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出題校にインタビュー!

2013年 暁星中学校【社会】

暁星中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.付属小からの生徒と入試を経て入ってきた生徒の差は感じない。得意を引き出すと乗ってくる。

「高校生になると、期待している以上のことをしてくれる」

暁星の生徒さんには、そういうものを受け入れられる素地がありますよね。

和田先生 そうですね。高校生くらいになるとわきまえてくれるというか。私は昨年度、高校3年生の担任を務めたのですが、いい思いをさせてもらいました。こちらがすべてお膳立てをしなくても、期待している以上のことをしてくれるのです。例えば「何か他人のためになることをしたい」と思い、東日本大震災の被災地へ行くんですよね。推薦入試で早くに大学が決まった生徒も、何とかして行けないかと相談してきたり…。そういう姿を見ていると感心します。

先輩の背中を見て育つというか、そういう土壌ができ上がっているんですね。

和田先生 私は文化祭も担当しています。高校2年生の実行委員が中心になってやるのですが、その姿を高校1年生が見ていて翌年にはきちんとやるんですよ。もちろん困った時にはサポートしますが、手取り足取りやる必要はありません。そういう文化は大切にしたいと思っています。あれもこれもやってあげるという方法もあるかもしれませんが、子どもたちの中でできることがあれば、それは大切にしたいと思っています。

暁星中学校

「幅広くとらえる習慣の土台は“宗教”と“フランス語”」

生徒さんのご家庭の文化度が高いような気がします。大学受験に気持ちが寄っていたら違うでしょうから。

和田先生 カリキュラム上、地歴は2科目しか学べないので、「なぜ、全ての科目をやってくれないのですか」という生徒もいるんですよ。中には「全科目を学びたい」という生徒もいます。「授業を受けられないなら、プリントを全部ください」という生徒も…。

フランス語もそうなんですよね。受験で使う生徒は少ないのですが、「フランス語ができるとかっこいいからやるんです」と言うんです。そういう余裕は、この学校の特徴の1つだと思いますね。

吉永先生 宗教とフランス語が、すべてを幅広くとらえるという土台になっていると思います。フランス語も中3までが必修で、高校では選択しなくてもいいんですね。しかも授業が月曜の放課後なのですが、第一外国語の英語に加えて、フランス語を第二外国語として履修する生徒が毎年10名ほどいます。受験のためではなくて、知的好奇心からなんですね。

宗教の授業も高3まであるのですが、それを土台にして物事を考える、教養を深めるというのが、本校のコンセプトの1つかなと思います。それが実利に役立たないかというとそうではなくて、小論文の課題などに生きてくることがあります。土台となる教養があって、そこから何かを引き出す生徒が多いです。

いろいろな子がいますが、それぞれのフィールドで楽しく学校生活を送っているというのが特徴でしょうか。個性が尊重されていると思います。

「授業で意識するのは因果関係やつながり。それでも模試で点は取れている」

根立先生 「学校とは一点から一点への最長距離を教えるところであると、私は言いたい」(ジャン・ギットン)という言葉があるそうです。そうありたいですよね。暁星中高での6年間、点数ばかりにこだわらず、子どもたちには回り道をさせたい。効率第一に走り、手取り足取り教えて引っ張ってゆくのではなく、試行錯誤しながらも自分でたどりつく力を身につけさせたいですね。

逆に、大学入試に絞ったら、ここまで力をつけてあげたいというのはありますか。

和田先生 う~ん、もちろん大学入試の問題の傾向を踏まえて授業は構成していますが、入試に出るか出ないかという観点のみで授業を組み立てていません。授業の中で意識することといえば、因果関係などの事項間のつながりです。そこをしっかり説明するようにしています。定期試験でもその辺りのことを理解しているかをみる問いを出題しています。模試の成績を見ても結構できているので、このスタンスを変えるつもりはありません。

暁星中学校 先生

「生徒の知的好奇心にとことん応えるのが暁星の社会科流」

授業のペースは早いほうですか。

根立先生 早くはないです。早く進んでしまう学年もあるのですが、そういう時はあまり成果が上がっていないように感じます。あくまでも感触ですが、ゆっくり詳細に授業を進めても、好奇心を持ってついてくる学年のほうが大学の合格実績はいいんですよね。

早く進めるほうが簡単ですよ。でも、授業が早く進むのは、食いつきが悪いからなのです。生徒が関心を持ってくれると、わかりやすく、より深く説明することになりますから、授業の準備も入念になります。

和田先生 生徒は「(受験を意識しての)出し惜しみはしないでくれ」と言いますよね。例えば環境問題にしても、水俣病について深く話したい、でも、深入りすると時間がかかるなとこちらが躊躇していると、「ぜひやってください」と言われます。高3でも内容を変更して、映像を使ったりしながら、たっぷり水俣病の話をすることもありますね。

