
東洋英和女学院中学部の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
「クイズ的な問題で条件の整理力を試す」
問題で与えられている情報を整理してまとめる力、論理立てて考える力を試したいと思い、この問題をつくりました。“当てずっぽう”や“勘”ではなく、「こうだから、こうなる」と考えを整理して正解を導き出せるようになりましょう。
最初はトランプをイメージしてマークを考えましたが、それを小学生に文章で理解させるのはなかなか難しいと思い、青字・赤字にしました。決して難しいことを書いているわけではありませんが、それでも問題をしっかり読まないと、条件を見逃してしまいます。
難易度は、正答率を考え、最終的にはやや平易な問題にしました。7割程度はできていました。
数学科/玉渕 麻衣子先生
「カードにない数字まで考えが及ぶか」
与えられた条件から導き出される青字で書かれた数字、「2」「4」「10」はすぐに出てくると思います。これはかなりの割合でできていました。ただ、カードになかった数字、「6」と「9」が書けなかった解答が多く、完全解答には至りませんでした。
問題文には、「“1から10までの数字”が書かれたカードが“10枚”あり、そのうち“5枚は青字”で」、「“青字”で書かれた数字を小さい順に“すべて”書きなさい」という条件が示されています。解答から、問題をよく読んだかどうかがわかります。
解答欄は5つに枠を区切っています。解いているときに気がつかなくても、解答欄に書くときに5つ挙げなければならないことに気づいてほしいと思い、そのような解答欄を設けました。それでも5つ書けなかった解答があったのは残念でした。
なかには、数字の範囲は“10まで”なのに、「11」という数字があったり、設問の条件が整理されていない解答が見られました。
「1から10まで数字を書いてチェックすると解きやすい」
問題では、5枚のカードが1組で3パターン示されています。カードは全部で15枚ですが、重複している数字があり、1から10まで全部はありません。見た目で「全部ある」と思い込んだ受験生もいたのではないでしょうか。
まず、1から10まで数字を書いて、条件と照らし合わせながら、「青字の数字はこれ」、「赤字の数字はこれで除外」というように、整理しながら解くとわかりやすい問題だと思います。
答案用紙を見ると、1から10までの数字を書いてチェックしている受験生の正答率は高かったですね。何も書かれておらず、考えた形跡が見られないような答案は、勘で答えたかなと思うようなところがありました。
問題文を読んだら問題の内容を図や式などに置き換えて、自分の考えを整理しましょう。書き出すことで自分の考えを客観的に見ることができ、論理的にまとめやすくなるでしょう。ふだんから、整理しながら解く作業をしてほしいと思います。
広報担当/佐々木 利絵先生
「途中式は自分の考えをアピールする場」
文章題は、途中式など問題を解く過程を書いて、考え方が合っていれば、不正解でもできるだけ加点する方向で採点します。途中式がなく、いろいろなところに筆算が書かれた解答は、何を求めているのかがわからないので加点のしようがありません。
とくに、面積や体積の問題はあちこちに筆算をしがちです。筆算は自分のための計算ですが、問題によっては求める面積が同じ数字になることがあるのでわかりにくい。たとえ不正解でも解き方をできるだけ評価したいと思っているので、どこをどのような手順で求めているのかがわかるように図に補助線等が書きこまれていると良いです。
学校説明会でも「算数は途中式を必ず書いてください」と伝えています。途中式は「私はこう考えました」というアピールの場です。ある程度“見られる”ことを意識して、考えの流れが採点側に伝わるように書いてほしいと思います。
インタビュー 1/3

1884(明治17)年にカナダ・メソジスト派の宣教師カートメル女史によって設立された。第二次大戦中には校名を東洋永和女学校と改称したが、宗教を棄てろという圧力には断固抵抗した。その後校名を復し、1989(平成1)年に大学、93年に大学院が開学。96年に高校募集を再開したが、2003年には再停止。
「敬神・奉仕(神への敬い・隣人への愛)」を基本精神として、キリスト教の精神に基づいた豊かな人間形成を目指し、一人ひとりを大切にした教育を行う。126年前の創立以来、自由な学風とのびのびとした雰囲気を今なお継承しているが、その長い歴史に最新鋭の設備を誇るハイテク校舎が加わり、英和生一人ひとりの成長とともに、21世紀にふさわしい校風がさらに刻まれている。
六本木に隣接しながらも、学校周辺は閑静な一帯。校舎は、創立当時のスパニッシュ・ミッション・スタイルの面影を残している。チャペル、記念講堂、コンピュータ教室2室、メディア教室、体育館、図書室など充実。校外施設として軽井沢追分寮、野尻キャンプサイトがある。学院全体が使う「総合校舎」が誕生、大学の教授が中高生の教育に参加する計画も。
中学では偏りのない学習プログラムで基礎学力の習得に力を入れ、高校では個性に合った進路選択ができるような指導が特色。英語の指導には定評があり、中学では1クラスを2分割、中3から習熟度別授業を行っている。もちろんネイティブによる英会話の授業もあり、「使える英語」を養成。数学は中3で1クラスを2分割、高1・高2は3段階の習熟度別。高2からは多様な科目選択制を導入し、生徒のニーズに応えている。音楽・宗教教育にも力を入れる。他大学合格実績の躍進。高い現役進学率を誇り、東大、早慶上智大など難関大学への合格者も多い。進学先が社会科学系、理工系、医学系、芸術系など幅広いのも特徴。
東洋英和の朝は20分間の礼拝から始まる。クラブ活動は全員参加で、文化系22、体育系8が中高合同で活動。卓球、バスケットボール部が強い。中1では全員が車椅子、盲導犬、点字など、奉仕活動のための基本を学習(ギリシャ語で隣人に仕えるという意味のディアコニア学習活動)する。一方、有志によるYWCA活動は、手話・点字を習ったり、年に数回、養護施設や老人ホームを訪問し、子供たちやお年寄りとの交流をもつ。ピアノ科、器楽科、英会話、日本舞踊などの課外教室も行われている。球技会、文化祭、野尻キャンプ、クリスマス礼拝、夏休みのカナダ語学研修旅行(高1・高2)など行事も多種多彩。