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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2010年 晃華学園中学校 【算数】

晃華学園中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1.簡単なつもりが意外に難問になった数学的な問題

「身の回りの疑問が作問のヒント」

荒木先生 この問題は本校の「新春かるた大会」からヒントを得て作りました。大会はトーナメント方式を採用していますが、「準優勝者が本当に実力2位なのか」といった疑問が浮かび、入試問題にできるのではないかと思いました。

はじめは「ただし書き」はありませんでしたが、ほかの教員から「実力通りの結果になるとは限らない」「世の中には『三すくみ』ということもある」などの意見が出されました。このままでは「じゃんけん」で勝者を決めた“運任せ”のようになってしまうので、ただし書きを加えました。

実はこの問題は、ジャンルはあまり意識せずに作りました。ある学習塾がこの問題の分野を「論証」と位置づけたのですが、「なるほど」と思いました。ただし書き以下を一種の公理としてとらえれば、論証の問題といえるかもしれません。

数学科/荒木 徹先生

数学科/荒木 徹先生

「“簡単な問題”のつもりが、想定以上の難問に」

荒木先生 この問題は、難易度の高い問題ではなく“簡単な問題”のつもりで出しました。ですから、正答率は80%程度を予想していました。

高い正答率を想定していたので、はじめは「実力2位の可能性がある人」の解答は完全解答にしていました。ところが、実際に採点してみると思ったよりも正答率が低いので、部分点に切り替えました。採点基準を甘くしても、正答率は50%程度でした。2問とも完全解答できたのは、15%程度に留まりました。

トーナメント表を見て、「優勝した7番に負けた人が実力2位だ」とすぐわかるかと思ったのですが、結果を見るとそうは考えられなかったということでしょうね。

全体像を見ないで、7番の次に強いのは4番で、その次は……というように順位づけをしようとしたのではないでしょうか。強い順番にきれいに並べようとして、受験生は混乱してしまったと思われます。

「トーナメント方式の経験がないと厳しかったかも」

荒木先生 本校の入試問題は「算数」というよりも「数学」らしい問題だと言われていますが、この問題はまさに数学的な問題だと言えるかもしれません。正答率が予想よりかなり低かったのは、受験生にとって高度なことを聞く問題になってしまったためでしょう。

かなり抽象的な問題であることも難しさの要因になったと思われます。「あるゲーム」としか言っていませんし、実力の定義も公理主義でいうと無定義語になっていて、条件さえあえば何にでも当てはめることができる。これだけ抽象度が高いと、さすがに受験生にとっては厳しかったでしょう。

また、子どもが「日常で接することがあるかもしれない」ことに関連して出題したつもりでしたが、実はスポーツの勝ち抜き戦などのトーナメント方式に触れる経験があまりないのかもしれません。ですから、「一番実力があるのは誰だろう」と考えたことがなかったと思われます。

数学科主任/田中 綾子先生

数学科主任/田中 綾子先生

「学問的には厳格さに欠ける問題」

荒木先生 実は、あとで見直してみたところ、数学的にみて厳格さに欠ける部分があることに気づきました。ただし書き以下は、偶然性を排除するために設けたつもりでしたが、これで完璧に偶然性を排除できているかというと、実はそうではなかったのです。

中学入試でそこまで厳格にする必要はないだろうというレベルですが、数学の専門家としてはつねに完璧を求めますから、作問者としては不満の残る問題になってしまいました。大いに反省した次第です。

「このゲームでは実力がある方が必ず勝つ」ではなく、「このゲームで勝つのは必ず実力がある方」というようにすべきでした。つまり、「AはBより実力があるから、Aが勝つ」のではなく、「AはBに勝ったので、AはBより実力がある」とすると、偶然性を完全に排除できます。

「興味関心のあることを、とことん追究してほしい」

荒木先生 「これはどういうことだろう?」といろいろなことに興味をもって、粘り強く追究できるお子さんに入学してもらいたいと思っています。受験勉強で最低限覚えなければならないことはたくさんありますが、それだけでは勉強していてつまらないでしょう。おもしろいと思ったら、なりふり構わずとことん取り組んでほしい。こちらとしても子どもの好奇心や探求心をくすぐるような問題を出したいと思っています。

この問題は、初めて見るような問題でも臆せず取り組めるかどうかを試す問題にもなりました。未知のことに対して物怖じしないで「なんだろう?」と考えてほしいし、「おもしろいことはないか」とつねに興味関心のアンテナを張っている姿勢をもってほしいですね。

「見たことがないからわからない」と投げ出さないで、そうした問題こそチャレンジしてみよう!と強く言いたい。受験勉強は解くことが目的になってしまいがちですが、ときには自分で問題を見つけたり、作ってみるのもいいでしょう。見渡せばいろいろな問題がころがっていますから、問題意識をもってほしいですね。

広報ご担当/安東 峰雄先生

広報ご担当/安東 峰雄先生

インタビュー 1/3

晃華学園中学校

晃華学園中学校カトリック精神に基づき、真に人間らしい人間教育の理想を建学の精神として掲げる。全学年で週1時間の宗教の授業があり、人間としてどう生きるべきかを考え、真の大切なものを見極め、人の心の痛みを理解し、国際的にも他と協調し、他に寄与しうる人間になることを目指す。神により与えられた力を最大限に伸ばす教育で、自主性を育む。校内はアットホームな雰囲気。

「汚れなきマリア修道会」を設立母体に、1950(昭和25)年に暁星学園附属の幼稚園を、57年に晃華小学校を開設。61年に学校法人晃華学園として独立。63年に晃華学園中学・高校を開校。91(平成3)年高校募集を停止。92年より「学園総合計画」を開始。暁星中・高の設立母体である「男子マリア会」とは姉妹関係。

武蔵野の面影を残す住宅街の一角にキャンパスを構え、聖堂、茶室、コンピュータ室などの施設がある。現在、キャンパスの再整備を進めており、05年に高校棟、小ホールが完成。06年7月には中学棟、多目的ホール、図書情報センターが、07年9月には大小の体育館が完成。

中高の教育課程を再構築し、「2・4制」を実施。英・数・国は中2で中学課程を修了し、中3~高3の4年間を高校課程と位置づけ、大学入試に対応できる学力をつける。英語にもっとも多くの時間をあて、中2から習熟度別授業を導入。中3のリーダーの授業は基本的に英語のみで授業を行う。数学も中2から習熟度別授業を実施。中3では中1から準備した自由テーマの卒業論文を提出する。高2から科目選択制となり、文系・理系・芸術系など個々の進路に対応している。近年の理系進学者は約4割。その多くは医歯薬系を志望しているが、それに応えるハイレベルな指導が行われている。東大への実績もコンスタントに続いている。

クラブ活動は運動部7、文化部4、同好会11、コンピュータやフランス語、謡曲、華道などが学べる課外活動(月謝制)が7あり、中学生は95%が参加。すべて中高合同で活動する。静修会・イースター・クリスマスなどの宗教行事のほか、クラス単位の合唱コンクール、中高別々に行われる英語スピーチコンテスト、かるた会、スキー教室と行事も多い。高1の夏休みには1ヵ月のイギリス語学研修を実施。オーストラリアへの留学制度もあり、単位として認定される。中1からLHRの時間に福祉に必要な技術を学ぶなど、ボランティアにも積極的。カウンセラー室は創立当初よりある草分け的存在。

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