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出題校にインタビュー!

2013年 清泉女学院中学校【社会】

清泉女学院中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.小学生レベルでいい。夢を立派に見せてくれる人に入学してほしいという思いがある。

「社会にどう貢献したいか、それを問いたかった」

橘先生 みんなに夢を見てほしいんですよね。入試問題で夢を見なさいというのも変なのですが、夢を確認する作業にはなるような気がしたのです。「小学生としてちゃんと勉強している人の夢、見せてくれませんか」という問題にしたかったという思いがあります。

自分たちも指導していく中でも「夢を持ってる?」と聞いたりしますし、進路指導の中でも、「君はどうやって社会に貢献するの?」と聞いたりします。非現実的な夢というのもあるじゃないですか。そうではなくて現実的な夢。そういうものを小学生のレベルでいいから立派に見せてくれる人に集まってほしいなという思いがあります。

悲観的にとらえると、暗くなってしまいますよね。

橘先生 そうですね。育てるということが大切で、そのためにはどんな素地をもった人が必要なのかなと考えた時に、こういう入試問題もありなのかなと思いました。

社会科/橘 英彰先生

社会科/橘 英彰先生

「この問題でいい解答をした子は、実生活でも反応がいい」

先ほど、先生の想定を超えた答えを書いた子が入学し、先生のクラスにいらっしゃるということでしたが、1学期を過ごされていかがですか。

橘先生 いろいろな意味で想定を超えているクラスなので、楽しく過ごさせてもらっています。中1、中2は、毎日最後の授業が終わると学習の記録を書くのですが、そういう記録を書くにしても、(その子は)ちょっと楽しくやろうとするんですよね。

私がこの問題を採点をしていて、思わずハナマルをつけた人が私のクラスに何人かいるんです。その子たちは、いろいろな考え方ができるので、クラスの中でも一目置かれるような存在なんです。

「ハナマルは点数に表れないものもくみ取りたいという気持ちの表れ」

今、ハナマルとおっしゃいましたが、それは先生個人の思いでつけたものですか。

橘先生 そうです。完全に個人です。すごい!と思った解答と出会った時に、思わずつけてしまいました。もちろん点数を変えるわけにはいかないですが・・・。こんな答えを書く子が入学してくれたらいいなと思っていたら、たまたま私が担任していることがわかって、すごく嬉しいです。

解答のどういうところに惹かれてハナマルになったんですか。

橘先生 高校生でも出ないだろうという内容だったり、解答欄をいっぱいに使っても5~6行かと思うのですが、その字数内できれいにまとめてあったりすると感動しますよね。点数には表れないものがあるので、ハナマルはそこもくみ取ってあげることができたらいいなと思う気持ちの表れです。

清泉女学院中学校

「初めて見るような問題でも、あきらめずにチャレンジする受験生が多い」

「いくつ答えてもいい」というような問題は、初めて見ると面食らうと思うのですが、貴校を受けるお子さんの印象はいかがでしたか。

橘先生 以前にも難しいなと思う問題がたくさん出題されています。もともと「初めて見るような問題でも、小学生の知識をフルに使って、頑張って答えてね」というコンセプトで出題していますので、そこはチャレンジしてくれる受験生が多いと感じています。こういう問題をやってみようという気持ちでチャレンジして、1点でも2点でも取った子が合格しているという気がします。

得点できるかどうかはともかく、書くことにチャレンジできる子は、入学後に育ててあげられますが、そこであきらめてしまう子はちょっと心配です。生徒同士の活動もすごく活発な学校なので、「やってみよう」「やってみたい」という気持ちをもっている子が入ってきてくれると学校生活が楽しいものになると思います。

「歴史でも多角的な視点を問う問題を出題」

たとえば、大設問の1の問12の問題はいかがですか?

橘先生 歴史の問題ですね。やはり多角的な視点が問われる問題だったのですが、これは少し難しかったようで、ほとんどの人が満点をとれていませんでした。

この問題では、まず、背景がなにかを答えなければいけません。その結果として別の人々も苦しくなっている、その理由も答えなければいけません。因果関係を考え、その上で結果まで答えさせる問題なので、この問題を解くには、私がいつも高校生の論述問題などを解かせる時に指導している「5W1HR」がヒントになるかと思います。英語で良くいう5W1HにR(結果)をつけて問題に取り組む、という方法です。

今回は絹(きぬ)がテーマだったわけですが、品不足になればどういうことになるかとか、供給過剰になった時にどんなことが起こるかとか、そういうのは歴史の世界も今の世界も変わらないことじゃないですか。それがちゃんとわかっていればできたと思うのです。

