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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2010年 市川中 【社会】

市川中の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1. 机上の学習になりがちな憲法学習を、現実の出来事と結びつけて考える

「『考える力』と『考えるための知識力』を試す問題」

守脇先生 時事問題の出題は、「日ごろからニュースに親しみ、世の中の出来事に関心をもっているお子さんに入学してもらいたい」と思っているからです。ただし、その出来事を知っているかどうかを聞くだけでは意味がありません。一方、憲法学習は現実の出来事とうまく結びつかず、知識の丸暗記になりがちです。

そこで時事問題を題材に、憲法規定に関する知識がどれだけ身についているか、身につけた知識と現実に起きた「政権交代」を結びつけて考えることができるかどうかを試しました。

民主党が連立政権であることは全受験生が知っていたはずです。ただ、「なぜ連立政権にしたのか」というところまで考えたことがあるかどうか。受験勉強ではなく、家庭の日常会話でこうした話題に触れていれば、取り組みやすかったのではないかと思います。

「『考える力』が必要だ」とはよく言われますが、物事を考えるには「知識」という道具が必要です。知識が十分に備わったら、その道具を使い、現実の出来事をリアルに感じて「なるほど」と理解できるようになってほしいと思います。

社会科/守脇 竜彦先生

社会科/守脇 竜彦先生

「法律案に限定して説明できた受験生は約1割」

守脇先生 予想では、受験生の約半数が正解できると思っていました。結果は、「理路整然と説明する」というこちらの要求するレベルに達した解答は全体の3分の1程度で、部分点を付けた解答を併せて半数ぐらいでした。

「法律案の可決に関して、参議院で民主党単独で過半数を占めていないから」という完全解答は、全体の約1割でした。おおよそ合ってはいるけれど、法律案に限定していない解答が多かったですね。「法律案の可決に関する憲法上の規定」に触れ、なおかつ「参議院で過半数を取るため」というところまで書ける受験生は、憲法学習をしっかりやっていることがわかります。

「『3分の2』にこだわった誤答がかなり多かった」

守脇先生 国会の議決には両議員で出席議員の「過半数」が必要です。予算の議決や条約の承認、内閣総理大臣の指名については、参議院で否決されても衆議院の議決が国会の議決になります。ただし、法律案は“特殊ケース”に該当します。参議院で否決された場合、再可決されるには衆議院で「3分の2以上」の賛成が必要です。

“特殊ケース”の印象が強いのでしょう、「3分の2」という数字だけを覚えていて、「3分の2以上の議席を獲得したいから」と書いた解答がかなり見られました。

市川中

「知識はあいまいではなく正確に覚えよう」

守脇先生 また、「参議院の議席が3分の2以上に達しないから」というように、知識をあいまいに覚えている解答もありました。これは民主党が衆議院で大勝したにも関わらず、連立政権を取ったことから参議院としたのでしょう。学習はしているけれど、中途半端に覚えているため用語を正しく使えていません。

「与党」と「野党」の意味がわかっていない使い方も結構目立ちました。「衆議院では与党になったが、参議院では野党だから」という解答から、議席数の多い・少ないで漠然と与党と野党をとらえていると思われます。

政治分野の学習では専門用語の正しい知識は欠かせません。受験生の解答から、何となくは知っているけれど、それを使って説明できるところまで達していない、中途半端な知識がインプットされていると感じました。

第2回入試で出題した「1票の格差」は、ほとんどの受験生が説明できませんでした。1票の重さはその選挙区の1人当たりの有権者数によって決まりますが、「地方は重くて都市は軽い」というように、本質からずれてとらえていることがわかりました。

知識の習得は、説明文を読んで適切な用語を選択できるだけでなく、用語の説明もできるレベルで身につけてもらいたいですね。それができて、結果と原因の関係を説明する力が身についてくると思います。

インタビュー 1/3

市川中学校

市川中学校1937(昭和12)年、市川中学校として開校。47年、学制改革により新制市川中学校となる。翌年には市川高等学校を設置。2003(平成15)年には中学で女子の募集を開始し、共学校として新たにスタート。同時に新校舎も完成させた。女子の1期生が高校へ進学する06年には高校でも女子の募集を開始。

創立以来、本来、人間とはかけがえのないものだという価値観「独自無双の人間観」、一人ひとりの個性を発掘し、それを存分に伸ばす「よく見れば精神」、親・学校以外に自分自身による教育を重視する「第三教育」を3本柱とする。女性の社会進出や情報化社会という変化に正面から取り組むため、男女共学とハイテク校舎で新たなスタートを切った。

新校舎は、イン・ザ・フォレスト(森の中の学舎)をコンセプトに、太陽エネルギーを積極的に利用する。太陽光が降り注ぐコミュニティープラザ、南パティオなど生徒たちの交流ややすらぎのスペースも確保。IT機器も充実し、全館無線LANを完備している。第三教育センターは、マルチメディアスペース、蔵書12万冊の図書館を擁する情報化の根幹。

効率よく、密度の濃い独自のカリキュラムで、先取り学習を行っていく。朝の10分間読書や朝7時から開館している第三教育センターの利用などの取り組みが連携し、総合して高い学力が身につくよう指導している。中学の総合学習はネイティブ教師の英会話授業。2009年度より5年間、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校となる。2010年度より授業6日制がスタートし、中1、中2の英語7時間、中3数学7時間など主要科目の時間数を増やす。ほかに夏期講習もあり、中1・中2は英・数・国総合型講習を実施。高1から選抜クラスを設置し、英語・数学は習熟度別授業を行う。高2で文理分けし、高3では国立・私立の2コースに分かれ、学力別・志望校別で学ぶ。

高1の各クラスごとに3泊するクラス入寮は創立当時から続く伝統行事。クラブは中高合同で活動する。行事は体育祭、文化祭のほか、自然観察会やボキャブラリーコンテストもある。夏休みには中1の夏期学校、中2の一宮夏期学校も実施。中3希望者対象で、カナダ語学研修を実施。高1希望者対象のニュージーランド語学研修は現地の姉妹校で研修を行う。先生と生徒のふれあいを大切にしているが、カウンセラー制度も設けて生徒を支えている。

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