では礼法の授業がありしつけにも厳しい。タータンチェックのスカートの制服はあまりにも有名。校内にはイギリスの学校の雰囲気が漂い、生活スタイルも校舎内で革靴を履いたまま過ごす欧米流。クラブ活動ではハンドベルクワイヤーや弓道部が知られている。花の日礼拝、イースター、クリスマスなど礼拝形式の行事が多く、そのほかキャンプ、コ・ラーナーズ・デイ(研究発表会)、頌栄フィールド・デイ(運動会)、カナダとニュージーランドの語学研修など盛りだくさん。奉仕活動にも力を入れている。

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