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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2010年 帝京大学中学校 【算数】

帝京大学中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1.図形的センスのある子がほしい

「計算だけでなく図形的なセンスがあれば解ける問題を作りたかった」

橋本先生 曲線のみの図形にこだわったわけではないのですが、面積を出すうえで、単に計算だけで答えを求めるのではなくて、図形的なセンスでパズルのように問いていく問題を作りたかったんです。

よく問題集などにありますよね。半円と三角形が重なっていて、はみ出している三角形の外側と半円の内側にあたる部分の面積を出しなさい、というような問題が。こういうような問題を作りたいという思いがあり、偶然できあがったのがこの問題です。

視点がおもしろいと思います。ありそうであまりない問題ですよね。正答率はどのくらいでしたか?

橋本先生 低かったんですよね。24.5%でした。計算で解くには方程式が必要になるので、そんなに高くはならないだろうとは思ったのですが、もう少し、図形的センスで解ける子はいるだろうと…。数字でいえば40~50%を予想していました。

半円の面積を出して、その半分を出して、下の半円の面積を引いて、あとは逆算ですよね。そういう形だったら十分解けると思うので、受験生には力技で問いてほしかったですね。

数学科/橋本 俊一先生

数学科/橋本 俊一先生

「入学後は別解2のような解き方を教えている」

直前の問題では円周率が提示されていますが、この問題では触れていないですよね。そこに意図はありますか?

橋本先生 それは「計算を使わなくてもできるよ」というヒントですね。本校では、面積の問題を出すときに、別解2のように考えて出すように教えています。この方法でも解けて、計算でも解けるということですね。

受験生が問題を問いている様子を見ますか?

橋本先生 時々見ます。ただ、あまりじっと見ていられないので、答案用紙がどのくらい埋まっているのかがわかる程度ですね。どう解いているのかはわからないです。

途中式を書かせるというようなことはお考えですか。

橋本先生 以前はそうしていたのですが、最後のツメが甘い子に部分点をあげる程度でしか(途中式を)活用できなかったので、やめました。本当は解き方もしっかり見られれば一番いいですよね。高校入試だったらできるかもしれないですね。

「速さ・図形・規則性・比・計算は必ず出す」

この問題を足がかりに、算数の入試問題、全体の話を聞かせていただきたいのですが。

橋本先生 基本的にどの回も速さと図形の問題は必ず入れるようにしています。その他に規則性の問題と比の問題、計算問題は入れるというきまりになっています。

これらは苦手な子が多いので、それをどうクリアしていくのかを、入試で見てみたいと思っています。学校説明会でも、そういうものは「必ず出します」とお話しています。

2001年から入試問題の傾向が変わりましたよね。

橋本先生 だいぶ前になるので、よく覚えていないのですが、図形の問題、規則性の問題、比の問題を入れることにしたのが、その頃だったと思います。計算もちゃんと見たい、となったのもこの頃だったと思います。それでうまくいったので、崩さないほうが受験生にとってもいいだろうということで、現在に至っています。

帝京大学中学校

「計算問題の正答率も低く、合否を分ける問題の一つだった」

全体的に難しい問題が多いですよね。速さと比で考える問題、図形の問題、3桁の数の総和など、解法を暗記するだけでは対応できないようなレベルのものが入っている印象があります。さかのぼって過去の入試問題も見てみたのですが、やはり難しい問題がところどころに出ていますよね。

橋本先生 そうですね。昔のほうが難しい問題が出ていたと思います。本当は1番の計算問題(4題)も取れないといけない問題なのですが、これの正答率が低かったんですよね。こういう問題が合否を分けるところになると思います。全部合っている子もいれば、全部間違える子もいますから。合格者を見ると、4問中3問はできています。

そして文章題、図形というように配置しています。文章題の中でも、簡単なものから難しいものへと、配慮して配置したつもりなのですが。

いや、4人の発言から正直者を探し出す、文章題の1番は難しい問題ですよ。

橋本先生 そうですか? これも私が作った問題なのですが…。

「正直者は必ず正しいことを言いますが、正直者でない人は必ずしも正しいことを言うとはかぎりません」というところに受験生は惑わされたと思います。

「高度な典型問題が多い」

全体的には、その場で考えさせるような問題よりも、高度な典型的な問題が多いような気もするのですが。

橋本先生 そうですね。基本的な問題は解けないと困りますから。そのうえで、難しい問題にも取り組める生徒がほしいなという思いがあります。

典型問題が高度なので、しっかり勉強してこなければ解けないと思うんですよね。

橋本先生 ひらめきや思考力を試す問題も出したいのですが、できない子が多いような気がします。そうすると合否に影響しない問題になってしまうので、このような形にせざるを得ないんですね。でも、少しは入れてみたいですね。

