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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2010年 世田谷学園中学校 【理科】

世田谷学園中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1. 仮説から観察、考察まで、他者の研究を追体験する問題

「出題の素材は生徒たちの研究から」

古澤先生 この問題は生徒たちの研究を基に作成しました。実際に、植物の葉のギザギザの数と葉の長さの関係を調べてグラフを作成したところ、1点に集中してしまい、両者の関係がわかりにくいグラフになりました。

そこでさらに、別の角度から測定結果をわかりやすく表現できる方法を考え、「横軸が葉の長さの範囲で、縦軸がギザギザの数の平均値」と、「横軸が葉の長さの範囲で、縦軸が葉の枚数」の2種類のグラフを作成しました。実際にその生徒の研究過程を受験生が追体験するような形式になっています。

様々な角度から物事を見ることができる、そしてそれを表現できる力というのは、中学入学後に必要な力です。いまの中学生でもなかなかできないことを小学生に試すのはどうか、難しすぎるのではないかという声もありましたが、今回は“冒険”のつもりで出題しました。

理科/古澤 誠先生

理科/古澤 誠先生

「実体験があれば『葉のギザギザ』はイメージしやすい」

古澤先生 実際に生徒が行った研究を素材に用いているので、リアリティーがあると思います。だからこそ、観察の背景の説明文が難しくならないように腐心しました。受験生が学習してきたことがダイレクトに使える問題ではありませんから、どのように問題化するかという点も苦労しました。

「葉のギザギザ」という表現については最後まで悩みました。いろいろな表現を考えましたが、はっきりイメージできるだろうということで「葉のギザギザ」という表現に落ちつきました。

大人が思うほど、とらえにくくはないと思います。身近な現象に興味を持ち、図鑑で調べたり、公園の植物を観察してみるといったことをやっている子どもであれば、実体験から「葉のギザギザ」はイメージできるのではないでしょうか。

「正答率は予想を上回る」

古澤先生 実際にどんなグラフになるのか、説明文やグラフを提示していたこともあって、比較的取り組みやすかったようです。正答率は、問1問2を併せて合格者が66.4%、受験者全体でも56.9%でした。もう少し苦戦するのではないかと予想していましたが、頑張ってくれたと思います。

そのあとの問いでは、グラフを見やすくするために研究者の視点が変わるため、そのことを頭に入れて考えなければなりません。これは受験生にとっては難しい作業ではなかったかと思います。ですから合格者の正答率も30~40%に留まりました。観察の視点を変える作業はおそらく経験したことがないでしょうから、何をやろうとしているのか、意図を理解するのも難しかったと思います。

世田谷学園中学校

「問題文から正解の手がかりをつかむ」

古澤先生 理科においても読解力を試したいという考えから、生物の問題文は比較的長くなることが多いですね。問題文には正解の手がかりがあります。長文でもしっかり読み取り、必要な情報を取り出す力があれば、初見の問題でも正解にたどり着けるのではないかと思います。

この問題であれば、13の仮説が一体どういうことを表現しているのか理解すること、そして葉のギザギザの数と葉の長さの関係を表したグラフの意味を読み取ることができれば、「こんなグラフになりそうだ」と想像できるのではないでしょうか。1の仮説が正しいとすると、「葉が成長してもギザギザの数が変わらない」ということから、縦軸の数値は同じような値で表されるグラフになりそうだと予測できるでしょう。

「試行錯誤することをおもしろがろう」

古澤先生 (ウ)のグラフように数値が1点に集中するようなグラフを、受験生はあまり見たことがないでしょう。実際はもっと極端に集中したグラフでしたが、イメージしやすいようにあえて極端すぎないようにしました。

このグラフは見慣れた正比例や反比例のグラフと違い、子どもにとっては新鮮だったのではないでしょうか。しかも「線」ではなく、一つひとつの結果をプロットした「点」の状態で示されています。そのようなグラフを見て、「これはどういうことだろう」と思った受験生はおもしろがって解けたのではないかと思います。

古澤先生 知らないことやわからないことにぶつかったとき、興味をもって自分で探ってみてほしいですね。試行錯誤することをおもしろがれると、こうした初見の問題でも粘り強く取り組めるのではないでしょうか。

理科/古澤 誠先生

理科/古澤 誠先生

インタビュー 1/3

世田谷学園中学校

世田谷学園中学校学園の理念である“Think&Share”は、釈尊の「天上天下唯我独尊」に基づく。「Think」は知的好奇心をもって思索する力を極限まで深め、自己の確立をはかること、「Share」は人の意見に耳を傾け、助け合う心を育てること。仏教の精神に立脚し、生徒に人間として生きることの尊さを自覚させ、国際的視野に立って、積極的に行動できる人間形成を目指している。

1592(文禄元)年創始の曹洞宗吉祥寺の学寮“旃檀林”が前身。1902(明治35)年曹洞宗第一中学林と改称。1947(昭和22)年、世田谷中学校開設。83年、現校名に改称。積極的な国際交流を推進するとともに、96(平成8)年には高校募集を停止し(スポーツ推薦を除く)、98年完全中高一貫体制を固める。2001年に創立100周年を迎えた。駒澤大学は系列校。

都内校のなかでは校地は比較的広く、放光館(理科実験室や講義室、音楽室)や修道館(総合体育館)、三心館(食堂)、グラウンドなど施設も充実。修道館には柔・剣道場、温水プールなどが完備され、学園が誇る禅堂や、図書館・コンピュータルームなどもある。01年、創立100周年を記念して新校舎が建設された。

カリキュラムは大学現役合格を目標とした進路別・学力別構成が特色。中1~高1は難関国立大学を目指す特進クラスを設置、1年間の成績により入れ替えも行う。高2からは、文理別コース制を組み合わせ、進路に応じたきめ細かな指導を行う。夏期集中講座、放課後のステップアップ講習も実施。毎年、難関大学へ多数の合格者を出し、現役合格率も高い。

クラブ活動は盛んで、なかでも空手道部は全国大会で数多くの優勝経験をもつ。硬式野球部も甲子園出場経験がある。活躍は運動部だけにとどまらず、吹奏楽部はアンサンブルコンテストで都大会の金賞常連校。国際交流にも力を入れ、中2で希望者はニュージーランドでホームステイを体験。高1は全員参加のカナダ英語研修旅行や、選抜で3ヵ月のカナダ姉妹校交換留学があります。12月には約1週間の早朝座禅を行い、仏教・禅の心にも触れる。

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