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出題校にインタビュー!

2013年 穎明館中学校【理科】

穎明館中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1.受験のための勉強ではつまらない。外へ出て生物を観察したり、図鑑を見たり・・・。生活の中でもっと学ぼう!

「理科に欠かせない、考察、検証を繰り返す力を問いたかった」

稲福先生 トンボを題材にしたのは、誰もが目にしている虫であり、小学生なら一度くらいは捕まえてじっくり見ることくらいはしているだろうと思ったからです。入試問題ではよく作図も出すのですが、トンボなら子どもたちに聞いても答えられると思いますし、どのくらいよく見ていたかということもわかりやすいのではないか。また、トンボの「縄張りをもつ」という性質も考察問題に活用できると考えて、トンボを選びました。

情報がやや多めになった意図は、与えられた情報からいかに必要なことを読み取り、生き物の共存につなげて考えられるかを問いたかったからです。理科の研究において、考察、検証を繰り返す作業は欠かせません。そこで子どもたちが与えられた情報から必要な情報を選び取り、その情報が正しいかどうかを検証し、新たな疑問点が生まれれば、それについて考え、再び検証する・・・というように、繰り返し作業する力をもっているかどうかを問いたいと考え、このような形の問題を出題しました。

理科/稲福 淳也先生

理科/稲福 淳也先生

「本当の理科の楽しみを知るには情報から深く考えることが大切」

稲福先生 生物の問題は名前を聞くような問題が多くなりがちです。子どもたちも、虫を見て「なんだろう?」と思っても、名前を聞いて満足してしまうところがあると思うんですね。エサをとっているなど、一つひとつの現象はわかったとしても、それをふくらませて理解するところまで行っていないと思うのです。

本当の理科の楽しみを知るには、情報を集めて、そこからさらに深く考えることが大切です。深く掘り下げてみると、生物の営みは非常に複雑であり、非常に効率的な生活をしているなど、そういうところまでわかって、初めて楽しさを実感できると思うのです。ですから、入学して理科の勉強をしていくうえでも、そういうところに気づいてもらえると、生物は覚えることばかりだというイメージを払拭できるのではないかと思いますし、他の理科的な考えともつながって、一段ステップが上がりますよね。

知っている。知らない。そこから、こういう虫はこういう生活をしている。そういう見方ができれば、より理科好きが増えるのではないかという意識は、授業をするうえでも、入試問題を作るうえでももっていますので、問題を解いた子がおもしろかったと思ってくれれば嬉しいです。

「正答率は想像以上に高かった」

実際のでき具合はいかがでしたか?

稲福先生 今回、トンボの問題だけで8問。図を描くところまであります。取りあげてもらった問題は、その中の第4問と第7問に当たるのですが、正答率は結構よくて、問4は80%、問7は72%でした。むしろその前後の、虫を選ぶとか、両生類を選ぶ問題のほうが、出来がよくなかったんですよ。考えることが身についている受験生は、データを読み込んで考えることを訓練していて、(こういう形式の問題は)得意なのではないかと思いました。

私としては、虫を選ぶとか、両生類を選ぶ問題のほうが出来ると思っていたのですが、それらの問題の正答率は4割程度でした。授業では「こういう生き物はこうだよね」「こういうところに生息しているよね」と言いながら進めていきますので、実はある程度の共通認識として生き物の名前は知っていてほしいんですよね。そこを意外と知らないということは、自然の中で遊んだ経験が少なくなっているのかなと思いました。我々のスタンダードと彼らのスタンダードはだいぶ違うのだと感じました。

穎明館中学校 先生

「自然を見る目をもっと磨いてきて欲しい」

稲福先生 トンボの作図問題も、もっとできると思ったのですが、減点法でつけて正答率は55%くらいでした。(パーツの)場所をわかって書けている子もいれば、羽の位置がまったく違っている子もいて、よく観察していないのかな。受験のための勉強になってしまっているところが残念だなと思いました。

この考察の仕方は入学してから生きてきますから、知識の部分(観察しているかどうかという点)では、実物を観察したり、図鑑を見たりして、生活の中でもっと学んでほしいなと思います。もちろん入試を突破することも大事なのですが、入学してから力を伸ばしたいと思っていますので、そういう経験をできるだけたくさんして、自然を見る目を磨いてきて欲しいですね。

「トンボの腹部から羽がはえている?」

今、正答率を伺って、意外だなと思う半面、私たちが実施しているテストなどでも、知識が弱いなと感じることがあります。授業の中で昆虫のつくりを描く時などは、トンボについて描きましょうというよりは、いずれ分類などに結びつくように、昆虫というくくりで一般化しているんですね。汎用性を意識して伝えていますので、実物を目の前にした時に学んだことが一致するかというと不安はあります。それがこういう結果につながっているのかなと思いました。

稲福先生 トンボの腹部から羽がはえているという答えが多かったんですよ。そこに「あれっ?」と思ったんですね。もしかしたら、トンボに限定したので、できなかったのかもしれませんね。これを「昆虫は?」と聞いていたら、正しい答えを描いた可能性はありますね。

具体すぎてまどわされたということは、あったかもしれません。

穎明館中学校

「野菜の断面図、昆虫の体のつくりなどは頻繁に出題」

今回取りあげた問題がよくできていたということですが、学校説明会などで、こういう力を問いますよというのは伝えているのですか。

稲福先生 はい。考察問題、実験・観察から導き出す問題や、計算をする問題、作図問題というのは毎年必ず出していますので、それを説明会ではお伝えして、どういう勉強をしたらいいかということもお話しさせていただいています。

例えば、野菜の断面図や、今回のような昆虫の体のつくり・・・、そういうものをよく出しますので、こういうところに目を向けてくださいね、ということですね。ですから、本校が第一志望の受験生は準備してきていると思います。

男女別に正答率を出すようなことはされていませんか?

