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シカクいアタマをマルくする。

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出題校にインタビュー!

2013年 自修館中等教育学校【国語】

自修館中等教育学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

2.受験生の取り組みやすさは意識しているが、入試では苦手を攻めて本物の力を問いたい。

「文脈や言葉のつながり、関係を意識して生活してほしい」

「シカクいアタマをマルくする」のインタビューを始めてから、自修館にお話を聞くのは4回めになります。実は、最多出場校なんですよ。ですから、教科を問わず、毎年、意図をもって問題を考えていらっしゃるという印象をもっているのですが。

黒瀧先生 理科なども、最後の問題は特色があって、発想力を問う問題を出していますよね。理科なりのものの見方があるのだと思います。

鈴木先生 国語もずっとこのような問題を出していますが、受験生の側面を垣間見られる問題ですよね。先ほども申しましたが、国語は言葉と言葉をつなげて文脈を作って、いろいろな表現で相手に伝えていくのですが、文脈をとらえるというのが、ここ数年、できていないような気がしています。

読解問題などでも比喩表現を聞く問題などが結構できないのです。比喩というのは前後のつながりでその言葉が表すものを読み取るのですが、その言葉だけを見ているのです。その言葉の前後のつながりまで、ちゃんと見えていないんですね。段々学年が上がると長い思考をしていくと思うので、その出発点として、日頃こういうものを勉強しながら、少しでも文脈や言葉のつながり、関係というものを意識して生活してほしいなという気がしています。

自修館中等教育学校 先生

「今年の入試では象徴的な表現や情景描写などを意識した」

今、5番の問題についてお聞きしましたが、国語科として、入試問題全体で大切にされていることはありますか。

黒瀧先生 比喩という話がありましたが…。まさしく字面だけでなく、これは前のことを表している象徴的な言葉であることに、最近の生徒たちは気づきにくくなっていると思うんですね。ですから今年は象徴的な表現や情景描写などをかなり意識して (問題を)作りました。

鈴木先生 そうですね。漢字なども、イメージしやすい言葉は簡単に答えられるんですね。今回の問題でいうと「納豆」とか、「薬局」とか、「銀河」とか。それが抽象語になると、一つひとつの漢字はやさしくても正答率が下がるんです。例えば「勝算がある」などは差がついた問題の一つです。漢字一つとっても、言葉の語彙力を試したいので、単にドリル形式で勉強するだけではなく、知らない言葉に出会った時には辞書を引いてみるとか、普段から活字に接するとか、そういうことをしてほしいんですよね。友だち同士の会話は単語で通じるかもしれませんが、自分と異質な文化をもつ他者との会話はそうはいきません。そういう経験をどれだけしているかが語彙力につながると思うので、そういったところはきちんと見たいですね。文章読解でも、当然語彙力をベースにした読解力を見たいと思っています。

「感覚は一朝一夕では養えない」

鈴木先生 2番は言葉の知識ですね。ことわざや四字熟語などを出すと、それらの知識は頭に入っていて解けるのですが、前後の文脈で言葉をとらえる力を試したくて出した問題は、6割前後の正答率でした。

A1日程の問題でいうと、「彼は日本に来たばかりで、まだ日本語が〈・・・・〉」などという文の〈・・・・〉に言葉を入れる問題ですね。この文の選択肢には「よそよそしい」「おびただしい」「たどたどしい」「おくゆかしい」を用意しました。

普段、活字を読んでいる子であれば、リズムで出てきそうな問題ですよね。

鈴木先生 そういう感覚ですよね。

黒瀧先生 そういった感覚は一朝一夕では養えないですからね。(C日程の問題、5番で出した)「とりわけ〈・・・・〉」はおもしろかったですよね。

鈴木先生 それは文の一部が空欄になっていて、そこにあてはまる短文を考えるという問題でしたね。「とりわけ〈・・・・〉」と出したら、食べ物を取り分けると勘違いしている受験生がいました。解答欄に「る」だけ書いてあるんですよ。なんだと思いましたね(笑)。

小学生があまり使わない言葉ですからね。

鈴木先生 「とりわけ○○が好きだ」などという解答を期待していたのですが、「取り分けてケーキをあげます」というような解答が見られました。これも言葉の機能ですよね。

国語科主任(平成24年度)/黒瀧 裕之先生

国語科主任(平成24年度)/
黒瀧 裕之先生

「条件を複雑にした問題も出題」

鈴木先生 「たとえ〈・・・・〉」という仮定条件に「さらに〈・・・・〉」をつけて、「たとえ雨が降っても、さらに風が吹いても、運動会はやります」というような、ちょっと複雑な条件をつけて短文を作る問題も出しました。

これは今年の問題ですか。

鈴木先生 はい。C日程で出題しました。「彼はとても頑固な人です。昨日も〈・・・・〉。」という問題では、頑固な様子とはなんだろう。昨日もこんなことがあったんだよね、という、頑固な様子の具体例を書いて欲しかったんですよね。

これは小学生には難しい問題のような気がしますが…。

黒瀧先生 「昨日も」という条件があるので、文章のつながりも必要ですよね。その中で頑固なエピソードが出てくるといいなと思って出題しました。

鈴木先生 合格者の5割くらいは正答していましたよ。

「子どもが出てくる小説でも、受験生にとって昔の作品は難解のよう」

50分で解くにはボリュームがありますよね。

鈴木先生 今年は少し字数が多かったかもしれませんね。そういうところは設問数や難易度で合わせているという感じです。

黒瀧先生 傾向として、子どもが出てくる小説は受験生が受け止めやすいのですが、昔の作家だったりすると、とたんに受け止め方が難しくなるんですよね。今年はその差がちょっと出ましたね。やはり言葉の使い方が違うんですよね。現代作家は流れを追って、その理由を明確にしているのですが、昔の作家は飛び飛びに書いている。そういう文体になるととたんに難しくなるのかなという印象を持ちました。