入試問題なので、点数にばらつきが出るようにしなければいけないので、その兼ね合いが難しいです。

最後の問題4-(3)がおもしろかったです。子供たちが解いていて楽しいのも、こういう問題だと思います。難しかったとは思いますが…。

橋本先生 このテストでも85点取っている子がいました。

それはかなり優秀ですね。

数学科/橋本 俊一先生

数学科/橋本 俊一先生

「入試問題と大学進学実績のかかわりを見ると難易度はちょうどいい」

これだけのレベルで3回の入試問題を作るのは大変ですね。

橋本先生 問題は、数学科の教員、全員で作ります。まさに夏休みの宿題ですね。それぞれが1セットずつ作って持ち寄って。全員で解いて、判断して、セットの中に簡単な問題、難しい問題が偏っている場合は問題をチェンジして、バランスを整えています。

今のところ、このスタイルは変えないでやっていくつもりですが、受験生の層が変われば変えることもあるかもしれませんね。

以前、簡単な問題ばかりにしたことがあったのですが、その年に入学した生徒の大学進学実績が芳しくなかったので、このくらいの難易度がちょうどいいと思っています。

生徒たちを見ると、概ね学習意欲をもって入ってきてくれていますが、中には中学受験が終わって「これで勉強しなくて済む」と思っている子もいるようなので、最初に釘をさしています。

インタビュー 1/3

帝京大学中学校

帝京大学中学校「努力をすべての基とし、偏見を排し、幅広い知識を身につけ、国際的視野に立って判断できる人材を育成する」という建学の精神のもと、中高一貫教育と少人数制教育により、創造力と責任感に富む人間を育成する。可能性を最大限に伸ばし、広い選択肢から最良の道を選べるよう、国立大と早慶大・首都大学東京受験生に限り、帝京大・同短大への無試験推薦入学資格を卒業後2年間有効にしている。

1931(昭和6)年に前身の帝京商業学校が設立。以後、変遷の後、83年に、中高一貫教育の方針のもと、帝京大学・同高等学校と同じ敷地内に中学校を開校した。95(平成7)年に現在地の八王子越野へ移転し、新しい歴史をスタートさせた。学校法人・帝京大学に所属する。

キャンパスの全敷地面積は約9万7千m2。校舎や施設は、緑豊かな多摩丘陵の自然と見事に調和し、最良の教育環境を提供している。3階建て体育館の冲永記念ホールは、自慢の施設のひとつ。3万1千冊の蔵書をもつ図書館、食堂、LL教室、OA教室もある。校内にプールはないが、必要に応じて大学施設を利用する。

生徒が希望する進路実現のため、大学受験を目標においた一貫教育カリキュラムを組む。中1・中2は英・数で習熟度別授業、中3でI類・II類のクラス編成となるが、難関国立大を目標とするI類が特進クラスに相当する。高校は難関国立・早慶国立(文・理)・私大文・理の5コース制。高2で高校からの入学生と混合クラスになり、受験科目に焦点を合わせた学習を進める。火曜日から土曜日まで毎朝15分の朝講座があり、英・数・国の復習テストを実施。放課後の補習や夏期講習なども熱心に行われている。他大学進学志向が圧倒的に強く、国公立大、難関私大にまんべんなく合格者を送り出している。現役での合格率も高い。

クラブは運動部7、文化部9、同好会10あり、中国拳法部、南米音楽部、アマチュア無線同好会などは珍しい。運動部の一部には、「勉強同様に厳しい」というOBの声もあるほど練習熱心な部もある。中2ではブリティッシュヒルズ研修を実施。高1は、希望者対象にニュージーランドでのホームステイがあり、多数の生徒が参加する。ここでは3週間の日程で、英語研修や現地の学校との交流、1泊旅行などを体験する。陸上競技会、マラソン大会、合唱祭などの学内行事のほか、宿泊研修、林間学校など校外行事も多彩。平和の重みをきざむ中3の沖縄修学旅行、高2の近隣アジア諸国(現在は台湾)への修学旅行も印象に残る。一部のクラブ活動や、文化祭は中高合同で実施。

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