「課題提出にも生徒の自主性を重んじる」

お話を伺っていると、先生によって授業のカラーが違うように感じるのですが。

和田先生 そうですね。あまり合わせたりはしないです。

根立先生 合わせるのは教材と試験範囲くらいでしょうか。

授業の中で、レポートなどを書かせることはあるのですか。

根立先生 中学の社会科では平和学習に力を入れていまして、中3の2学期に広島へ赴くのですが、事前学習を公民の授業で行い、帰ってきてからレポートを書かせて、それを印刷して卒業式の時に文集として渡しています。事実上の卒業文集になります。

国語科でも、取り組んでいるものはありますか。

吉永先生 国語科では作文を夏休みの課題として出しています。いろいろなところでコンクールをやっていますので、その課題を15くらい提示して、その中から2つ選んで書きなさいと言っています。以前は高校生くらいになると、提出しない生徒もいたのですが、最近はよく取り組んでいて、提出率がよくなっています。

その中の税の作文に関しては、国語科で書かせて、社会科で出してもらっています。それは毎年優秀な作品とされるものが多いですね。小説を書いたりする子もいます。

どれと決めないで、好きなものをやりなさいというのが国語科の意図なんですね。読書感想文を書くために読書をするというのは一番辛いことだと思うので、好きな本を読んで、感想文を書きたいと思ったら書く。その辺でも、自主性を重んじる傾向があります。

「暁星が好きな卒業生が多数。サッカーの前田選手も例外ではない」

文武の両面に関心を持っている生徒さんが多いような気がしますよね。

根立先生 たしかにサッカー部にも、勉強も頑張っている生徒がたくさんいます。以前、西が丘サッカー場で行われたサッカーの試合では都代表として出場を決めた後、勝利の余韻に浸ることなくそのまま予備校に行く選手がいました。淡々としたものです。

和田先生 そうですね。サッカー部は勉強もしっかりやらなくては…という意識を持っていて、文武両道を実践していますね。

吉永先生 (選手権大会の都予選で)勝ち上がればそれだけ受験準備の時間が短くなるわけですが、限られた勉強時間で難関とされる大学へ現役合格する部員も多数います。

昨年は強かったですよね。都大会の決勝まで勝ち進んだのでは?

吉永先生 そうなんですよ。

どこかで聞いた話ですが、男子校の中では遊びに来る卒業生がすごく多いとか。

和田先生 この春に卒業した子も、「大学、行ってるの?」と聞きたくなるくらい、しょっちゅう来ています(笑)。浪人中でも来ますからね。予備校に行けば教えてくれるのでしょうが、わざわざ(母校の)先生のところへ質問しに来るんですよね。

企画広報部/吉永 昌弘先生

企画広報部/吉永 昌弘先生

「国公立志望は約3割」

今、国公立大学を志望する子はどのくらいいるのですか。

吉永先生 クラスが分かれていまして、高3の国公立志望型(文系5科目・理系5科目履修のクラス)は4月でだいたい30%くらいでしょうか。

1学年何名くらいですか。

吉永先生 180名くらいですね。

男子校の中ではかなり規模が小さい方ですよね。文系は80名くらいですか。

吉永先生 そうですね。最近は文系3に対して理系5くらいの割合です。

先生方は中高両方で授業を持たれているのですか。

根立先生 はい。高校に関してはそれぞれの専門科目を教えています。担当時間数の関係で、中学に関しては専門科目以外のものも教える形になります。基本的には、自分が持った学年を、次年度も受け持つようにしています。

「暁星小からの生徒と交じっても問題ない」

小学校から上がってくる生徒さんもいますが、授業の中では入試を経て入ってきた生徒さんと変わらないですか。

和田先生 やはり知識量は違うのですが、授業を進める上で困ることはないですね。

吉永先生 説明会の時に、保護者が一番気にされるところがそこなのですが、ウソではなくて、まったく(違いが)わからないんですよね。男の子ですから、学校生活が始まれば人間関係の組み替えもありますので、ご心配には及ばないんですよね。

若干、付属小からの生徒さんが多いくらいでしょうか。

吉永先生 そうですね。さすがに入学式は緊張している子と、ホームグラウンドのように振る舞っている子と、いますけれども、時間とともに混ざり合って、全くわからなくなります。

中1の男子はまだ無邪気ですよね。

根立先生 校舎前の広場で遊んでいたのが中1の生徒です。その場所では中1しか遊ばせません。グラウンドで遊んでいて、体の大きな高校生とぶつかってケガをするといけないので…。

