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シカクいアタマをマルくする。

出題校にインタビュー!

2009年 富士見丘中 【社会】

富士見丘中の社会におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3. 出題に込めたメッセージの延長で、個々の“好きな教科”の力を伸ばしたい!

「算数では、知識を授けて、それをもとに解かせる問題なども出題」

大島先生 「新傾向問題」の導入・作成にあたり、最初に全教科に対して依頼したのは、自分の頭で考えて、書かせる問題を作ってほしいということなんです。

算数などを見ていると、解き方を説明する文中に穴を作り、埋めていく中で規則性に気づかせ、最後にそれを使って応用問題を解かせるという形式の問題を出しています。去年の入試(2月3日午前)では1回押すと001、2回押すと002、3回押すと010、4回押すと011、5回押すと012になるカウンターがあり、「○回目はなに?」とか「○回目のときはどうなる?」といった聞き方をして規則性に気づかせながら、最後に「60回めに出る数字はなに?」と聞いています。知識を持っていないことを前提にした出題で、紙の上で知識を授けて、それをもとに解かせるという展開をとっているんですね。

たしかに、算数のわりに穴埋めが多いですね。

大島先生 新傾向問題では解答を幾通りも作ってほしいと言いましたが、この問題は解答が一つですよね。それでもいいと思うんです。ヒントが与えられて、順番に考えていけばどこかまでは書ける問題。時間的に間に合うかどうかは別にして、これを1回1回どうなるかを全部書いた子がいたとしても、それはそれでなかなか見上げたもんだなと思うんですよ。規則性に気づかないというのが点数をとれない一因かもしれませんが、1つ2つで辞めてしまって「もう書けない」と途中であきらめるよりも、全部書いた子のほうが、私はどこかで方向転換すればできるようになるかもしれないという可能性があるのではないかと・・・。これがいい問題かどうかはわからないですけれども、ある種、こちらの意図を明確に示した問題だと思います。

教頭/大島 規男先生

教頭/大島 規男先生

「入試問題はHPで公表しているので見てほしい」

白鶯先生 社会科の今回取り上げていただいた問題も、その前に空欄補充があり、独立した問題ではないものですから、聖徳太子などの言葉でこちらが誘導してしまった部分もあると思いますけれども・・・。

大島先生 ただ、カッコの中を埋めることがウォーミングアップになっているとも言えると思うんですよ。

ここまで書いてきて、この問題をやらないのはもったいないですよね。

社会科の場合は、先生方が新傾向問題も含めて問題を持ち寄り、どれがいいかということになるのですか?

白鶯先生 そうですね。新傾向問題は受験生の立場に立って考えています。それまでに聞いている問題と絡めて、この問題ではこっちのほうに行ってしまうのではないかとか、それはそれでいい方向に発展していくのではないかとか、ここまでは発想を引き出せるのではないかという検討をしたうえで設定しています。

先ほどの新幹線の話は、40年くらい経ったら実現しているかもしれませんね。

白鶯先生 そうですね。成田新幹線というのもありましたね。こんなに短い距離を?!と思いましたが、羽田のハブ化などを考えるとわからないですよね。

大島先生 一見、荒唐無稽な問題に見えるかもしれませんが、前提として地理的な知識がないとできない問題ですよね。

入試問題については学校説明会だけでなく、HPでも公表していますので、少なくともそれを見てきた方が有利になるというか、見てきた方に入ってきていただきたいと思っています。公表しているのに見たことがなくて、入試当日に新傾向問題を見て面食らうというのではちょっとね。

「国際性をキーワードに、社会の中の自分を意識できるチカラを養う」

入学してからの社会科について教えてください。

白鶯先生 本校が教育目標として掲げているのが「国際性豊かな若き淑女の育成」ということで、国際性は切り離せないキーワードなんです。では、どういう部分で国際性を養うのかというと、教科の中ではまずは英語ということになるのですが、英語はあくまでもツールですよね。社会科が担える部分は、日本にいても自分の身の回りのことだけではなくて、地域社会、日本、そして地球、国際社会の中でどう位置づけられるのか。国際的に行われていることが自分の生活とどうかかわりあっているのかを意識できる力を養うことだと思うんです。

情報が煩雑になっている今、世の中の情報に振り回されないで自分のアイデンティティを確立していくことが求められていると思うんです。グローバルだけでなく、地域に戻っていくという流れもあるなど多様化している社会の中で、時間軸と地域軸とで自分をとらえていくための基礎学力、思考、考え方を入試で問うて、入ってきた生徒には国際性をキーワードにして、高校になれば世界史もありますし、それを前提とした地理もありますから、英語科とは違ったアプローチで国際性豊かな女性を育んでいくということが社会科としての姿勢かなと思っています。

