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出題校にインタビュー!

2013年 自修館中等教育学校【国語】

自修館中等教育学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1.日頃から言葉に敏感になろう。知っている言葉を、自分でも使えることが大事だ。

「言葉を正しく使えるか、問いたかった」

まずはこの問題の出題意図からお話いただけますか。

鈴木先生 このところ生徒が作文をする際に、言葉の使い方が正しくできていないのでは?という懸念があり、「つまり」「だから」という接続語は、どういう時にどういう場面で使うのが適切なのか、ということを問いたかったのが一つですね。また、「もし」は、「・・・たら」という副詞的な使い方をしますが、こうした決まった使い方も乱れているのではないかと思っていたので、正しく使えるかどうかを問いたいと思いました。

知的好奇心をくすぐる問題ですよね。

黒瀧先生 実はここ3~4年、同じ形式で出していまして、12月の学校説明会では例題を出して、受験生の皆さんにやってもらう時間をとっています。「出るかな?」と思っていても、どんな言葉が出るのかわからないので、受験生が培ってきた学力を量れる問題ではないかと思います。言葉の機能をもとに、文章を論理的につなげられるかどうか、ですね。それから「秘密」という言葉を思いつきで入れました。受験生の感性や、今までしてきた経験が見られそうじゃないですか。どんな言葉が結びつくのか、そういう瞬間的思考なども見られるとおもしろいと思いました。

自修館中等教育学校 先生

「受験をテーマにした解答が多かった」

黒瀧先生 この問題は、いろいろな答えに出会えるので、採点が楽しいですよ。毎年、必死さが伝わってくるので、受験生には申し訳ないのですが…。最後の問題なので、時間のない中で頑張っている子も多かったと思います。全体的には与えられた条件の中で、簡潔に答えているなという印象でした。

かなりいろいろな解答が出てきますか。

鈴木先生 そうですね。結構あるのが受験をテーマにした文章です。1番では「今日は入試の日だ。つまりこれまでの成果がすべて試される日だ。だから一生懸命頑張る」という涙ぐましい解答ですね。この解答は満点。当日の心境がリアルに伝わってきました。

「平均は8点満点中の6割、4.8点だった」

正答率はどのくらいでしたか。

黒瀧先生 6割くらいでした。A1という最初の試験で出しましたけれども、合格者と不合格者の差が、 率で一番ついたのがこの問題でした。そういう意味では我々の意図を完結できたかなと思います。

6割というのは、1番も2番も6割ということですか。

黒瀧先生 はい。完答ではなくて、60%できていたということです。

鈴木先生 8点満点中の6割ですから、4.8点が平均ということです。

満点にならなかった解答はどんなものでしたか。

鈴木先生 要素が満たされていれば、(一文につき)2点、2点を合計して4点。そこから減点があれば引いていくというかたちです。減点材料は誤字脱字、句読点がない、主述の不一致などですね。指定語句が一つないなどの条件の欠落、「つまり」の使い方がおかしい、「だから」の使い方がおかしい場合は減点の幅が大きくなります。

この問題に関しては、無答はなかったですか。

黒瀧先生 ありましたね。どちらかは書けているけれど、どちらかは空欄という子も若干ですがいました。

国語科/鈴木 雄一郎先生

国語科/鈴木 雄一郎先生

「接続詞を使えるか。そこが差になった」

例年、同じような問題が出ていても、解いてみると意外と難しかったり、すらっと書けたりします。今年、正答率が6割ということは、うまく落ち着いたという感じでしょうか。

黒瀧先生 使いやすい接続詞と、使いにくい接続詞があると思うんですよね。

鈴木先生 私の主観ですが、「だから」というのは因果関係があり受験生も使いやすいと思うんですよね。「つまり」は言い換えで、いろいろなレベルがあります。厳密にいうと、それまで長く述べてきたことを、「つまり」を使って短く言い換えるのが本来のやり方ですよね。ただ、入試なのでそこまでのものは求めていません。「今日は雲ひとつない。つまり晴れだ」というような簡潔な文でもいいのです。一つの事象をいろいろな言葉で表現するのが『言い換えの力』なので、それを的確にできるかどうかが、結果的に差になったのかなと思います。

受験生のボキャブラリーの豊富さとか、表現力ですよね。普段どれだけ言葉に敏感に接しているか、を垣間見ることができる問題だと思うんですよ。日本語にはいろいろな表現がありますから、一つの物事を言い表すにしてもいろいろな言い換えができます。「つまり」の使い方を学んでいるのでしょうけれど、それを使うとなった時にちゃんとできるかどうかですよね。それが差になって表れたのかなと思います。

「入試なので、条件を踏まえていれば表現力にかかわらず○」

今回の問題を解いてみて、AとBの会話形式にするとやりやすいなと思ったんですよね。例えば「つまり今日は日曜日だから暇だった」というような、相手に想像させるような文章も満点になりますか。

鈴木先生 まあ、成立はしているというところでしょうかね。

では、接続詞の働きだけを押さえた解答と、中身の詰まった解答、点数に差はつけていないのでしょうか。

鈴木先生 そこは毎年、採点していてジレンマがあるのですが、差はつけていないですね。条件作文というのも出すのですが、たくさん書いているのも、簡潔に書いているのも、条件を満たしていれば同じ点数にするんですよね。

塾のテストでもそこで差をつけるというのは、なかなかできないんですよね。もしかしたら学校では独創性や表現力を評価するのかなと思ったのですが…。

海老名先生 ボーダーだったら見ますけれどもね。

黒瀧先生 答案は一枚一枚見ていますからね。

鈴木先生 この問題の趣旨としては、相手に伝わる正確な文章を書くということ。それが「条件を踏まえている」ということなので、それができていれば採点の現場では同じ扱いになるということですね。

