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出題校にインタビュー!

2013年 白百合学園中学校【算数】

白百合学園中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.生徒も教員も「理解できた喜び」を共有して成長する

「先取りしないじっくり型のカリキュラム」

佐藤先生 本校は、高2までに高校の内容を履修して、高3は受験対策に専念するといったカリキュラムではありません。先取りすると学習進度がどうしても駆け足になるので、授業についていけない生徒が出てきます。わからないところがあっても立ち止まる余裕がないので、ひととおり終わっても結局最初からやり直すことになります。ですから高2・高3は学習指導要領どおりの進め方をしています。

高2から演習中心になりますが、演習問題の中には数学Iの問題もあります。1時間に2題くらいを解くペースなので、進みながら復習もできます。理系でも数学IIIが終わるのは高3の最後の方で、授業進度がゆっくり、じっくりなのは理科も同じです。こうした授業の進め方が、理系志望者が増えた理由の1つなのかもしれません。

数学科/佐藤 宣明先生

数学科/佐藤 宣明先生

「『何とかなる』ことを実感させる」

佐藤先生 数学は昔から文科省の標準授業時数どおりで授業数が少ないので、工夫が欠かせません。授業時間を1分たりとも無駄にしないようにと、教員は開始前に教室の前に待機してチャイムと同時に入っています。

高2からは自作のプリントを使って演習問題を解きます。手が止まっている生徒にはヒントを与えて考えるように促します。生徒には「とにかく手を動かそう」と言います。問題を解き終えると「疲れた」と言うほど、とことん考えさせます。

いきなり難しい問題には挑戦しません。東大の入試問題でも文系の問題は比較的易しいので、そうした問題は解けるわけです。「何とかなる」ということがわかれば、数学があまり得意でなくても「何とかしよう」と問題に食らいつくようになります。

「わかりたい生徒の意欲に応える『数学の部屋』」

佐藤先生 数学科では、数年前から「理解できたという喜びを体得させ、その喜びを共有する」という目標を掲げて取り組んでいます。それを実践している1つが「数学の部屋」です。

生徒が自由に質問できるようにと、4年前に若手の教員が中心になって立ち上げました。廊下で立ち話ではなく生徒の質問にしっかり答えようと、物理室を開放しています。毎週月・木曜日の15時30分から17時までですが、最終下校の17時30分まで延長することもあります。

 始めは中1から高1までを対象にしていましたが、今では高2・高3も聞きに来ます。強制ではありませんから、わざわざ放課後に聞きに来るのは、「わかりたい」という意欲のある生徒だと思います。同じ空間で、異なる学年の生徒がそれぞれ数学を学ぶという、ちょっとユニークな学びの場になっています。

白百合学園中学校

「どの先生に質問してもいい」

佐藤先生 「数学の部屋」は常時3~4名の教員が対応していますが、質問はどの先生にしてもいい。ですから生徒も教員もお互いを全く知らないこともあります。変な先入観を持たずにスタートできるので、生徒は「わからないから聞くのが恥ずかしい」と思わずに気楽に質問できると思います。

教員は教え方に少しでも不安があると他の教員に確認します。そうしたやり取りはしょっちゅうですから、生徒は「わからないことが恥ずかしい」ということはあまり感じないのではないでしょうか。

わからないところがあるけれど、自分から「数学の部屋」に行きづらい生徒には声をかけることもあります。その場合は補習のようになりますが、ときには1人の生徒を複数の教員で教えることもあります。「わかった」という喜びを与えてあげたい、その思いで教員は教えています。

「教員にとっても『数学の部屋』は学びの場」

佐藤先生 自分が教えていない生徒から質問されるというのは通常あまりないので、緊張感があります。いきなり高3の理系の生徒から数学IIIの問題を教えてください、ということもあるわけです。

岩﨑先生 自分が教えていない学年の生徒から突然質問されるのはプレッシャーですが、その分、鍛えられますね。教えていない学年のことはあまり知らないとなりがちですが、「数学の部屋」でいろいろな学年の生徒を教えるのはいいことだと思います。

佐藤先生 教員にとって自分の教え方が明け透けになるのはこわいものですが、元来、数学科はオープンな雰囲気があり、教員同士で学び合おうという意識が高い。「数学の部屋」は、教員にとっては教える力を鍛える場になっています。「数学の部屋」がうまれた背景には、普段から数学科が教員同士、お互いに授業見学をしていることもあります。風通しがいいのは本校の数学科の特徴です。

岩﨑先生 私も1年目に他の教員全員の授業を見せていただき、とても勉強になりました。「数学の部屋」でも他の教員の教え方を間近で見て、学ぶことが多いです。

白百合学園中学校

「進路は自分に合った大学選びを重視」

佐藤先生 本校は、東大や一橋大といった難関国立大学に進学する生徒を育てる学校ではありません。ですから進路指導は自分に合った大学に進学するように心がけています。進学校なら難関国立大学の受験を勧めるような成績トップの生徒が慶大の推薦を受けるということも珍しくありません。

本校の生徒は力みがないというか、いい意味でのんびりしています。それが進路選択にも現れているのでしょう。その代わり、自分に合っているかどうかしっかり見極めます。そうして自分に合った大学に進んだ生徒は大学でも成績優秀ですし、社会に出てからも活躍しています。

インタビュー 3/3

白百合学園中学校

白百合学園中学校1881(明治14)年にカトリックのシャルトル聖パウロ修道女会を設立母体として創立。2007(平成19)年には創立125周年を迎えた。校名に冠している白百合の花は聖母マリアのシンボル。「カトリック精神に基づいた世界観と、道徳的信念を養い、神のみ前に誠実に生き、人としての品位を重んじ、愛の心を持って人類社会に奉仕できる人間の育成」が教育方針。校訓である「従順・勤勉・愛徳」の精神をあらゆる場で実践する。

多くの文教施設に囲まれ、緑豊かな靖国の森と隣接し、九段の閑静な住宅街に厳粛で落ち着いた風情が漂う。聖堂、講堂、図書室、体育館、天文観測室など施設・設備は充実しており、校内は整然とした美しさを保つ。併設の大学はあるが、純然たる進学校としてのカリキュラム編成。人間として当然学ぶべき基礎教養を身につけることが、結果として進学実績を高めている。高2から大幅な選択制に。難関大学への現役合格率は高い。理系志向も強く、進学者の約30%を占める。

一日は朝礼での祈りに始まる。社会奉仕の小百合会、点字部などの活動は盛ん。クリスマスの1日は、全校生徒が校内・校外にわかれ、奉仕活動を行う。校内ではセーラー服の上にタブリエというスモックを着用して生活。週5日制だが、土曜日は行事などにあてられることもある。学園記念日・ミサ・合唱祭、高原学校、球技スポーツ大会、学園祭、クリスマス会など行事も多種多彩。「修養会」では、心静かな祈りや講話、友人との話し合いなどを通じて、人生の根本問題を深く考え、自分で自分の心を育てる喜びの体験をしている。

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