社会科/白鶯 訓彦先生

社会科/白鶯 訓彦先生

「想像力を発揮したり、感覚で感じてもらえる授業」

白鶯先生 社会はあまり人気がなくて、特に地理などは嫌がる子が多いんです。そういう子にも想像力を発揮したり、感覚で感じてほしいなと思っています。歴史はなかなか体験できませんが、写真であるとか映像であるとか、もちろん教師のエピソードも含めた話術であるとか、そういうものを通してイメージさせていくと、身近に感じてくれるのではないかなと思うんです。中には、特定の先生に食いついて、ある分野を詳しく知りたいという、いわゆるおたくのような子もいます。おもしろさを感じると、逆にどんどんはまっていくんですよね。

「多様化する進路。好きな分野にのめりこめるエネルギッシュな子に入学してほしい」

大島先生 学校として重要だと思っているのは、何より本校が大学付属ではないということなんです。要するに好きな分野を見つけて、好きな進路を選ばなければならないので。誤解を恐れずに言えばおたくを作ってもいいと思っているんです。そのおたくが歴史おたくだけだと歪んでいて不自然だと思うのですが、いろいろなおたくがいていいんじゃないですか。

女子だけの集まりですよね。進路は比較的緩やかだと思うんです。家業を継がなければいけないというね、特殊な事情でもないかぎり、親のプレッシャーなどもないから、今は男子よりも女子のほうが自由に進路を選べる環境にあると思うんです。うちのポジションからいうと、いろいろなことにのめり込む子が、正直なところほしいのです。国公立大学を狙えるようなオールラウンダーの子がいれば別ですが、今は1つの分野でも、「○○ちゃんは本当にすごいよね」と、周りに影響を与えるような子に集まってきてほしいというのがあります。そういう意味でいえばおたくでいいということなんですよ。

いろいろな分野で活躍する子が出てきて、それを許容する世の中だから、今言った「国際性」をキーワードに、いろいろな希望を持っている子がいて、いろいろな希望をかなえられる学校でありたいと思っています。

富士見丘中 先生

インタビュー 3/3

富士見丘中学校

富士見丘中学校1940(昭和15)年、女子の商業実務教育実践の場として昭和商業実践女学校が設立。44年に富士見丘女子商業学校と改称、48年に現校名になった。63年には普通科を設置し、78年、中高一貫教育による女子教育の総合学園を目指し、休校中の中学を再開。94(平成6)年に授業5日制を実施。

相手を思いやる「忠恕」の思想を教育理念に掲げまごころと思いやりの心をもち、世界に通用する知性と教養をそなえた「国際性豊かな若きレディー(淑女)」の育成を目標とする。自ら学ぶ「自調自学」の精神と国際感覚を養うことに力を入れるほか、独自のテーマ学習や「職業体験」を行い、学習への意欲を高めている。現代的で明るい校風に加えて、95%を超える現役での進学率は受験生の支持を集めている。

02年に「地球にやさしく人にやさしい、わたしたちの学校」をコンセプトに省エネや節水など環境に配慮した新校舎が完成。地下2階、地上6階建てで、最新の設備を完備したCALL教室(LLとコンピュータルーム)をはじめ、明るいラウンジ、緑を取り入れた屋上やパティオ(中庭)、雨水をトイレの洗浄水に利用した循環システムなど、すべてが21世紀の学びの場にふさわしい学習環境といえる。

中学では、英語に「LET'S SPEAK」、数学に「問題を解こう」、国語に「古典に親しむ」といった独自の科目を設け、基礎養成の徹底化を図る。たとえば「LET'S SPEAK」はクラスを半分にした少人数制で、外国人教師がオーラルコミュニケーションを指導。英・数では2クラスを合体してこれを習熟度別に3解体して授業クラスを編成。1クラスの員数が25名なので、この教科は15~18人で授業を行っている。また主要5教科を中心とした補講を放課後、土曜、長期休暇中に実施。希望参加制だが、過半の生徒が受講している。高1までは外進生と別クラス編成。高2から外進生との混成となり、各自が自分の進路に応じたオリジナルな時間割をつくる態勢をとって、難関大学への合格実績を伸ばしている。

「国際性豊かな若き淑女」の教育理念は、学校生活すべてに貫かれている。全生徒を対象に、毎朝10分間読書の時間がある。オーストラリアへの修学旅行(中3)や、オーストラリア姉妹校への3ヶ月留学(高1希望者)、イギリス、カナダなど3カ国から選べる夏期・春期短期留学(中2~高2の希望者)は、英会話学習の実践の場であり、国際感覚が養える機会として生徒にも好評だ。5月には学年合宿が行われるほか、歌舞伎教室、ホテル・テーブルマナー研修、芸術鑑賞もある。全員参加のクラブ活動は中学では文化部16、体育部8があり、テニス、吹奏楽、書道部などが活躍中。特に中学・高校のテニス、少林寺拳法部は強豪で、毎年全国大会に出場している。

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