社会科/橘 英彰先生

社会科/橘 英彰先生

「現在は過去のカギ」

もしかしたら昔のことには昔の論理がある、という思い込みに足を引っ張られてしまったのかもしれませんね。

橘先生 今と同じことで、昔を説明するという観点なんですかね。昔は昔のこととしてとらえすぎてしまい、どうしても答えが出なかったのではないでしょうか。

それが清泉女学院のメッセージであるということをとらえられていれば、出来たかもしれないですね。

橘先生 私はもともと地球科学に興味をもち、何十万年前のことを研究していました。火山を研究していたのですが、今起きていることと同じことで説明できなければ意味がないというふうに教わってきたんですね。「現在は過去のカギ」と、地質学の教科書に載っていました。

「社会科では経験が重要。充実した暮らしを送ってほしい」

社会科の勉強というのはそういうものなんだよ、ということがわかると、取り組む姿勢が変わってくるかもしれませんね。

橘先生 清泉女学院の社会科は、生活に密着した社会科を目指しています。地理の問題などは一番それが言えるのでやりやすいです。実はニュースで耳にしたことを、夕ご飯を終えた後にお父さんに質問してみるとか。「おじいちゃんはどう考えているの?」「昔はどうだったの?」というような質問をすることがとても大事で、結局最後にこの学校で一緒に学びたいなと思うかどうかの差は、小学校で、あるいは家庭で、充実した暮らしを送ってきたかどうかではないかと思うことがあります。

この歴史の問題も、知識を詰め込むだけでなく、小学生として十分な経験を積んでいて、初めてそれがわかる、おうちの人と勉強しようとか、いろいろな意見を聞いてみようとかいう中で、初めて答えられる、点をもらえる、そういう問題なのかもしれませんね。

そういう視点で製品などを見るとおもしろいかもしれませんね。

橘先生 私が中1の地理を担当している間はずっとやり続けようと思っている課題があるのですが・・・。家から最寄りの駅まで歩いて、そこにある社会問題を探していらっしゃいという課題です。そのため、入試では、自分の身のまわりを観察し、調べてみたいという意欲をもった子を選べればいいなと思っています。

清泉女学院中学校

清泉女学院中学校

インタビュー 2/3

清泉女学院中学校

清泉女学院中学校1877(明治10)年に創立の聖心侍女修道会(本部はローマ、世界20数カ国に68の学校を経営)により、1938年、前身の清泉寮学院創立。47年に横須賀に中学、翌年高校を設立。56年、中高を統合。63年に現在地に移転し、98(平成10)年に創立50周年を迎えた。進学率のよさから「鎌倉一の女学校」の座を堅持している。

大船駅西側の丘陵地帯、栄光学園と谷ひとつ隔てた玉縄城跡に位置する。緑の芝生が美しい7万m2もある敷地には、観覧席がある体育館、2面の広いグラウンド、コンピュータ室、憩いのスペースのラ・フェンテなどがあり、充実した施設・設備を完備。02年には修道院を改修した新校舎ラファエラ館が完成、美術室や音楽室、少人数授業対応の教室など設備が一新された。

「神のみ前に、清く、正しく、愛深く」をモットーに、社会の変革に貢献する人材の育成を目指している。利益や結果よりも目に見えない精神的価値を大切に考え、祈りをとおした情操教育を熱心に行う。ほかのカトリック校に比べると、「校則」や校内の雰囲気は驚くほど自由だが、「社会奉仕活動」などへの参加は他校より相当強力に推進されている。

完全中高一貫を生かして、独自のカリキュラム。大学受験を強く意識し、英語は海外出版社の教材を多く活用し、中1から1クラス2分割の少人数制授業を実施。数学は中2後期で習熟度別授業となる。理科は実験・観察が重視され、社会では新聞・ビデオなど現実感のある教材を活用している。どの教科もレポート重視。その集大成で「中3論文」はレベルが高い。高2から文系・理系の2コース選択制になる。理系に数学演習などを設置したり、文系のための国公立大学向けの授業(選択)を追加したりと、大学受験対策がより充実しさらなる飛躍を目指している。医学部系にも強い。

入学後、5月に箱根で1泊2日のオリエンテーションキャンプが行われ、清泉と友人への親しみを養う。中2の夏休みの錬成会、理科校外学習、体育祭、合唱祭、クリスマスミサなどの行事がある。清泉祭(文化祭)は2014年度は春と秋に開催、2015年度からは秋開催へと移行する。ボランティア活動も盛んで、さまざまな福祉活動に参加。23あるクラブは参加率90%以上。なかでも、音楽部と演劇部は全国大会で高く評価されるレベル。音楽部は2013年に第1回 European Choir Games Austrian Open Competition(ヨーロピアン クワイア ゲームス オーストリアン オープン コンペティション)にて総合グランプリ(全団体中1位)を受賞。

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