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出題校にインタビュー!

2013年 市川中学校【理科】

市川中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.SSHの取り組みで、生徒の自主性や積極性が高まった

「生き物の飼育など普段の理科の活動も大切にしよう」

志賀先生 本校の入試問題は、基本的な内容をきちんと学習していれば解ける問題がほとんどです。手ごたえのある問題としては、丸暗記ではなく、より深く理解した知識を正しく使って解く問題や、普段から「なぜだろう?」という疑問を持って考えている受験生が解けるような問題を出題しています。第1回入試では、月の見え方の問題を出しましたが、「月がいつも同じ面を向いている」という現象について、「それはなぜか」「どういうことなのか」というところから、「相手側から見たらどうなるだろう」という普段とは異なる視点を科学的に考えられるかどうかも試したいと思いました。

生物分野で「最後の脱皮を終えたカイコの幼虫のあしを描きなさい」という作図問題を出しましたが、これは正答率がかなり低かったです。ただ、モンシロチョウの幼虫については小学校で習いますし、教室で飼っていたという子も多いと思います。この問題は、入試によく出るから勉強する、あまり出ないから勉強しないということではなく、普段の学習を大切にしてほしいというメッセージでもあります。そうした普段の活動に積極的なお子さんに入学してもらいたいと思っています。

理科/志賀 悠一先生

理科/志賀 悠一先生

「定量的な実験を通して、物理現象を表す数式を理解する」

志賀先生 生徒が理科のおもしろさに気づくきっかけになればと思い、教員はいろいろな実験装置を自作しています。例えば、レーザーポインターを用いた光の回折装置や、放物運動の実験でモンキーハンティングをやってみたり、力学的エネルギーでは自作のジェットコースターの模型を使ってどちらのレーンが早く着くか予想し、実際にやって見せて、なぜそうなるのかを考えさせます。

実験は、定性的な実験や数式だけで終わらせずに、本当に数式どおりになるか、数式がどんなことを表しているのか、実際の物理現象と結びつけて理解できるように実験をして確かめます。微分方程式を使ってかなり複雑な計算式にはなりますが、数式で表すところまで踏み込みます。生徒もそうしたところに興味を持ちます。「減少する」といってもどのように減少するのか、実際に計算式を立てて解析します。こうして実験をして数式を解くことで、「あの現象はこうなっているんだ」とわかる喜びを大切にしています。

「SSHの大きな収穫は、自分の意見を発言できるようになったこと」

志賀先生 私は高校生を教えていますが、ここ数年、理科に対するモチベーションが高い生徒が増えたと感じます。高校の文理選択で理系選択者が増えているのも、2009年度にスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けた効果だと思います。

これまでのSSHの最も大きな成果は、生徒が自分の意見をしっかり発言できるようになり、積極性が出てきたことです。SSH初年度は、大学や企業で講演を受けたり、他校の研究発表会に参加したりしても自分の意見を述べることがなかなかできませんでした。ディスカッションに参加することで、その研究テーマへの理解を深め、よりよい結果に到達できることを強く指導した結果、論理的に意見のやり取りができるようになり、最近では質疑応答の時間を目一杯使うほどになりました。

なぜ、意見を述べられなかったのかというと、講演会で「メモをしながら聞く」ということをしておらず、ほとんどが発表の内容を理解できていなかったためです。授業では板書の内容をノートに書き写していますが、口述やスライドの内容をメモする習慣がありませんでした。

そこで講演の内容を整理できる「質問シート」を作成しました。いつ、何について説明したか、疑問点などを書き込む欄を設けて、自分のメモから質問のポイントをまとめられるようにしたことで、ずいぶん質問できるようになりました。

理科実験

「他校の生徒が何よりの刺激」

志賀先生 高1~高3の理科の授業はSSHとして実験を多く取り入れています。その中でプレゼンテーションやディスカッションの力を育成しています。実験後のディスカッションは、始めの頃は教員が手取り足取り指導していましたが、最近では積極的に意見を述べて討論を引っ張る生徒も出てきました。

生徒に大きな影響を与えるのが他校の生徒の存在です。非常に自由闊達な意見を述べる他校の生徒と一緒に発表会を行うと、生徒の取り組む姿勢がガラリと変わります。他校と一緒に行う研究発表会など、生徒の刺激になる機会はできるだけ設けるようにしています。