和田先生 朝も早くから来ていますよね。3つくらいのグループに分かれて、野球やサッカーなどをしています。

吉永先生 中1が帰った後に高1が来て、遊んだりもしていますよね(笑)。

中1がいる時に、邪魔をしてはいけないんですね。

吉永先生 それをしてはいけないんです。 時々混ぜてもらっている上級生もいますけどね(笑)。

暁星中学校

「絵を見て、気づいたことを書かせる。そんなことから始めている」

知識量は違うというお話が出ましたが、最初の授業はどんな感じなんですか。工夫があれば教えてください。

根立先生 例えば中学生の歴史では、定期試験に絵の問題を入れるようにしています。結構細かい絵を見せて、「気づいたことを見つけてごらん。何を書いてもいいよ」と。その問題に×はありません。「知っていることではなく、この絵の中から3つ見つけて書いてごらん」と言うと、小さな子の絵本と一緒です、一生懸命見ています。彼らなりにユニークなことを見つけて書いてくれます。絵画も大切な史料であることを認識させながら、興味を持たせようとしています。

おもしろいですね。

根立先生 みんなに○をあげるのもいいかなと。

その絵は、例えばどんなものなのですか。

根立先生 長篠合戦図屏風がありますよね。鉄砲隊や騎馬武者はもちろん、本多忠勝のような有名な鎧兜を着けた武将もいますが、首を抱えて逆方向に向かう侍がいたり、太鼓を背負った人がいたりするのを見つける生徒もいます。あるいは、文明開化を迎えた街のにぎわいを描いた錦絵を使ったこともあります。採点していて、楽しくなります。

「中学入試のコンセプトは、授業にも反映」

なるほど。おもしろいですね。地理はいかがですか。

和田先生 地理に詳しい生徒はどの学年にもいます。アフリカの国名など、「よく知っているね」と驚かされる生徒がいるので、そういう生徒には発言させる場を作っています。そうすると得意になるんですよ。

そんなことを踏まえて、最初にわら半紙を配っています。日本地理は学習しているという前提で、世界地図を描かせるんですね。そうすると持っている情報量を把握できますし、「よく知っているね」というものについては、次の授業で発表させると、自信がつくようです。

また、中学入試のコンセプトをそこで終わらせないで、入学後の授業にも反映させるようにしています。定期試験の問題ができてから、授業で(試験範囲の事柄を)説明することがあるのですが、説明したことをそのまま出すのではなくて、あえて分野を散らして説明しておいて、試験で問題を解いている最中に「これとこれは関係するんだ」ということに気づかせる問題を入れるようにしています。

暁星中学校 先生

インタビュー 3/3

暁星中学校

暁星中学校1888(明治21)年、フランスの修道会、マリア会が築地明石町に生徒数6名で開校した、長い歴史を持つカトリック男子校。1890年に現在地に移転し、小学校を併設、1969(昭和44)年には幼稚園を設立し、「幼・小・中・高」の一貫教育体制を整えた。長崎の海星学園、大阪の明星学園、札幌の光星学園、調布の晃華学園などが姉妹校である。2001(平成13)年に高校募集を停止した。

皇居に程近い九段の丘に位置し、都心にありながら落ち着いた環境に恵まれている。創立100周年を記念して建設された中・高校舎、事務棟は、伝統を保ちつつも時代の先端を行く同校のシンボルとなっている。400名を収容できる聖堂や、人工芝のグラウンド2面なども完備されている。

同校は、キリスト教の精神に基づき、「自らの個性を輝かせるとともに、他者との関わりを学び、社会の核として多くの人々の幸福のために指導的役割を果たす」ことが教育目標である。語学教育に定評があり、国際的で広い視野を身につけるための基礎力として、英仏2カ国語を履修させている。

難関大学の受験を見据えた6年間のカリキュラムが、細部にわたり入念に組まれており、中学では習熟度別授業や先取り授業も行っている。とくに語学では、中1から英仏2カ国語の並行学習を行う。中学では英語を必修とし、第2外国語としてフランス語を学ぶ。高校ではフランス語を第1外国語として選択することもできる。英語は『プログレス』、フランス語ではオリジナル教材を使用している。高2で文系・理系に分かれたクラス編成となり、高3ではさらに細かい、進学希望、受験科目に合わせたコースが設置されている。東京大学には毎年平均して10名程度が合格し、早慶上智大など難関私立大にも多くの生徒が合格している。医歯系大学への進学が多いのも特色である。

高2修学旅行(北海道、6月)、中3研修旅行(広島平和学習、11月)をはじめとして、6月の運動会、中1宿泊学習や高1海外語学研修(夏休み、語学研修は希望者)、2学期の文化祭など、学校行事も多彩である。また、「暁星シャリテ」という委員会活動があり、施設慰問や街頭募金などに参加する。クラブも運動部、文化部合わせて30あり、中でもサッカー部は、進学校にもかかわらず全国大会への出場経験があり、強さと洗練されたスマートさを併せ持つその実力は高く評価されている。文化部では競技かるた部が有名。全国大会にも出場し、去年5連覇を達成した。

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