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出題校にインタビュー!

2013年 聖セシリア女子中学校【社会】

聖セシリア女子中学校の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1.「企画書」として書かせることで、いろいろな力が試せる問題

「『社会の一員として』『リーダーとして』考えてみよう」

田畑先生 環境を守る身近な取り組みについて、子どもたちがどのように考え、それをどう企画して行動に移していくのか聞いてみたいと思い、この問題を作りました。小学生であっても社会の一員であることに変わりありません。社会の一員として、自分は何ができるかを考えてほしいと思いました。

それをあえて「企画書」という形でまとめてもらいました。これまでの入試でも「あなたはどう考えますか」という説明問題を出していますが、企画書の形式で解答してもらったのは初めてです。

企画する活動は、「参加者は生徒全員」が条件です。自分1人で考えて1人で行動するのは、その気になればできるでしょう。しかし、自分がリーダーとなってみんなを動かすのは容易なことではありません。大勢を納得させて動かすにはどうすればいいか、リーダーの視点で企画を考えることができるかどうかも試しています。

社会科/田畑 希未先生

社会科/田畑 希未先生

「“マニュアル化”された答えが目立った」

田畑先生 この問題に関しては、できる・できないに関わらず、受験生の考え方を知ることがねらいです。こうした力を持つお子さんに入学してもらいたいというよりも、中高6年間かけてこのような力を身につけられるようにしたいという思いです。そのスタートがこの問題です。

答案を見て思ったのは、“マニュアル化”された答えが多いということです。「環境問題ならこう答えればいい」と丸覚えしたような、よくある答えが多かったですね。ユニークな発想の、その受験生独自の切り口の提案はあまり見られませんでした。

「『見たそのまま』で終わらせず、想像力をはたらかせよう」

田畑先生 図は2点用意しました。図2を選択した受験生が多かったのは、子どもが環境問題としてとらえやすかったのでしょう。特に「河川をきれいにする」活動として、「河川の清掃を地域の人々と協力して行う」という提案が非常に多かったです。

1は自動車がたくさん描かれていますが、「休日は車に乗らないようにしよう」というように、見たそのままの解答が多かったですね。「なぜ」交通量が多くなっているのかというところまで想像力をはたらかせることができなかったようです。

また、図には民家やマンションが描かれています。そこに目を向けて、「多くの人が暮らしている地域」のイメージを持つことができるかどうかも見ました。図2は公園があることから「子どもが多い地域」と想像できれば、そのような環境で必要なことについて提案できたのではないでしょうか。イメージできる材料はいろいろあったと思いますが、河川のことばかりに集中していたのは少し残念でした。

実は、図1で描かれている環境は本校の環境とよく似ています。本校は厚木基地に近く、学校のすぐ側を通る座間街道は交通量が非常に多い環境にあります。入学後にこの問題を思い出して身近な環境問題を考えるきっかけになるなど、次のステップにつながるような問題を出したいと思っています。

聖セシリア女子中学校

「協力者を得るには、論理的な説明が必要」

田畑先生 採点は、型どおりの解答であっても、「これをやりたい」という受験生の思いをできるだけくみ取るようにしました。最後の問題は受験生の思いを問う形式にしています。「思い」を点数化するのはなかなか難しいのですが、できるだけ点数をあげるようにしています。

こちらが「ここまでできてくれたら」というところまでは到達していなくても、部分点がもらえた受験生は多かったので、得点率としては結構高くなりました。「私はこれをやります」という宣言だけでは不十分ですが、「個人の活動を、それぞれがやるから意味がある」というところまで説明できると、より得点できます。

自分の提案に賛同してもらうには、説得力が必要です。ただ、たくさん書いたからといって説得力があるわけではありません。論点がずれてしまえば説得力に欠けてしまいます。

単に「こういうことをしたいと思います」というだけでは相手の共感は得られません。まずは状況をとらえて問題点を指摘します。次に、その問題の原因を分析して、解決するために何が必要か自分の考えを述べて、「だから、みんなでこんなことに取り組みます」というように論理立てて説明できると、説得力のある内容になります。

インタビュー 1/3

聖セシリア女子中学校

聖セシリア女子中学校1929(昭和4)年、カトリック信徒だった伊東静江前校長により、大和学園女学校を現在地に開校。その後、小学校、幼稚園を併設し、戦後に大和学園中学校、大和学園女子高等学校を開校。50年には短大を併設。79年、創立50周年を機に現校名に改称。09(平成21)年に創立80周年を迎えた。

併設小学校・短大が隣接し、樹齢100年を超える松林に囲まれた緑豊かな環境にある。メディア・ラボや温水プール、総合グラウンド、トリニティホール、学習センターなど施設は充実している。

カトリック精神に基づき、“信じ、希望し、愛深く”を心の糧として、知育・徳育・体育のバランスのとれた総合教育を目標としている。少人数教育の実践をとおして、「神を識り、人を愛し、奉仕する心をもって、広く社会に貢献できる知性をもった人間の育成」が建学の精神である。「宗教の時間」が週1時間設けられ、家庭的で温かな校風。まじめで礼儀正しく、素直な生徒たちが多い。

英語は中学では週6~6.5時間(高校で70分授業が一部ある)と多い。「使える英語」の習得を目指し、外国人教師とのチームティーチングを採用。各教科では担当教師が作成したワークブックにより、家庭学習の習慣をつけるよう指導される。また教師が推薦する図書リスト『ジュニア文庫101』を利用しての読書指導も実施。水泳は分割授業で指導する。高校では英・数・国で習熟度別授業を実施。高2から進路の多様化に合わせたコース別選択制をとる。少人数制のきめ細かい個別指導の結果、卒業生の90%以上が現役で4年制大学へ進学。難関大学への合格者も増加している。授業は5日制で、土曜日は補習や講習を集中して開講。希望により夏休みに英・数・国の補習が行われる。

クラブは中1から高1まで必修で、集団性を重視するクラブ活動9と個性発見と教養を深めるフォーラム活動13がある。伝統の水泳部ほか硬式テニス、ブラスバンド、ハンドベル部などが活躍。中学ではオリエンテーション合宿や林間学校、スキー教室をはじめ、幼稚園から短大まで全学園の生徒が参加する青葉祭(バザー&アトラクション)、学習成果の展示・発表の文化祭、音楽の聖人である聖セシリアを賛美する聖セシリアの祝日・発表会など多彩な行事が行われる。福祉活動の「テレサ会」や福祉委員会が中心となり、奉仕活動に積極的に参加。中3~高2の希望者は海外語学研修(マルタ島・ローマ)もある。コミュニケーション力育成のために「構成的エンカウンター」を導入。

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