レポートについては、物理ではすべての実験で提出させています。実験で得られた現象をどのように整理しているか、どのような結論を導いているか、実験がうまくいかなかった場合はなぜうまくいかなかったのかなどをまとめます。自分の考えをまとめることに力を入れて指導しています。

プラスαとして、実験結果から「こうしたらどうなるだろう」と自分が立てた仮説の検証も、なるべくサポートしています。研究の進め方は、大学に進学してからのことも視野に入れて指導するようにしています。

「外部コンテストの受賞者も増えてきた」

志賀先生 SSHの大きなテーマの1つが、高2の課題研究です。2012年度は220名がSSHのカリキュラム「市川サイエンス」を履修しました。

年度末に発表会を行っていますが、今回初めて高1の理系選択者にも発表を聞いてもらいました。高1が高2でどんな研究をやりたいか考える場になればと思い設定しました。高2はこれまでの締めくくりとしてよい発表ができたと思いますし、高1も高2の気迫を感じ取ったようで、とても熱心に聞いていました。

研究の成果は学会のジュニアセッションなど外部でも積極的に発表しています。ポーランド科学アカデミー主催の「国際物理論文コンテスト」で佳作に選ばれるなど、国内外の論文コンテストで受賞する生徒が増えてきました。

髙田先生 実験室のあるフロアに、外部のコンテストで受賞した研究のポスターパネルを掲示しています。理科主任が「5年かけて埋まればいいかな」と言っていましたが、4年経たないうちに埋まりました。これは生徒が意欲的に発表した成果だと思います。

広報部部長/高田 敏行先生

広報部部長/高田 敏行先生

インタビュー 2/3

市川中学校

市川中学校1937(昭和12)年、市川中学校として開校。47年、学制改革により新制市川中学校となる。翌年には市川高等学校を設置。2003(平成15)年には中学で女子の募集を開始し、共学校として新たにスタート。同時に新校舎も完成させた。女子の1期生が高校へ進学する06年には高校でも女子の募集を開始。今春共学1期生の生徒たちが大学を卒業し社会人として巣立った。

創立以来、本来、人間とはかけがえのないものだという価値観「独自無双の人間観」、一人ひとりの個性を発掘し、それを存分に伸ばす「よく見れば精神」、親・学校以外に自分自身による教育を重視する「第三教育」を3本柱とする教育方針のもとで、真の学力・人間力・サイエンス力・グローバル力の向上に努めている。

効率よく、密度の濃い独自のカリキュラムで、先取り学習を行っていく。朝の10分間読書や朝7時から開館し、12万蔵書がある第三教育センター(図書館)の利用などの取り組みが連携し、総合して高い学力が身につくよう指導している。中学の総合学習はネイティブ教師の英会話授業。2009年度より、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校となる。授業は6日制で、中1、中2の英語7時間、中3数学7時間など主要科目の時間数を増やす。ほかに夏期講習もあり、中1・中2は英・数・国総合型講習を実施。高校では、高2で理文分けし、高3ではさらに細かく選択科目等で国立・私立のコースに分かれて学ぶ。授業の特徴としては、インプット型の学習で基礎力を育成するともに、SSHの取り組みとして、研究発表、英語プレゼンなどを行う「市川サイエンス」、対話型のセミナーである「市川アカデメイア」といった発表重視のアウトプット型の授業展開を実施している。教科の枠を越えたコラボ授業として、中1では建学の精神にもある“なずな”を理科で観察し、国語で芭蕉の俳句を学び教科としての連携をとっている。他にも音楽×国語で合唱祭の作詞、国語×社会×数学でディベート大会など多くの教科でコラボしている。

高1の各クラスごとに3泊するクラス入寮は創立当時から続く伝統行事。クラブは中高合同で活動する。行事は体育祭、文化祭のほか、自然観察会、合唱祭、ボキャブラリーコンテストなどもある。夏休みには中1、中2で夏期学校も実施。中3でシンガポールへの修学旅行を実施。また、希望者を対象にカナダ海外研修(中3)、イギリス海外研修(ケンブリッジ大学、オックスフォード大学中3・高1)、ニュージーランド海外研修(高1)が実施されている。生徒のふれあいを大切にしているが、カウンセラー制度も設けて生徒を支えている。

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