鈴木先生 平成も25年まで来ましたので、昭和でも戦前の作家、芥川はまだ読めるのかも知れませんが、漱石などが使う言葉は最近の小説では使われていない言葉なんですよね。内容は子ども同士のやりとりで、流れている心情は嬉しいとか悲しいとか。そこに大きな変化はなくても、表現に抵抗感が出てくるような気がしています。こちらとしては日本語の一つの表現ですから、昔の作家の作品も知っていてほしいな、読み取ってほしいなという思いがあるのですが、受験生の実態とそぐわないところがあるのかなとも思うので、悩ましいんですよね。

ここ数年の出題を見ていると、小説でもエッセイ風に書かれているものが多いような気がするのですが、それは先生の好みなのでしょうか。

鈴木先生 最終的には好みになりますが、入試の必然性として気持ちの変化とか、登場人物の葛藤とか、そういうものがある場面は出しやすいですよね。

男の子が読んでいてわくわくするようなものが多いという印象がありますよね。

鈴木先生 素材を選ぶ時に、女の子が主人公のものも探すのですが、成長や友情を育むようなものがあまりなくて、結構どろどろしているんですよ。

そうかもしれないですね。

鈴木先生 去年は女の子を意識して山田詠美を出しました。

自修館中等教育学校

「小説では“文脈で読み取る力” を見たい」

必ず慣用句を入れるなど、問題の形式で意識していることはありますか。

鈴木先生 形式はほとんど変えていないと思います。

黒瀧先生 国語の場合は記述させたり、選択肢で聞いたり、空欄で慣用句を聞いたりとオーソドックスになってしまうのですが、あまり文学史を聞いたりはしていないですし、こてこての文法問題も出していないですね。

鈴木先生 結局、小説は書いてある文章から、書かれていない気持ちをいかに読み取っていくか。それはやはり文脈で読み取る力がしっかりついていなければできないことなので、必ず見たいですよね。選択肢(で聞く問題)では限界があると思います。その気持ちが生じた理由というのも必ずあるので、こうだからこうなったという因果関係みたいなものを文の前後から読み取ってもらいたいんですよね。さらに的確な言葉でそれを表現できる力は、記述形式でなければ問えないところがありますね。

国語科/鈴木 雄一郎先生

国語科/鈴木 雄一郎先生

「小説の心情類推は実生活でも役立つ」

文章で書かれていない気持ちを読み取れる子は、中学生活の中でもコミュニケーションをとれていますか。

鈴木先生 それはそうですね。関係ありますね。

心情類推が多いのは、入学後のコミュニケーションも考えてのことなのでしょうか。

鈴木先生 そうです。ただ、対面していれば表情やしぐさなど、言葉以外のものからも気持ちのやりとりはできると思いますが、文章ではそういうのも含めての読み取りだと思うんですよね。ですから、いかに相手の気持ちを尊重するか、というのは、中学校以降の生活でも必要になってきますよね。

人間、表情と気持ちが違う場合もありますから、その時の言葉と本音は違うかもしれませんが、今までの流れから「こうだろう」と予想はできると思うので、断片的なものだけではなくて、前後の関係からとらえていく力は必要だと思います。

インタビュー 2/3

自修館中等教育学校

自修館中等教育学校スクールバスにて小田急線愛甲石田駅より約5分、JR東海道線平塚駅より約25分。目の前には緑多い大山と丹沢の山々があり、恵まれた自然環境。校舎は、5階建ての教室棟と実験棟からなり、図書室、PC教室、VL教室などを備え、高度情報化社会に対応したつくり。体育館や屋上にプールを備えたアリーナもある。学校食堂の枠を超えたレストラン、カフェテリアも好評。

建学の精神「明知・徳義・壮健」の資質を磨き、実行力のある優れた人材を輩出し人間教育の発揚を目指す。そのため、学力とともに、「生きる力」を育成するテーマ学習や心の知性を高めるEQ教育などユニークな取り組みを実践。教育を“こころの学校作り”ととらえ、学校を想い出に感じ、帰れる場所に、と家庭とも連携を保ちながら、きめ細かい指導にあたっている。

中1~中3を「前期課程」、高1~高3を「後期課程」とした、高校募集のない完全中高一貫の体制。3カ月を一区切りとする4学期制で、メリハリをつけて効果的に学習を進めている。英・数は「後期課程」から習熟度別授業を実施。英語の副教材には、『フォニックス』、『ニュートレジャー』を使用。興味のあるテーマを選んで継続して調査・研究を行う「探究」の授業もある。指名制の補習と希望制の講座がさかんに行われている。また個別指導が多いのも特徴。

週6日制だが、土曜日の午後は自由参加の土曜セミナーを開講。「遺伝子組み換え」「古文書解読」「伊勢原探訪」など生徒対象のものだけでなく、保護者対象の講座も多数用意している。心の知性を高める「EQ」理論に基づいた心のトレーニング「セルフサイエンス」、学校・家庭・世界を結ぶJネットステーションを活用したPC教育、国際理解教育など、特色ある教育を展開。中1のオリエンテーション、中1~3で山歩きに挑戦する丹沢クライム、芸術鑑賞会などの行事がある。文化部8、運動部10のクラブ活動も活発。「探究」の一環として、高2で生徒自身の企画による海外フィールドワーク(アメリカかヨーロッパを選択)が行われる。

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