国語科主任(平成24年度)/黒瀧 裕之先生

国語科主任(平成24年度)/
黒瀧 裕之先生

「こうした問題を出し続けているのは受験生の可能性を見られる問題だから」

この問題は「最高」がない問題。学問を追究する姿勢を重んじる、同校を象徴しているような問題という気がしたのですが。そこも出題の意図に含まれていたのでしょうか。

黒瀧先生 5番(掲載の問題)の形式をずっと出題してきたというのは、読解問題では測れない表現力というか、内容によっては受験生のこれまでの経験など、いろいろなものが反映されるので、その中でその子の可能性というか、潜在能力を見られる問題になっているからだと思います。今はこのくらいだけど、後にこのくらいになるだろうなというところですね。そんなメッセージが伝わればいいなと思っています。

点差はつかないけれど、おもしろさを感じられる問題を、今後もいろいろなかたちで出していきたいと思っていますか。

黒瀧先生 これに限らず…ということですね? それはそういうふうに考えています。5番が自修館の国語の象徴的な問題になるように考えていきたいですね。

鈴木先生 受験生の解答を踏まえた上で作問をするというのは確かなので、今回の解答も参考にして、受験生の持っている力を引き出すにはどのような問題が適切なのかを判断していきます。受験生にとって答えやすいけれども、普段の生活なり知識なり技能なりが試される水準はどのくらいかなというのを毎年模索しています。

「子どもは模範解答がなく自由度の高い問題をおもしろがる」

このような問題はA日程の試験だけですか。それとも全部ですか。

鈴木先生 全部です。

黒瀧先生 それは生徒たちを見ていて「これが不足しているんじゃないか」と思うと、「どうなんだろう」「試験で試してみるか」というような動機で作っているからです。逆にお聞きしたいのですが、子どもにとってこういう問題というのはどうなんでしょうか。

子どもは好きだと思いますね。塾でも、模範解答がなく、「こんな感じで書けるんだよ」と言うと筆が走るんです。こういう自由度の高い記述は塾でも白紙の子はいません。ただ、苦手な子はいます。自分のことを書きたくないという子ですね。自修館の入試問題については、こういう問題が出るというのは低学年のうちから伝えていますので、浸透していると思います。

黒瀧先生 学校説明会では、5番の問題を非常に心配されている保護者の方がままいらっしゃるので。アドバイスは致しますけれども、保護者には大変な問題だと思われているのではないかなと思っています。それは子どもの感覚と違うのかもしれないですけど。

自修館中等教育学校

「受験対策をしていく中で文章力や表現力が伸びてくれれば嬉しい」

2007年、08年あたりは子どもの発想力が問われる問題だったような気がするので、心配される保護者もいたと思うのですが、最近の問題は「機能の採点」と先ほどおっしゃっていたように、学習をしっかりしていればそれを外さずにできるようになるという印象です。

黒瀧先生 おっしゃるように、以前はあまり条件を絞らず、自由に量を書かせる問題がありました。その趣旨は失わずに、なるべく受験に臨む抵抗感を薄くできるような問題にシフトしていっていますね。ただ、「自修館をめざす子は避けて通れない」と対策をしていく中で、その子の文章力や表現力が上がっていけばこちらとしても嬉しいですね。

子どもは具体に出会うと、自分の知っている言葉や日常と結びつけていきますからね。抵抗感はそんなにないのではないかと思います。

インタビュー 1/3

自修館中等教育学校

自修館中等教育学校スクールバスにて小田急線愛甲石田駅より約5分、JR東海道線平塚駅より約25分。目の前には緑多い大山と丹沢の山々があり、恵まれた自然環境。校舎は、5階建ての教室棟と実験棟からなり、図書室、PC教室、VL教室などを備え、高度情報化社会に対応したつくり。体育館や屋上にプールを備えたアリーナもある。学校食堂の枠を超えたレストラン、カフェテリアも好評。

建学の精神「明知・徳義・壮健」の資質を磨き、実行力のある優れた人材を輩出し人間教育の発揚を目指す。そのため、学力とともに、「生きる力」を育成するテーマ学習や心の知性を高めるEQ教育などユニークな取り組みを実践。教育を“こころの学校作り”ととらえ、学校を想い出に感じ、帰れる場所に、と家庭とも連携を保ちながら、きめ細かい指導にあたっている。

中1~中3を「前期課程」、高1~高3を「後期課程」とした、高校募集のない完全中高一貫の体制。3カ月を一区切りとする4学期制で、メリハリをつけて効果的に学習を進めている。英・数は「後期課程」から習熟度別授業を実施。英語の副教材には、『フォニックス』、『ニュートレジャー』を使用。興味のあるテーマを選んで継続して調査・研究を行う「探究」の授業もある。指名制の補習と希望制の講座がさかんに行われている。また個別指導が多いのも特徴。

週6日制だが、土曜日の午後は自由参加の土曜セミナーを開講。「遺伝子組み換え」「古文書解読」「伊勢原探訪」など生徒対象のものだけでなく、保護者対象の講座も多数用意している。心の知性を高める「EQ」理論に基づいた心のトレーニング「セルフサイエンス」、学校・家庭・世界を結ぶJネットステーションを活用したPC教育、国際理解教育など、特色ある教育を展開。中1のオリエンテーション、中1~3で山歩きに挑戦する丹沢クライム、芸術鑑賞会などの行事がある。文化部8、運動部10のクラブ活動も活発。「探究」の一環として、高2で生徒自身の企画による海外フィールドワーク(アメリカかヨーロッパを選択)が行われる。

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