稲福先生 昨年あたりから女子の受験生がとても増えたのですが、それまではそんなに多くなかったんですよ。ですから数字は出していません。私のイメージでは、女子がトンボの作図で引けを取るということはなかったですね。

「メスを捕まえる確率に注目し、答えを導き出した可能性も」

今回、問4と問7を抜粋させていただいたのですが、その間の問5(領域の広さと他のオスとの関係を聞いた問題)と問6(領域の広さと侵入したメスとの関係を聞いた問題)も、とてもおもしろい問題だなと思いました。紙面に余裕があれば掲載したかった問題なのですが、こちらも同じようにできていましたか。

稲福先生 こちらはできていなかったです。「誤っているものを探しなさい」と聞いたので、それに気づかずに、合っているものを探してしまったのかなと思います。問5の正答率は55%、問6は45%でした。私としては、いきなり問7を聞くのは難しいので、誘導するような形で問5、問6を作ったつもりでした。ですから、問7ができているのに、問5、問6ができていなかったのは意外でしたね。

私も解いていて、だんだん選ぶ視点が難しくなっていくなという印象でしたので、視点だけを拾って、最後にどこを見ればいいのかというやり方をした子が効率よく正解を出したということでしょうか。

稲福先生 もしかすると表の中は見やすかったのかもしれませんね。メスを捕まえる確率が67%で、問7の答えがEになりますよね。広いし、エサもたくさんあるのだろうと考えられますから。エサをとった回数を10から12と幅を持たせたのは、誤差の範囲だということに気づいてほしかったからなのですが、Eは12回捕まえているから、パッと選んだ可能性もあるかもしれません。

また、ちゃんとわかっている子であれば、昆虫など生物であればエサの確保と繁殖が生活の中で一番大事なところになりますから、メスを捕まえた回数が一番多いからEを選んだという可能性もありますよね。

問5、問6は、頭の中で考えるには難しかったかもしれませんね。

稲福先生 そうですね。4つの文章から間違っているものを答えさせたので、微妙な違いを読み取るのが難しかったかもしれません。時間があればできたかもしれませんが、時間に追われている中で、文章を読み、一つひとつ検証して、正解を導き出すのは難しかったのだと思います。

理科/稲福 淳也先生

理科/稲福 淳也先生

インタビュー 1/3

穎明館中学校

穎明館中学校1985(昭和60)年、学校法人・堀越学園によって、高等学校が開校された。87年には中高6年間一貫教育を目指して中学校を開設し、現在に至る。校名の「穎」は堀越克明学園長の祖父堀越修一郎が1877(明治10)年から刊行した「穎才新誌」に由来する。

21世紀の国家を担い、国際社会で活躍する真のリーダーの育成を目指すため、Experience(体験)、Morality(道徳)、Knowledge(知識)のEMKを教育の柱に据える。知育を軸に志望どおりに進学し得る学習指導の徹底をはかり、豊かな体験学習を取り入れるなどして興味を引き出す指導も実践している。

八王子南部の緑豊かな多摩丘陵に12万m2の広大な校地を有す。全教室冷暖房完備。400mトラック、夜間照明付き野球場、テニスコート、体育館、武道場、室内温水プールなどをはじめとした施設があるほか、天体観測室、図書館、コンピュータ室などを備えた無窮館もあり、2001年には21世紀記念館が完成した。食堂があり、給食を実施(弁当を選択することもできる)。

授業6日制、1時限50分で基礎・基本から応用までしっかりと習得する。高2までに中高の課程を修了し、高3では進学のための重点学習を徹底させる。中1の英語と中1・中2の英会話は1クラス2分割の少人数制。高1から英・数・国で習熟度別授業が行われる。高2で文系・理系に分かれ、高3でさらに国公立大・私大別の4コースに。放課後や休暇中の補習や講習も充実している。高1では英語のほかに第二外国語を選択することができる。難関私大への実績はもちろんだが、最近は東大をはじめとする国公立大への実績が注目されている。

自習用個人ブースもある図書館は、7時30分から18時00分まで開放され、放課後は多くの生徒が利用している。クラブ活動は、体育系14、文化系13があり、週に3~5日程度活動。2000年には生徒会組織が発足し、EMK学校祭(文化祭・体育祭)やクラブ活動も生徒主体に進められるようになった。新春恒例の百人一首大会では中1から中3までが参加して、熱い戦いが繰り広げられる。また体験を重視する校外行事として、中1の菅平オリエンテーション合宿、中2の広島宮島体験学習、中3の奈良・京都体験学習、高1のUSA体験学習などが実施されている。制服のアイテムが豊富で、自由に組み合わせて着用できる。

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